いつも利用している図書館の新着本のリストで見つけました。
著者のジェーン・スーさんは、私がいつも聴いているpodcastの番組「オーバー・ザ・サン」のパーソナリティのひとりです。
このpodcast番組、リスナーさんからのメールを読みながら、元TBSアナウンサーの堀井美香さんとふたりで1時間弱ほどおしゃべりをしているだけなのですが、これがなかなかに強烈です。
お二人の表面的なキャラは対照的で話題の振幅は半端ではありません。ただ、その多彩な会話のやりとりには “人への思いやりの心” が通底しています。お二人とも心持ちがノーマルで優しく、さらにはとても頭のいい方たちなんですね。
そのジェーン・スーさんのエッセイ集ということで手に取ってみました。
podcastでの話しぶりをそのままに彷彿とさせる小文は、微笑ましく心温まるものばかりでしたし、改めて気づかされるところも多々ありました。
それらの中から、私の印象に特に残ったところをいくつか書き留めておきます。
まずは、「上手に休むのも能力だ」とのコラムでの、リモートワークで精神的に煮詰まってしまうシーン。
(p68より引用) やってほしいことをやってくれない人が視界に入るから、気持ちが削られてしまうのだ。
読者のみなさんの共感を呼ぶような気づきと自然体のアドバイスなんですね、人気があるものよくわかります。私の家でも、こういう状況になっていた(いまだになっている)んだろうと思います。申し訳ない限りです。
そして「『おつかれさま』に込めた気持ち」というコラムでは、
(p84より引用) 私が「おつかれさまでした」を使うとき、いちばんに讃えたいのは行動や結果ではなく、相手の存在や状態そのものだ。Good Job! ではカバーしきれない範囲のこと。思わしくない結果を受け取った人にも「おつかれさま」と声を掛けたくなるのは、「あなたがよくやったことを、私は知っている」と伝えたいからだ。
スーさんの優しい気持ちの源泉が見えますね。
さて、本書を読み通しての感想です。
もちろん、スーさんと私では年齢もキャラクタもキャリアも全く異なりますから、本書で語られた彼女の想いや考え方のすべてを理解したわけではありませんし、それらすべてに共感を覚えたわけでもありません。
そうか、こういう受け止め方をするのか、とか、こういったことを気にするのか、といった “想定外の気づき” の方が多かったように思います。
もちろん、それらは(今更ではありますが、)数多くの “地雷” を踏んできた私にとって貴重な反省材料なんですね。幸か不幸か、その教訓を活かす機会はそれこそ山ほど残っているのです・・・。
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