書評の評価が非常に低いので、かえって興味を抱いて手にとってみました。
日本航空の客室乗務員の独り語りです。
「崩壊」の要因の大半は「労働組合」にあるとの論。機長らによる「管理者組合」の存在等、確かに常識をはるかに超えた「特殊論理」がまかり通っている実態はあるようです。
とはいえ、組合問題が発生していなかった、もしくは、解決されたとして、日本航空が企業として存続・成長し続けたかというと、残念ながら、本書からはその可能性は見出せませんでした。
そもそも、「お客様に対してどう相対するのか」という「企業」としてのあまりにも基本的な軸がまったく感じられないのです。それは、本書で描かれている「日本航空」という会社からもそうですが、本書の著者からも同様でした。今回は、本書からの引用として、わざわざご紹介すべきくだりもありません。
売れ行きはそこそこのようですが、内容は多くの書評が語っているとおりの本でした。
ただ、本書に書き連ねられている様々な事象を「反面教師」として振り返ることには意味があります。
日本航空ほど深刻ではないにしても、企業内に組織疲労が蓄積されつつあるかもしれません。日本航空を批判できるほど、自分たちの事業運営は問題なく行われているのか、本当に「お客様」の立場にたってすべての意思決定がなされているのか・・・、こういう機会を捉えて、改めて自省しなくてはなりません。
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JAL崩壊 (文春新書) 価格:¥ 777(税込) 発売日:2010-03-17 |
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