OMOI-KOMI - 我流の作法 -

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北風と太陽

2005-09-11 22:57:41 | ブログ

(イソップ物語) 北風と太陽が、どちらが強いか争いました。そのとき、一人の旅人が街道を下って来るのを目にして、太陽が「この問題に決着をつけよう。あの旅人の上着を取り上げた方が強いと言えるのじゃないかね。先ず、君からだ。」
 そう言って、太陽が雲の後ろに隠れると、北風は旅人に向かって力の限り風を吹き付けました。しかし、北風が強く吹けば吹くほど、旅人は上着をしっかりと身に押さえつけ飛ばされないようにしました。最後には北風はやむなくあきらめるしかありませんでした。
 そこで、太陽が顔を出し、旅人の上に燦々と陽を浴びせました。旅人はあまりの暑さに上着をつけては歩けなくなりました。

 小さいころ読んだ有名なイソップ物語のひとつですが、この話を久しぶりに耳にしたのは10年以上も前のことです。
 当時の上司が「自分が仕事に取り組むスタイル」のたとえ話として語っていました。その印象は今でも強く残っています。

 最近でも、この寓話はリーダシップやコーチングを説く際の分かりやすい例示として登場します。

 多くの組織人は、自分は「太陽型」だと思っている、あるいは「太陽型」になりたいと思っているのが実態でしょう。私もそうありたいと思っているひとりですが、「太陽」なのか「北風」なのかは、そのときの相手が感じることです。
 また、個々の相手によってまたそのときの状況によって、「太陽」がいい場合もあれば、敢えて「北風」を吹かした方がいいこともあるでしょう。

 自分を「太陽型」「北風型」かという「型」にはめるのではなく、様々なケースに応じて、「太陽」になったり「北風」になったりすべきだと思います。相手に「自発」を促すのか、相手を「強制」で動かすのか、対象や環境等の諸条件を勘案して、そのたびごとに適切なスタイルを選択し演じるのです。

 もちろん、その場合の「北風」は、その後に春を呼ぶ先駆けでなくてはなりません。太陽熱による地表の温度差が「風を生む源」ですから、「北風」も「太陽の所作のひとつ」です。

 もうひとつ、最近改めて気付いたことです。
 イソップ(ギリシア語ではアイソポス)は、紀元前6世紀の人です。孔子もほぼこのころに活躍していました。
 ギリシアでイソップが寓話を語り、中国で孔子が仁を説いていたころ、日本では縄文晩期でした。

コメント (2)
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