2021年度 第1回うとう塾 5/28開催
講師:増田 貴人さん
(弘前大学教育学部付属
特別支援教育センターセンター長)
発達障害は”発達の大きなかたより”です。私たちも多少の得意や苦手がありますが、その程度があまりに大きすぎると、日常生活に支障が出てきます。その極端なアンバランスな状態が、発達障害です。学校などの集団生活の中で変わった行動がみられて、初めてわかる事が多いです。発達障害は見た目では認知されにくく、本人の努力不足や家族関係が原因だと勘違いされがちで、その勘違いこそが発達障害の理解を阻んでいるという指摘もあります。
発達障害の「障害がある-なし」ではなく、特性の濃淡(グラデーション)で濃いほどつまづくことが多く支援が必要です。そのために大人たちの役割は「援助」で、以下が大切な点とのお話でした。
◎「診断」を受けることで障害の特徴を知る事ができ、どんな支援が必要なのか、日常をどう過ごすかを知る。
◎高学年から中学生以降に、障害特性から副次的に生じる心理的問題(自尊心の低下やできるはずの事さえ取り組まなくなる)になりやすく、回復に時間がかかることを知る。
◎発達障害は「行為と認知のずれ」が大きく影響する。知覚に問題があり、見え方や聞こえ方が違うことを知り、子どもの視点に立って考え援助することが必要。
◎実行機能を育てること。
※実行機能とは、「ある目標を達成するために、それに応じた計画をたて、準備をし、実行し、ときに修正をすることができる(行動や気持ちをコントロール出来る)認知機能のこと。
◎発達障害のある子どもと関わる時に、根拠なく褒めず結果だけを見るのでもなく努力した過程や発想の着眼点を褒めることが大切。
最後に「大人たちが関わる時のポイントは、子どもが活動そのものに集中できるように、また何度も挑戦できる環境を整えることが大事で、結果ではなく、ありのままを認め子どものベースや思考を見守りながら、困難にも辛抱強く関わる支援が大事」と話されました。
参加者アンケートからは、以下のような感想をいただきました。(一部抜粋)
「(発達障害の特性として)サポートされている、受け入れられているという実感を持ちにくい」ということを知れて良かった。今後はもっとわかりやすく行動してあげたいと思った。
子どもの得意なことをしっかり見つけてあげたい。
子どもの考え方との折り合いをつけることや、自分で決めたルールのことなど勉強になった。
頭ごなしに怒りをぶつけたり「やりなさい」と言うのではなく、子ども自身に決めさせることが大切だと改めて実感した。
わが子の言葉や行動を思い出し何度も泣いた。子どもが生まれた時から何度か発達障がいを疑い相談してきたが、いづれも違うという判断だった。増田先生のお話にはヒントがたくさん入っていた。自分の子どもへの接し方が正しかったと自信を持てた部分もあった。本当に感謝しています。
感染対策へのご協力と、ご参加ありがとうございました
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