腱鞘炎(ジストニア)日記

ジストニア生活もいつの間にか24年目!!
のんびりと付き合っていきます。

マーチン・フリーソン礼賛

2022-11-07 22:19:45 | ギター
1979年のマーチン・フリーソンが今、家にあります。





マーチン・フリーソンは普通に良いギターで大好きです。


名器と呼ばれるギターの様に、特別に高密度の音では無いですし、特別に高品位な音でもありません。
音量はそれなりにありますが、大音量ギターではありません。
21世紀のギターの様に簡単に音は出ません。
腰が強いギターなので、強めのタッチで弾かないと鳴ってくれません。
単音を出してマーチン・フリーソンよりも素晴らしい音が出るギターは沢山あると思います。


マーチン・フリーソンは弾き心地が良いのです。
頭で考えてコントロールしながら弾く事が必要なギターと違い、ギターが歌う様に鳴ってくれます。
曲を弾くと自然とこちらの意志通りに微妙な音量の変化が付いてくれます。
簡単に鳴ってしまう現代の楽器と比べても、鳴らしたくない時には鳴らない感触が非常に弾きやすく音楽を作りやすいと感じます。
反応は充分に早いけれども早すぎない適度な鈍さも弾き心地の良さに繋がっている気がします。
弾いていて気持ちが乗ってきてしまう楽器ですねえ。

名器では無い、私の身の丈に合っている楽器????


さて今回の1979年のマーチン・フリーソンですが、過去に所有していた2台とかなり違うティストのギターです。
一番の特徴は低音のサスティーンがとても長い事です。
低音は鳴り続けますが、曲の邪魔にならない様な適度な減衰もあります。
これが弾いていてムッチャ心地良い!!!


中身を見てみると????





おおっ!!!!
平行ブレーシングに駒下のトランスウァースバー
もしかしてブーシェオマージュ????
う~~~みゅう、、、たぶん違うでしょう。

トランスウァースバーにOpus.96の文字が見えます。
96台目のギターって事ですかね?
1986年に亡くなっている事を考えると、生涯製作本数は110~120台位だと思います。
寡作です。





良く見るとOpus.96の隣にも何か文字みたいな物が見えます。
何だろう????

拡大して見るとそこには!!!!





ヒゲメガネのおじさんの顔。
誰?????
もしかしてこれがマーチン・フリーソンさん???
こういうのを見つけるのは何だか楽しいですねえ。





ラベルは上品な絵が描いてあります。
バロックギターかなあ?
古楽器も作っていたマーチン・フリーソンらしい渋いラベルです。







表面板は普通に良さげなスプルース。
割れ修理跡は日本では考えられない様な仕上げです。
「音さえ良ければそれで良し。見た目に手間掛けるのは無駄」って割り切りが私は嫌いでは無いです。







裏板は普通に良さげなローズウッド。
ハカランダを使ったマーチン・フリーソンの楽器は見た事が無いです。
柾目のローズウッドは弾き心地の良さに貢献していると思う。






ヘッドも普通です。




問題な糸巻き
元々はロジャースが付いていたはずですが、安物のガタガタな糸巻きに交換されてしまっています。
たぶんオランダのヴァンゲントかなあ?
遊びが大きいので調弦が面倒です。
こりはさっそく交換ですね。





ナットもアウトです。
ローポジションでの弦高を下げる目的だろうと思いますが、溝を深く削りすぎて1弦が潜り込んでしまっています。
開放弦を弾くと金属的な異音が混じってしまいます。
ナットも交換ですね。






前のブログに書きましたが、ネックは丸太の様に太い!!!
さすが70年代ギターです。
でも握り心地は良いですし、見た目ほど押さえ辛くは無いです。
薄いネックよりも私は太いネックが好き!!!


そんな訳で、通算79台目のギターは、生涯3台目のマーチン・フリーソンになりました。