もしかしたら「林檎」じゃあ無くて「ハート」の形かなあ???
しばらくこのシリーズをさぼっていたら、何だかギターっぽい楽器がすごく増えた気がするゾ!!
ってな訳で、久しぶりに「どうしてギターが増えていくの?」ギターっぽい楽器さん達編です。
2010年の年末にヘイコック製作のルネサンスギターを手に入れて、すっかりルネサンスギターにハマってしまっていました。
初めての古楽器がルネサンスギターってのは、かなり変質的ですが、、、
このヘイコックのルネサンスギターがあまりに素晴らしくて、大事にしていきたいって思っていました。
でもビール飲んで酔っ払うと、ルネサンスギターを弾きたくなる。
そのうちローズに右の人差し指を激突させて、突き破ってしまいそうで怖い。。。
そこで、気楽に使える安いルネサンスギターを手に入れる事にしました。
名古屋の楽器屋さんに、「有名な古楽研究者が所有していたダンカン製作のルネサンスギター」ってのが売りに出ている。
ダンカンって誰よ???
有名な古楽研究家って誰????
毎日HPでチェックしていたら、最初は15万円だった値段がどんどん下がっていって、ある日8万円に!!!
さっそく楽器屋さんの問い合わせてみました。
私「音はどうですか?」
楽器屋さん「まあそれなりです」
私「ダンカンって誰ですか?」
楽器屋さん「私も知りません」
私「この楽器は、安いのにぜんぜん売れないですねえ」
楽器屋さん「おもちゃみたいなんでねえ」
う~~~~~みゅうう。。。。
とりあえず楽器を送ってもらって試奏してみる事に、、
届いた楽器は、とにかく汚い楽器でした。
「楽器を弾く前は、ちゃんと石鹸で手を洗いましょうねえ!!」って言いたくなるような状態です。
ケースには「Shin Watanabe」のサインがあります。
インターネットで「わたなべ しん」を調べてみたら、沖縄でバナナを作っているおじいちゃんでした。
沖縄のバナナ園の夜、一人のおじいちゃんが泡盛の古酒を飲みながら、農作業で汚れた指で、ほろほろとルネサンスギターをつま弾いている
なんて絵が頭に浮かびましたが、そうでは無くてあの「ソルのギター教本全訳」の天才音楽研究家の渡辺 臣さんでした。
今は音楽から離れて、沖縄でヨーガの伝道師件バナナ農園の経営をしているらしいです。
実際に弾いてみると、かなり良いルネサンスギターです。
とにかく反応が良いです。
音色はヘイコックの方が好きな音ですが、反応の良さはこちらの方が良いです。
後姿は林檎形又はハート形
ペグもハート形
ローズは金泥が剥がれかかっている。
ブリッジはヒゲ?が下向き?
さっそく名古屋の楽器屋さんに、購入する旨を伝えたら
「この楽器には付属の楽譜があるので送ります」だって、、
届いた楽譜は!!
お~~~!!!
ル・ロワの曲集だあ!!!
今では手に入らない貴重な曲集です。
ラッキーです。
購入後にストラップピンを取り付けてもらうために、東京の楽器屋さんに持ち込みました。
エンドブロックが外れかかっていたとかで、かなりの費用が掛かってしまいましたが、これで安心して実践で使えます。
その後製作家のダンカンって人を、インターネットで調べてみましたがまったくヒットしません。
ローズの隙間から一生懸命ラベルを見たら、「Dancan」では無くて「Dancarf」って読めます。
それから「NRI」って文字も。。。
古楽器奏者のTさんが、この楽器の正体を教えてくれました。
「イギリス、マンチェスターのジョン・ダンカルフがNRI(ノーサーン・ルネサンス・インスツルメンツ)のために製作した楽器だと思います。設計はエフライム・セガーマンです。
僕もNRIの楽器はいくつか持っていますが、いずれも大変良いです。
ギターも間違いなく良い楽器でしょう。」
との事です。
セガーマンってのはTさん曰く「マッドサイエンティスト」だそうです。
イギリスの古い洋館の中で、一人の中年男が真夜中になると、羊の腸を切り刻んでいる(←勝手な想像)。
「20世紀に初めてリュート用のガット弦を再現した人」だそうです。
NRIの80年代のカタログのジャケットに、このルネサンスギターも載っています。
1555年にセビリャで出版された、フランシスコ・ゲレーロ (Francisco Guerrero、1528年10月4日? – 1599年11月8日) の曲集の表紙絵を元に、再現されたルネサンスギターとの事です。
う~~みゅう。。。確かにそっくりに再現されてますなあ。。。