腱鞘炎(ジストニア)日記

ジストニア生活もいつの間にか24年目!!
のんびりと付き合っていきます。

現在の指の状態

2022-11-29 16:12:27 | 真面目に腱鞘炎(ジストニア)の話
このブログのタイトルは「腱鞘炎(ジストニア)日記」なので、たまには真面目に現在の指の状態の事なども書かないと、、、、

動画で見てもらうのが手っ取り早いので。

Joaquin Rodrigo - En los trigales(20221127)


さっき撮ったばかりの動画です。


首がすご~~くデブだあ!!!!!


そんな事は仕方が無いし、どうでも良い事です。
演奏のクオリティの問題や音楽としてこの演奏はどうなの?って問題は無視します。

とりあえず指は動いています。
右指はちょっと気持ちの悪い動きですが、それでも動いています。

右手首が表面板へ近づき過ぎてしまっています。
この方が力が抜けて早く指が動くのですが、パワーが無くて音質が悪くなるんですよねえ。

まだまだこれから直していかない駄目な癖等はありますが、とりあえずジストニアからは脱却出来ている気がします。

1周回って足台に戻る

2022-11-28 16:28:36 | 真面目に腱鞘炎(ジストニア)の話
手に入るギター支持具は、一通り試してみたのですが、、、、

ギターレスト、ギターサポート、エルゴプレイ、ギターリフト、ダイナレット、トリポーテ。
支持具を使わずに滑り止めマットだけで構えるとか、ストラップ使って立奏とか。

珍しい物では「ネックアップ」という商品名の、どういう構造だったか思い出せないレア物も使った事ありました。
最近はウクライナ製の挟み込み式のギターサポートを使っていました。

どれも1長1短あって、なかなか理想的な位置でギターを安定させて構えられない。


久しぶりに足台を使ってみて思いました。

ほぼ理想的な位置にギターが納まる。
ギターの安定度も抜群です。

数日間、足台を使ってみたら、結局は足台に勝る支持具は無い様な気がしてきました。
長期間使うと腰に負担が掛からないか不安ですが、腰痛や背中痛が出る様になってから、どうすれば良いか考えれば良いかとも思います。


足台は他の支持具と比べて、持ち運びが少し不便です。
ポケットの付いていない軽量ハードケースは入らない物が多いのです。





それでも、アランフェス・カーボンのカムフラージュならば、ヘッド部に小型軽量のアルミ足台がすっぽりと収まります。
これで持ち運びも楽です。



挟み込み式のギターサポートから足台に戻った理由。





左手首がくの字に曲がっています。
筋肉も硬直しています。
これを直して、左の筋肉が柔らかい状態でギターを弾ける様にしたいのです。
足台を使うと、ギターのネックがほど良い位置になって、楽器が安定します。
左手の修正を行うには、足台を使ってギターを構えるのが一番良いのでは?と思います。

左手の問題は昔から気がついてはいましたが、右手の問題が大きすぎて左手は放置して弾いて来ました。
最近になって右手の問題は少し解消してきています(←まだ完全に解消されてる訳では無い)。
そろそろ左手の改善に取り組まないと間に合わない。
年齢と体の状態を考えれば、いつまでも元気にギターを弾いていられるとは限らないしねえ。



Rebeca Oliveira | Sonata 37 by Carlos Seixas




この方の演奏動画を見ると、昭和の時代に良く言われた「脱力」って言葉が虚しく聞こえます。
右手も左手も、力の抜けきった「ぶらぶら状態」では無く、常に筋肉を柔らかくした状態でしっかりと弦に力を伝えています。
素晴らしい演奏です。
こんな風にギターを弾けたら、体はまったく疲れないだろうなあ。。。
レベッカ様の演奏動画を見てイメージトレーニングをしています。


そしてもう一人

Laura Rouy plays Esquisse 2 by Carlos Marín


演奏中にほどよく体が動いてギターとの一体感が素晴らしい!!!
音楽も体の動きに合わせて、心地良く揺らぎます。
レベッカ様程には柔らかく無いですが、体に緊張が無く柔らかい状態で体が動かしているのが参考になります。
こんなにも体が動いて、音楽が自然に揺らいでも、右・左手はぶれないで正確なタッチで弾いています。

演奏中に体を動かすのは無理でも、音楽の自然な揺らぎはお手本にしたいです。


そんな訳でしばらくは足台を使用して練習をしてみます。

46th鈴木豊ギターリサイタル

2022-11-26 19:03:51 | コンサートの感想
今年も聞いてきました。






「46th鈴木豊ギターリサイタル」
すみだトリフォニーホール(小ホール)


46回目ですよお!!!!
凄い!!!


鈴木先生には20歳の時からずっとお世話になっています。
今年は久しぶりにワンレッスンを受けたり、ミニ発表会に参加させていただいたりしました。

最初にリサイタルを聞いたのは40年位前ですかねえ?
「7thリサイタル」あたりかなあ???
毎回お伺いしていた訳ではありませんが、確実に20回以上はお伺いしていると思います。

若い時よりも現在の方が演奏のクオリティが高いのも凄いです。


今年のリサイタルのプログラムは




フレタの音の純度と密度が素晴らしい。
美しい音楽が静かに進む鈴木先生の演奏を堪能しました。
センスの良い歌心と明解に描かれるリズムが魅力的です。


どうして、こんなにも知性溢れる演奏をする鈴木先生に長年お世話になっているのに、私の演奏はアホっぽいのだろう???
などと反省したりもしますが、アホなのは治りません。

最近の朝のルーティーン

2022-11-21 17:46:55 | 真面目に腱鞘炎(ジストニア)の話
朝の練習前のルーティーンです。

まずは古楽器奏者の竹内太郎さんの演奏動画を見ます。

Siciliano (Spagnoletta) (Guitar transcription, c. 1890) on the Liobet guitar


この動画は19世紀末スパニッシュギターの演奏動画ですが、竹内さんは毎日twitterに古楽器の演奏動画をアップしていますので、そちらでバロックギターの演奏を見たりもします。


「楽器に一切のストレスを与えずに美しい響きを紡ぎ出す」のを見ながら、自分でモダンギターを弾く時のイメージを作っていきます。


その後にこのギターをしばらく弾きます。





竹内さんが動画で弾いていた19世紀末に作られた小さなオールドスパニッシュギター。
J.M.リョベートです。

このギターは弦高が低く弦の張りが弱いので、普通に弾くとビビります。
ビビらない様に良い音が出るように気をつけながら軽く弦に触れる様なタッチで弾きます。
しばらく弾いて慣れてくると、楽器が大きく鳴る様なタッチに変わって来ます。


この後、普通のモダン・ギターに持ち替えて普通の練習を始めます。

朝の練習前にこのルーティーンを行うと、指の関節が柔らかくなって意外とスムーズに指が動く様になります。

1980~90年代のアメリカでおきたバルベロ贋作事件を知っていますか?

2022-11-19 10:04:58 | ギター
こういう事件を面白がってはいけないんのでしょうが、でも面白い!!!!

あくまでネット上の情報ですので、実名でブログを書くのは控えます。
事件を引き起こしたアメリカの楽器商は1919年まで営業していて、代表者は2020年に亡くなっています。
中々ユニークな人物だったらしいです。
FBのページもまだ普通に残っています。

実名でブログ記事を書くのは問題があるでしょうし、日本ではあまり知れらていない会社の事ですので実名にする必要は無いと思います。



アメリカの楽器屋さんが1980~90年代?にバルベロ1世等の高価な名器の贋作を複数販売していたらしいです。
バルベロ1世の贋作には1970年製作のラベルが貼られて、実製作者は息子と説明されたいたらしいです。
あえてバルベロ1世が死去後の年代のラベルを貼る所が巧妙です。

この事件の一番面白い所は贋作は日本で作られていて、アメリカで偽物のラベルが貼られていた。
そして、まだ誰が贋作を作っていたのか分からない事です。
これらの贋作は意外にも「実は音が良い」らしいのです。
これらの楽器のオーナーは贋作と知っても、音が良い貴重な贋作として大事に所有しつづけている様子です。


昨日のブログのベニヤ板で作られたフランシスコ・フレタの贋作も、これら贋作事件の一環で作られていたらしいです。
確かに演奏動画で聞くと、ベニヤ製のギターとは思えない素晴らしい音が出ています。
2000ドルの高価な販売価格は「この楽器商の贋作」としての価値なんでしょうね。



さて日本で誰が贋作を作ってアメリカで販売していたのでしょうか?

こりは面白いです!!!!

無名で不遇の製作家が腕試しで名器の贋作を作った。
そんな話だったら面白いのですが、、、



まったく日本で話題になっていなかったのは、どうしてか???


たぶん実際は何も面白くない話だったからでしょうねえ。

まともな製作家では無く、いかにも贋作を作ってそうな面倒な人物が作っていた?
腕試しじゃなくてお金儲け。
だからベニヤ板で贋作を作った。


もしかしたらって思う人物がいます。


以前、こんな噂話を聞いた事があります。

「大阪の方でベニヤでトーレスの贋作を作って売ったギタリストがいる。」

他にもハウザー1世とかも作っては自分の弟子に売っていた噂があります。
ネットで贋作と思われるハウザーギターの演奏動画を見た(聞いた)事がありますが、音は思いのほか良くて驚きました。


下記の話はタブーなのかなあ、何故か誰も話題にしない?

かなり前ですが、あるギターの先生が、国際ギターコンクールを自分で主催して自ら優勝して、ちょっとした騒ぎに。
審査員は自分の弟子で、1位本人、2位一番弟子、3位奥さんの予定が、奥さんの演奏があまりに酷すぎて3位にする事が出来ずに他のギタリストになったとの噂もあります。
優勝賞金が非常識な位に高額(数百万円?)だったために、海外からも参加したギタリストもいて気の毒がられていた記憶があります。

あくまで噂話ですが、トーレスの贋作の製作者と同一人物との話も聞いた事があります。


側・裏板をベニヤで贋作を作られていて音が良い所が、日本で作られたフランシスコ・フレタとトーレスの贋作の共通点ですが、、、、


実際にはさらに面白くない話で、日本の量産ギターメーカーのフレタモデルが音が良かったので、アメリカでラベルが貼り替えられただけってのが事実の可能性が一番高い気もします。
イグナシオで無くフランシスコのラベルにしたのは、その方が情報が無くてばれずらいから?








上がフランシスコ・フレタ
中がイグナシオ・フレタ
下が日本製フランシスコ・フレタ

日本製フレタはヘッドの形状が微妙にイグナシオです。

でも日本の量産メーカーがフレタはともかくバルベロモデルを作っていたって話は聞いた事が無いですし、、、、

色々と謎が多くて面白いって思ってしまう贋作事件です。



追記です。

贋作事件のアメリカの楽器屋さんですが、調べて見ると色々と面白い事が分かります。
この楽器屋さんはフェデリコ・ガルシア・ラベルのマドリッドのギターを販売していたらしいのですが、実はこのフェデリコ・ガルシアは名古屋の春日楽器製造で作られていたとの事です。
ちょっとビックリです。
そうだとすると、バルベロやフレタの贋作ギターは春日楽器製造で作られたガルシアギターのラベルを貼り替えた物って可能性が高いです。

今度は春日ギターに興味が沸いてきたなあ。

フランシスコ・マヌエル・フレタ 日本人説?????

2022-11-17 21:16:35 | ギター
フランシスコ・マヌエル・フレタの情報をネットで探しています。

ギターでは無くビオラの演奏をYouTubeで見つけました。


F. M. Fleta, spanish luthier, viola construida en 1964, Barcelona


良い音なのかはまったく分からないです。



バイオリンの演奏も!!

violin from F. M. Fleta, brother from the well-known spanish luthier Ignacio Fleta



これも音は良く分かりませんが、、、
説明でも「有名なイグナシオ・フレタの兄」と書かれているので、バイオリン製作家としてもあまり知られていないのかなあ、、、


コントラバスのサイトで少しだけ言及されていました。

「19世紀のコントラバス製作家は、典型的なスペインの「ギター」または「洋ナシの形をした楽器を作り、フランシスコ・パッツンクル(1780年代-1833年頃)、アグスティ・アルティミラ(1805-1882)、ベニート・ジャウメ(1860-1934)、ラモン・パラモン(1880-1955)を含み、フランシスコ・マヌエル・フレタ(1890-1981)は主に3弦楽器を作りました。」
アルティミラはトーレスに影響を与えたギター製作家で有名ですね。
ギターショップのメディア・カームに素晴らしい装飾のギターが1台在庫されています。





クラシックギターでは無くアーチトップのアコースティックギターが販売されているのも見つけました。

「フランシソ・マヌエル・フレタ アコースティック・アーチトップ・ギター、ヴィンテージ 1948
バルセロナで尊敬されているクラシックギタービルダーであり、有名なチェロとベースのメーカーであるイグナシオフレタの兄であるフランシソマヌエルフレタは、いくつかのアーチトップギターを作りました。これは知られている唯一のカップルのうちの1つです。幅18インチの大きなもので、楕円形のサウンドホールがあり、ヨーロッパのトウヒと形作られたクルミからできており、一部の交換されたバインディングを除いて元の状態のままです。構造は非常に軽いです。他のほとんどすべてのジャズボックスよりも大きいですが、重量は5ポンド未満です。その音色はギターと同じくらいユニークです。洞窟状で、反応が良く、その範囲全体に暖かさがあります。」










う~~みゅう。
音を聞いてみたい。


そしてとんでもない動画をYouTubeで見つけてしまいましたあ!!!


Can you hear the difference between a $200, $2,000, $20,000, and $200,000 guitar?



7:20位から問題の動画が始まります。
私は英語のヒアリングがまったく駄目で、会話の内容はほとんど分かりませんが、、、、
なんとこの動画では1965年のフランシスコ・フレタを「日本で作られた」とはっきりと言っています。

面白い!!!!!

HPの写真を見ても、うちにある1964年とも、シッカスで売られた1968年とも、竹内太郎さんのHPの1961年ともヘッドの形状等は同じで、全体的な雰囲気も良く似ています。
音も似ている気がします。


ラベルはかなり違います。



うちにある1964年のラベル





日本で作られた??1965年のラベル

ラベルも違いますすが、それ以上にサインが違ったり「9」の文字の書き順が違ったりしていて????なラベルです。
サインに関してはシッカスの1968年の物とうちの1964年もかなり違うので、字が下手で毎回同じサインが書けないだけって可能性もあります。

口輪やブリッジは整い過ぎていて、あまりフランシスコっぽくは無いですねえ。

でも贋作やレプリカを作るのであれば、フランシスコでは無く高価で有名なイグナシオにするでしょうしねえ。
ほとんど誰にも知られていないフランシスコ・マヌエル・フレタの贋作やレプリカを作る意味はあまり無いです。
表面板の状態を見ても最近作られたギターでは無く、古い時代の物に見えます。
もしかして60年代の日本では、まだイグナシオもあまり有名で無かった???
フレタってだけでファーストネームまで知らずに、間違えてフランシスコの贋作を作ってしまった???


会話の冒頭で「フランシスコ・フレタ」を「有名」って言っているのも気になります。
もしかしてイグナシオの息子のフランシスコと間違えている?
それで辻褄が合わないから真作で無いって言っている可能性もあるかも?

お値段は60年代の日本で作られた贋作だとすると高すぎるけど、真作だと安すぎる微妙な金額。

謎多きギターです。


もし本当にこのギターが日本で作られたとすると、、、、
例えばうちにある1964年のギターが元になっている可能性もあります。
製作本数の少ないフランシスコのギターが、60年代に2台以上日本に入って来たとはあまり考えられないです。
当時、このレベルのギターを作れたのは誰だろう?
中出阪蔵さん位しか名前が思いつかない。

たまたま日本に入って来た1本を見た中出阪蔵さん辺りがコピーして作った1台なのかも?
真作の可能性も充分にある気もしますけどねえ。



また、何だか面白いなあって思ってしまった、どうでも良い事でした。


2002.11.18追記

動画では「日本製の横裏ベニヤのギター、アメリカに輸入されてフランシスコ・フレタの偽ラベルが貼られて売買された。いずれにしてもフレタとは関係なし」と説明されているとの事です。

フランシスコ・M・フレタがようやっと帰還です。

2022-11-17 16:21:47 | ギター
ようやっと修理・調整から戻って来ました。
2ヶ月ぶりの帰還です!!!




フランシスコ・M・フレタ 1964年

フレタ1世(イグナシオ)の兄かつ師匠のギターです。


糸巻きも



壊れたフステロから



ニッケルプレートのロジャースへ交換しています。
美しい!!!!


2ヶ月ぶりに弾いてみて思いました。


性格はやっぱりオールドバルセロナっぽいです。
1964年製ですがもっと古い時代のギターみたいです。
ガルシア~シンプリシオの系統です。

6弦の開放弦がドーンと鳴ります。
高音はよりフレタっぽく太く力強い音かなあ?

シンプリシオとフレタ1世の良い所取りの様なギター。


そして1964年に作られたにしては、かなり古風なギターです。
戦前のギターの味わいもあります。

エ・イーホスになる前のフレタ1世(イグナシオ)も斬新だけれども古風なギターです。
シンプリシオの甥、ミゲル・S・シンプリシオも60年代の中頃までは戦前の仕様のギターを作っていました。

60年代のバルセロナでは古き良き時代のギターが進化しながらも作り続けられていたのかも知れません。
まあ、どうでも良い妄想話ですが、、、、


話は変わって、フランシスコ・M・フレタと入れ違いに、マーチン・フリーソンを預けてきました。
今年中には戻って来てくれると思います。。。。





マーチン・フリーソン追跡

2022-11-12 07:59:13 | ギター



今回、1979年のギター内部に「ヒゲ眼鏡のおじさん」のお茶目ないたずら書き?を見つけて、マーチン・フリーソンのイメージが変わりました。
良く知らずに勝手に持っていたイメージは、「くっそ真面目に、同じ様なギターを作り続けた頑固なイギリスのお爺さん」だったのですが、、、
新たなイメージは「古い物の良さを知りながら、新たな試みを色々と取り込んで、楽しみながらギターを作っていた気さくなイギリスのお爺ちゃん」ですかねえ。
実際はどうだったんだろう?
人柄が伝わる様なエピソードは残っていません。


マーチン・フリーソンも追跡してみたのですが、、、
1986年までギターを作っていたのに、ほとんど情報が無いのです。


ネット上で見つけた情報は
イギリス北部ナントヴィッチ(Nantwich)に工房があった。
ギターとリュートを製作
1980-1982 ジョン・ウィリアムスが使用(多重録音の2重奏CDに使用)
Michael Geeが初期にコラボレーション?
弟子?のBrian Higgs(ブライアン・ヒッグス)が1980年製のConcert Model 2の製作を担当
イギリスの中堅プロギタリストが何人か使用している
1986年没


生誕は何年???
いつ製作を始めたのか?
ギター製作を誰に習ったのか?
弟子は誰がいたのか?

よく分かりません。


私が最初のマーチン・フリーソンを手に入れた1986年です。
その頃に聞いたマーチン・フリーソンの情報。

ジョンが使用した杉のフレタモデルと同型のギターを主に製作。
80年代に入ってからボディが小ぶりなスプルースのトーレスモデルを作り始めた。
イギリスのギター製作界の長老?
生涯製作本数は100本程度。


ネットで色々と調べて見ると、杉のフレタモデルはあまり多くは出てきません。
表面板スプルース、裏・側板ローズウッドの方が通常仕様だったようです。
限られた同じモデルだけを作り続けた訳では無く、1台づつ工夫をこらした様々な構造のギターを作っています。
今回手に入れた1979年製のギターが96台目ですので、生涯製作本数はたぶん110~120台程度。
リュートも作っていた事を考えても寡作な製作家です。


ギターのタイプも様々です。
共通しているの特徴は、高音弦の太く柔らかく力強い心地良い音。

今までに所有した3台のギターは

1979年製



ボディはやや大きめで腰が強く低音のサスティーンが長い。

力木は7本平行ブレーシング+エンドの逆ハの字+駒下のバー。



ちょっとだけブーシェオマージュっぽいフレタモデルみたいなイメージのギターです。




1985年製



1979年製よりも小ぶりなボディ
引き締まった力強い鳴り。
低音はボンボンとなるタイプ。
イギリスらしいトーレス・ハウザーモデルっぽいギターでした。




1986年製



ボディは1985年と同じ小ぶりなタイプ。

力木はなんと3本ファンブレーシング!!!



ブリッジはギルバート型



弾き心地はひたすら柔らかい!!!!
80年代のニューコンセプトギター?


お知り合いの持っているマーチン・フリーソンで少しだけ弾かせてもらった事があるのは2台

杉のフレタモデル。
某プロギタリストの方の持ち物。
弦の感触はひたすら粘り腰。
柔らかいのに強烈に腰が強くて弦に力を乗せやすい。
密度の濃い太く柔らかい音で豪快に鳴りまくっていました。



1984年のスプルースのギター



ヘッドに彫刻の入った珍しいモデル
ブリッジはギルバート型でしたので、もしかしたら3本ファンブレーシングだったのかも?
ひたすら優しく心地良い音の出るギターで、微妙で繊細な音楽表現が可能なギターです。


5台のギターが全て違うタイプのギターでした。
もしかしてマーチン・フリーソンって同じモデルのギターってほとんど作っていないのでは?
100台強の自作ギターは全て変えて作っていたりして????


色々と詳しい情報を知りたいのですが、とにかく情報が無い。
生前にお付き合いのあったイギリスのギタリストや製作家で、まだまだご存命な方が多いと思うのですが、情報が何も伝わってきません。


現代ではあまり人気が無く評価も高くないマーチン・フリーソンですが、高いクオリティのコンサートギターとして、もっと再評価されても良いのではと思います。
生涯製作本数も少なく貴重ですしねえ。

人気が無いせいでお値段もお手頃で、気楽に購入出来るのは助かりますが、、、、、








マーチン・フリーソン礼賛

2022-11-07 22:19:45 | ギター
1979年のマーチン・フリーソンが今、家にあります。





マーチン・フリーソンは普通に良いギターで大好きです。


名器と呼ばれるギターの様に、特別に高密度の音では無いですし、特別に高品位な音でもありません。
音量はそれなりにありますが、大音量ギターではありません。
21世紀のギターの様に簡単に音は出ません。
腰が強いギターなので、強めのタッチで弾かないと鳴ってくれません。
単音を出してマーチン・フリーソンよりも素晴らしい音が出るギターは沢山あると思います。


マーチン・フリーソンは弾き心地が良いのです。
頭で考えてコントロールしながら弾く事が必要なギターと違い、ギターが歌う様に鳴ってくれます。
曲を弾くと自然とこちらの意志通りに微妙な音量の変化が付いてくれます。
簡単に鳴ってしまう現代の楽器と比べても、鳴らしたくない時には鳴らない感触が非常に弾きやすく音楽を作りやすいと感じます。
反応は充分に早いけれども早すぎない適度な鈍さも弾き心地の良さに繋がっている気がします。
弾いていて気持ちが乗ってきてしまう楽器ですねえ。

名器では無い、私の身の丈に合っている楽器????


さて今回の1979年のマーチン・フリーソンですが、過去に所有していた2台とかなり違うティストのギターです。
一番の特徴は低音のサスティーンがとても長い事です。
低音は鳴り続けますが、曲の邪魔にならない様な適度な減衰もあります。
これが弾いていてムッチャ心地良い!!!


中身を見てみると????





おおっ!!!!
平行ブレーシングに駒下のトランスウァースバー
もしかしてブーシェオマージュ????
う~~~みゅう、、、たぶん違うでしょう。

トランスウァースバーにOpus.96の文字が見えます。
96台目のギターって事ですかね?
1986年に亡くなっている事を考えると、生涯製作本数は110~120台位だと思います。
寡作です。





良く見るとOpus.96の隣にも何か文字みたいな物が見えます。
何だろう????

拡大して見るとそこには!!!!





ヒゲメガネのおじさんの顔。
誰?????
もしかしてこれがマーチン・フリーソンさん???
こういうのを見つけるのは何だか楽しいですねえ。





ラベルは上品な絵が描いてあります。
バロックギターかなあ?
古楽器も作っていたマーチン・フリーソンらしい渋いラベルです。







表面板は普通に良さげなスプルース。
割れ修理跡は日本では考えられない様な仕上げです。
「音さえ良ければそれで良し。見た目に手間掛けるのは無駄」って割り切りが私は嫌いでは無いです。







裏板は普通に良さげなローズウッド。
ハカランダを使ったマーチン・フリーソンの楽器は見た事が無いです。
柾目のローズウッドは弾き心地の良さに貢献していると思う。






ヘッドも普通です。




問題な糸巻き
元々はロジャースが付いていたはずですが、安物のガタガタな糸巻きに交換されてしまっています。
たぶんオランダのヴァンゲントかなあ?
遊びが大きいので調弦が面倒です。
こりはさっそく交換ですね。





ナットもアウトです。
ローポジションでの弦高を下げる目的だろうと思いますが、溝を深く削りすぎて1弦が潜り込んでしまっています。
開放弦を弾くと金属的な異音が混じってしまいます。
ナットも交換ですね。






前のブログに書きましたが、ネックは丸太の様に太い!!!
さすが70年代ギターです。
でも握り心地は良いですし、見た目ほど押さえ辛くは無いです。
薄いネックよりも私は太いネックが好き!!!


そんな訳で、通算79台目のギターは、生涯3台目のマーチン・フリーソンになりました。


板付カマボコの様な形状の太いネックが好き

2022-11-05 09:35:04 | ギター


弾きやすいかどうかって話では無く、好きかどうかって話です。


70年代のギターにありがちな太いネックが好きなんです。
握った瞬間に「おっ!!!こりは丸太みたいだあ!!」って思う位に太いのが好きです。
なんとなく左手にしっくりとフィットする感じが心地良いのです。

楽に弾けるかって言うと、まあ楽では無いです。
でも見た目ほどには弾き辛くは無かったりします。


逆に21世紀のギターの薄っぺたいネックはフィット感が無くて苦手です。
慣れれば楽なんでしょうけどねえ。
ネックへ左手を添えた時に気持ち良くいない。


楽に弾けるかどうかも大事ですが、弾き心地も大事だと思う。