Learning Tomato (旧「eラーニングかもしれないBlog」)

大学教育を中心に不定期に書いています。

vol.496:休刊に当たって(ハシモト)

2014年01月30日 | お知らせ


上記は『進撃の巨人』第7巻 でアルミンが語る名セリフ

「やめる事」が今求められている?

前回、500号を迎えるに当たって、本メルマガが休刊することになりました。
私は最後に執筆メンバーに入ったのですが、それでも約三年です。あっとい
う間だったなと思います。実は、転職して大学の教員になってすぐからス
タートしたので、私の教歴も3年になるのです。これまた、あっという間で
した。

さて、休刊というと少し寂しい気もするのですが、どこかで何らかの節目を
置くというのも大切な事ではないでしょうか。最近、特に「やめる(辞める、
止める)ことという事が大切なのではないかと思うようになりました。

一見するとネガティブな話に聞こえるかも知れません。しかし、どちらかと
言えば、ポジティブに生きるために必要な事なのではないかと考えています。

極めて単純な事ですが、我々は24時間何らかの事をしています。ボーとして
いる時間というものもありますが、たいていの人は何らかの予定で詰まって
いるのではないでしょうか。寝る時間、ご飯を食べる時間、風呂に入る時間、
もちろん、仕事をする時間などです。その時、何か新しい事をしようと思っ
たら、何かやめる必要があると言うことです。

ムリに詰め込もうとすれば、睡眠時間などが犠牲になります。 当然、寝な
いことなど不可能ですので、睡眠時間や食事の時間などを確保するとすれば、
一日の時間は24時間ではないことが分かります。また、残りの時間であって
も何かしているのではないでしょうか。会社に行けば、通勤時間に業務時間。
上司との会話に同僚とのたわいのない会話もあります。また、プライベート
では友人との会話、テレビ、家族の中での父親母親としての仕事、場合によ
っては「子供としての仕事」もあるかも知れません。このように、何らかの
形で既に埋まっているのです。

「暇になったらやろうと思う」と言って請け負った人から、「暇になったか
らやっておいた」という朗報がもたらされる事はほとんどないのです。少し
でも暇になれば、ここぞとばかりその暇を埋めるべく、誰かが狙っています。
昔で言えば、テレビですし、今ではSNSやゲームなどもそうでしょう。今の
時代、誰もがターゲットになっているという訳です。防御をしなければ、途
端に「忙しく」させられてしまうのです。

では、何か新しい事を始まるときにはどうすれば良いか。自明な事ですね。
既に、埋まってしまっている時間の中から何かを「やめる」必要があるので
す。私のように、無為な時間を過ごしているのであれば、それを材料にすれ
ば良いのですが、そうでない人の場合には、今使っている「有意義な時間」
をやめて、次の事に振り分ける必要があるという事です。

では、何をやめますか?

学生にも同じような事を語っています。
「○○が出来るようになりたいのです」と聞かれたら、「○○ができるよう
になるための方法は分かりますか?」と尋ねます。
大体、分かっているケースが多いです。そして、その後には「○○のために、
一日どのくらい時間を取るのですか?」と付け加えます。
さらに「その時間は、具体的に何をやめる事で作るのですか?」と。

ここで、「頑張って」とか「気合いで」などと言われた時には、「それは難
しいですね」と答えています。そして、嫌な顔をされるのです。

では、何をやめますか?

実は、学生だけではなく、大人にとってもこれはかなり難しい問なのではな
いでしょうか。特に、これまで一生懸命何かに取り組んできた人や、成功体
験がある人に取ってみれば、これまで積み重ねてきた行動は成功の源泉です。
それをやめること。容易な事ではありませんね。もしかすると、失敗する可
能性もあるからです。しかし、やめなければ次にはいけないのです。

「忙しさ」という極めて万能な言い訳は、幸か不幸か、現在は誰もが持って
います。そして、忙しさは自尊心をも守ってくれます。「忙しいから仕方無
いよね」と。

冒頭で、3年間あっという間だったと書きました。本当にそういった気持ち
です。そして、忙しかったです。ですが、振り返ってみると、やりたい事、
やれば良かった事、やらなければならないと決意したことが出来ていなかっ
たなという気持ちが強くあります。そして、それらは「忙しい」を言い訳に
してきました。

そこで、私は新たな一歩を踏み出すために、まず何かやめることからスター
トしようと思っています。いや、具体的にやめることをピックアップしまし
た。勇気をもってそれをやめることで、新しい事が入ってくる余地を作り出
そうと思っています。メルマガ休刊に当たって、決意を述べることで終わり
たいと思います。やめることで新たな一歩を踏み出そうと思っています。

皆様、どうもありがとうございました。また、いずれの日にかどうぞよろし
くお願いいたします。
<文責 ハシモト>

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