野中のアパートはチャオプラヤの近くで雨が降ると水がなかなかひかない。数年前には胸のところまで水がきた。1階にあるので便利だが、洪水のときには家財道具がおしゃかになる。
『おるか?』 『おー、久しぶりやの。』『どないしよった?』『別に』
『酒井はまだ帰ってきてないのか』『アイツはチェンマイがいいらしい。酒はうまいし、ネーちゃんはキレイだと言ってた。』(笑)『もうアイツは帰ってこんかもしれんな。』
専門学校で一緒だった仲間たちの話をする。みんなそれぞれ退職して年金暮らしだ。タイへ来ているのはオレと野中と酒井。あとマレーシアとフィリピンにいる。ときどきLineで連絡を取る。応答しなくなった時がその時だと誰もが分かっている。
野中と酒井は日本の家屋敷を全部処分してリタイアメントビザで住んでいる。読書が趣味だという。バンコクでは贅沢をしなければ年金だけで生活できる。しかしそれでも偶数月の15日が待ち遠しい。金が足りないときは野中に1万円ぐらい借金することもある。
『俺もチェンマイへ行ってみようかな。』『やめとけ。一ヵ所にずっと住んで、毎日自炊しているのが銭儲け。俺なんか年金だけだけど、貯金が増えてきている。』(笑) (『クルンテープ老人同盟』より)
『タイ語独習コンテンツ』で課題の易しい作文を作ろうとすると、さっき習ったことさえも忘れている。そこで単語カードに表に単語・発音記号、裏に日本語の意味を書いてそのカードを組み合わせて文章を作ろうとやってみた。
そのときタイ文字の読みを知っていたほうが便利だと思い、『マリンのタイ語生活』でタイ文字の学習を再開した。この本もなかなかよく出来ていて飽きさせない。しかし2時間かけて17ページというのはチョット痛い。この二つの教材は同時進行でやっていこうと思う。とりあえず『あいうえお』は全部タイ文字で書けるようになったはずだ。
しかし子音の前に母音が来る文字があるとは思いもよらなかった。その場合でも子音から読み始める。『เ : ee』『โ : oo』などの母音のことです。母音は子音の上下左右に付くが、母音による規則性があるみたいだ。
今日も悪戦苦闘は続きます。マゾっぽい性格をしているのか、なぜか楽しい。それに、いろいろと外国語を勉強してきたので、どのくらいやれば、どのくらいで、どのレベルになるかを知っているし、何年もやれなくて、放置した後また始めれば勉強が止まったところから続けることができる、昔習ったことを忘れてはいない。そんな体験もしてきたので自分のポジションを俯瞰図的に見ることができる。
来年の今頃は『片言のタイ語』を話している自分を想像することができる。