日本映画と言えば黒沢映画のことしか話さないけれど、『男はつらいよ』は僕が学生時代からよく見た映画です。第1作は僕が17歳の時でしたので、受験勉強が忙しく、それに当時、映画に関心がなくて見に行きませんでした。大学生になってから映画をよく見ました。『黒澤映画』『ゴッドファーザー』『燃えよドラゴン』等も見ましたが『寅さん』もよく見に行きました。寅さんシリーズはほとんどが封切り館で見たと思います。寅さんが来るのを楽しみにしていたんです。
シリーズの第1作目からほとんど見ていますが、甥の満男の恋愛話が出てきたあたりから見なくなりました。その42作目のとき僕はもう37才になっていました。
『男はつらいよ』のなかでいわゆる『リリー三部作』(第11、15、25作)の出来が一番いいと思います。そして思い出深い作品でした。他愛のない片思いの物語が多いなかにあって脚本がいいし、『リリー』の啖呵がさえていました。ストーリーもわりと現実的で本当に結婚の寸前までいく、喜劇ではなく恋愛物語の要素が強かったせいかもしれません。リリーのキャラクターが僕好みでもありました。女性で『男はつらいよ』が好きだという人はいないかもしれません。寅さんがあまりにも子供っぽ過ぎるしイケメンでもありませんので。『もてない独身男性専用』の映画なのかもしれません。(笑)
第11作 寅次郎 忘れな草
第15作 寅次郎 相合い傘
第25作 寅次郎 ハイビスカスの花
第48作目もリリーは出てきているのですが、これが寅さんの遺作となりました。僕は寅さんの死ぬ間際の映画を見たくないので、おそらく死ぬまで見ないかもしれません。
動画編集ソフトと高性能パソコンが欲しくなってきました。寅さんの名場面集を作りたい。