アジア夢紀行

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なでしこ 冬の時代の到来

2016-03-02 14:13:18 | サッカー

嫌な予感がする。

かつて女子サッカーに陽の当たらない冬の時代があった。その時代を知っているのは澤をはじめW杯ドイツ大会で優勝した面々である。長く陽の当たらない時代をアルバイトをしながら黙々と練習に励んだ。才能もあったのだろう。ドイツ大会を前に澤が言った。『このメンバーならやれる。』 そのとき澤は優勝できるとは思っていなかったかも知れないが、澤のサッカー人生でこれほどレベルの高いメンバーが揃ったことはなかった。だから彼女は言ったのだ。『このメンバーならやれる』と。もしこのメンバーで出来ないのであれば、日本にはもうできないと思っていたはずだ。

その時のメンバーが今回招集された20人の中に14人も含まれている。経験豊富な彼女たちはどのように戦えばいいかを知っているかもしれない。しかし彼女たちはもうすでに女子サッカー選手として世界チャンプになる年齢制限(28歳)を超えている。世界には28を超えても活躍している選手はたくさんいると反論するかもしれない。活躍できるのは若い選手に囲まれてプレーしていたからだ。若い選手の中に老練な指揮官がいるという状況でなければ老練なプレーヤーは生かされない。

その招集された14人中、熊谷以外はもはや力不足だと感じている。感じているのは私ではない。選手自身である。『このメンバーならやれる。』と思っている選手がいないのだ。

なでしこ冬の時代の到来は世代交代ができなかったことによる。あんなに激しいスポーツで4年も5年も代表が変わらないというのがおかしい。本来であれば『20人中、前回の大会を知っているのは5人だけです。』とテレビの解説者が言うようでなければ、もうこのチームは終わっている。

次とそのまた次の世代がロートルを押し出すようでなければもはやW杯には出場もできないだろう。25歳と22歳の世代の情けなさが目に余る。それらの世代から出てマトモに世界と戦えるのは、熊谷と岩淵だけである。とくに22歳世代はU-20のW杯の出場もできなかった情けない世代だ。

何が原因か。それは明かだ。ハングリー精神である。工場で働いていても、スーパーの売り子になっても、石にしがみついてもサッカーをやりたいという意志がない。このままサッカーを続ければ人生を棒に振ってしまうかもしれない局面でもサッカーを選んだ世代の『血と涙の覚悟』が欠けている。甘やかされたサッカー少女でしかないのだ。逆境はその人の決意をくじきはしない。かえって固いものにする。次世代に伝えるべきはサッカーの技術ではなく『覚悟のほど』ではないか。今の28から31世代の当時の状況に耐えられる者はいない。その状況下に置かれれば若い世代は99.9%サッカーを捨てるだろう。

もうクドクドとは言うまい。幸せになりたいのならサッカーはやめろ。幸せを捨ててでもサッカーに生きようとする者の胸にのみメダルは輝く。

 

 

 

 

 

 

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