コミュニティカフェ Y'sさくらcafe

不登校、引きこもりやニートを経験している人や障害を持つ人(をではなく)が支援する特別支援コミュニティカフェ

フリースクール物語その2-学校に行っていない子をどう思いますか?

2008年12月27日 | 富山発フリースクール物語
 さくらカフェ、富山YMCAフリースクールともに冬休みに入りました。この機会に、私たちのフリースクール物語を続けて紹介したいと思います。名前はペンネームとなっています。

富山YMCAフリースクールの本「富山発フリースクール物語」
                (生徒たちの作文集+コメント)より

 皆さんへ

 学校に行っていない子をどう思いますか?「学校に行けなくなった」そんな話を耳にしたとき、どんなイメージを持ちますか?「関係ない」と言われればそれまでなんだけど。きっといいイメージではないと思うのです。暗い、とっつきにくい、かわいそう、根性がない、何かたいへんな原因があるとか。私自身もそういう
イメージを持っていた。そして、自分が不登校になって、高校をやめてから、そのイメージは消えなかった。YMCAに通い出して、月日が流れていつのまにか20歳。

 私には、YMCAという居場所があった。なんの保証もなくて不安がいっぱいの私がいてもいいところ。わたしは、ここで、いろんな角度からモノを見ることを知った。ものごとは、1か0しかないわけじゃないことを実感した。私は、少し、変われたと思う。いろんな人と居場所のおかげで。やっとここまで来たという感じ。ずいぶん遠回りをしてきたのかもしれない。

 現実の私が不登校であること。そして、自分自身も不登校に対して偏見を持つ一人の人間であったこと。だから自分が認められなくて、つらくて苦しかったけれど、今はどっちの気持ちも何となくわかる。

 一人一人が違うから、同じ不登校の子もわからないことはいっぱいある。でも、それがすごくおもしろい。わからなくたって楽しいことはいっぱいある。無理に原因や理由を求めるより、幸せ探しの旅に出た方がいいかもしれない。


 これは、20歳ののりこさんの作文です。小学校の高学年から、摂食障害に苦しみぬいた彼女の、今の雰囲気は、あったかくてやさしい。彼女が、居場所という富山YMCAフリースクールは「私たちの居場所」です。

 ここは、治療の場でも、矯正の場でもありません。この居場所は、私たちにとって、普通の日常生活があるだけです。人がいて、語らいがあって、笑いがある。ほっとできる居場所です。傷ついた羽を休める子もいれば、ここでもう一度人に対する信頼を取り戻す人もいる。そして、ここで学び、新しい夢に向かって、飛び立っていきます。

ここで聞こえてくるこどもたちや若者たちの言葉は、私たちにいろいろなことを教えてくれます。それを受け止めることで、今、何か、大切なものが見えてくるような気がします。

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フリースクール物語その1ー私はスクールでいちばん性格が悪いです

2008年12月15日 | 富山発フリースクール物語
富山YMCAフリースクールの本「富山発フリースクール物語」
                (生徒たちの作文集+コメント)より

「私はスクールでいちばん性格が悪いです」  マユ(16歳)

 私は相当性格が悪い。自分より勉強ができない人を馬鹿にして見下している。自分より、頭が悪い人に対しては、「死ねよ」と思ってしまう。さらに、私は、人をランク付けしてしまっている。人を評価できるような偉い人間でもないくせに。今、人に明かせるのはこれだけ。こんなのは私の中ではかわいいものだ。
 心の奥底にいる私はこんなもんじゃない。ここまで言えば、本当に性格悪い人間だということが嫌でも解る。
 それから、これは、スクールの人にぜひ知ってもらいたい(?)私は、スクールで良い子ぶっています。究極に、性格が良い子を演じようとしています。でも、本性が本性だけになかなか性格良く過ごせません。それどころか、うすうす感づかれているようにさえ思います。たぶん、かのこさんあたり、もう気がついているでしょう。私は、スクールでいちばん性格が悪いです。ごめんなさい。

 変わった自分
 笑えなくなるたび
 頭が痛くなる
 
 禁句が増えて
 言葉を選ぶ自分が
 とてつもなく
 嫌になる

 壁を作っているのは自分なのに
 自分が可愛くてしょうがない
 人を見下すことでしか
 自分を支えられない

 いつの間に
 こんなに弱くなったんだろう

 何度もぶつかって血だらけの顔
 それでも
 必死に塗りつぶそうとしている
 結局
 かわい娘ぶって
 目が合わないようにしてるだけ
 ああ
 あたしって
 こんなに性格悪かったんだ

 「性格が悪い、私が悪いと心から思えるあなたは性格がいいんだよ」と言ったら、「ほんと?」と嬉しそう。でも、そのあと、「でも、私ってホントは性格いいんだって思いこんだら、やっぱ究極に悪いよね」と彼女が言う。「そうかもね」「ええっ!じゃあ、性格が悪いっておもっていたほうがいいのかな?」「かもね」という禅問答のような会話が続きます。
 きっと、「性格が悪いかもしれない」と悩んでいるのがいいんだと思います。「悩む」にも力が要る。どっちつかずがいちばんたいへんだけど、いちばんいいものが見えるような気がします。「悩んでいる」みんなは魅力的です。(kato)


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富山発フリースクール物語ー私たちフトーコーしてました

2008年12月15日 | 富山発フリースクール物語
 富山発フリースクール物語ー私たちフトーコーしてましたーは、かれこれ5年も前に、富山YMCAフリースクールの子どもたちの作文を中心に、私と所長である上村カノコが書いた本です。

 自費出版で、本のデザインはY'sさくらカフェの常連さんであるコーズの高さんが、印刷は、生徒の実家である印刷屋さんが関わってくれてできあがった本です。

 ブログが始まったので、おいおい生徒たちの作文も紹介していこうと思います。