ツルピカ田中定幸先生

教育・作文教育・綴り方教育について。
神奈川県作文の会
綴方理論研究会
国分一太郎「教育」と「文学」研究会

絵をかいてからはなしをする

2011-05-31 22:01:03 | Weblog


絵とぶんでかきましょう-1-

「おはなし」の題材である「きのうしたこと」「きょうしたこと、見たこと」などを話させるだけでなく、絵でも表現させていく。「おはなし」と平行させていく。
鉛筆でもよいが、できればクーピーあるいはクレヨンを使って、のびのびと線を大切にした絵を描かせる。線をひいた後で、色を塗るようにさせたい。いろいろな色をぬりながら描いていくと、物の形や動きをとらえるのが弱くなったり、どうしても静的な絵になってしまうからである。
したことや見たことを絵にかく。
これも、生活の中で心に残ったことの「切りとり」であり、生活への意識化である。絵がかけたら、その絵を見せながら、「おはなし」をさせる。
絵がかけた順に、教師のところへ見せに来て話しをさせてもよい。そのときには、教師が話しを聞いて、絵のあいているところにひらがなで話しを書き込んであげたりもする。

心電図を学校でとった後には、その体験の絵をかかせる。その絵を、家へ帰って見せながら話をさせる。このときには、家の人に、その話を書き込んでもらう。それを教室の壁面に張って紹介する。(絵ー略)


             みすず
きょう はじめて
しんでんずを とったんだよ。
からだに
せんたくばさみのようなものと
まあるい ものを つけて
テレビに キザギザの ものが 
うつっていたよ。
みすず しんぞう ドキドキして
ちょっとだけ こわかったの。
(いくつぐらい つけたの)
ドキドキ していたから
わかんなかったの。


             ひかる
 きかいを みたら
 どきっと したの。
 「めを つぶって。」
 といわれて
 めを つぶっている あいだ
 おなかを きられて おなかの なかみを
 とりだされてしまうと おもったの。
 おわったら なんでも なかったので
 ほっとして
 どきどきしちゃったんだ。

 五十音図の清音と濁音、くっつきの「っ」の文字を覚えたころには、絵にも自分で題を書くようにしていく。
 ここでだいじなことは、あまり表記のまちがいなどをはじめから指摘しないことである。
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教育であって 国語教育であって 文章表現指導である作文教育

2011-05-31 14:59:47 | Weblog
    国分先生の遺言
            広田 早紀
 みんなおもしろそうに聴いています。
からだをゆすって笑っている人もあります。お話の内容がわかりやすく、話ぶりがあかるくて表情ゆたかであるためでしょうか。わたしもときどきシンからわらいながら、たのしくきかせていただきました。しかしたんなるおもしろいお話ではありません。いうまでもないことですが。

 きょうのお話でもそうですが、三年前に横浜で、『こんな子どもに育てたいので』(註)を久しぶりにおききした時から、大手術をされたということもあるでしょうが、約半世紀にわたって生活綴方の発展と擁護のためにいのちをかけてこられ、『現代つづり方のたたかい』(国分一太郎著 百合出版)を力説される先生の若い方々への遺言のように思えてなりませんでした。先生がいま雑誌に連載されている『いつまで青い渋柿ぞ』や『みどりの風のふくなかに』を読んでいて、きょうのように、じかに先生のお話をきくと、いっそうの思いをつよくします。わらいながら身のひきしまる思いがするのです。
 三十余にわたって先生にたくさんのことを教えていただきながら、それにむくいるだけの仕事ができないままに、いま現場にいないわたくしだから、このように思うのかもしれません。「草場のかげから」などと聞くと、たいへんさびしく思います。
きょうはまたひとついい勉強をさせていただきました。

  国分一太郎が亡くなる前の年、1984年7月29日、高知県の幡多で講演を聴いた広田早紀の感想である。講演のタイトルは、見出しのとおり。

註(『こんな子どもに育てたいので』この講演記録は文中の『現代つづり方のたたかい』に付録2として収められている。)
*広田早紀さんには『花の薫りはそれぞれに…つづり方とともの歩んで…』(南の風社)などの著書がある。

 この資料は、同じ幡多にお住まいの宮川昭男さんから送っていただいたもの。宮川さんからは――森広幸さん経由で――このときの講演の記録となるテープを戴いている。
 いつか、そのテープをおこし、文字に「固着」させて、みなさんにも読んでいただきたいと思っている。
国分一太郎は、全国各地をこわれるままに出かけて行って講演した。できればそういったテープをダビングして届けて欲しい。
  国分一太郎の業績、考え、思い、そして、人柄を研究し、深め、伝えていくしことを、今、仲間とともに進めている。

   ・事務局  〒155-0033 東京都世田谷区代田6-19-2
    乙部武志方 電話03-3468-0973 FAX 03-3465-276
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