ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

タイ イサーンの結婚式 2

2011年12月19日 23時18分12秒 | タイ文化
金曜日のこと。
ソイローポーショーの屋台で、パワフルなおばちゃんたちに
結婚式に誘われる。
ソイローポーショーの人お店の人の結婚式。
すぐ近くで、日曜日に、この近所の人が結婚式を挙げるから行こうといわれる。

以前、配属先の先生の結婚式に参列したけれど、  (→参照ブログ 「タイ イサーンの結婚式」
先生達とはまた違う、この庶民的な人たちの結婚式に興味があるので行くことに。


「3時よ!3時にこの店に来てよ!」
と何度も念を押されたにもかかわらず、3時に約束の場所にいっても誰もいない。
1時間待ち、電話してみると「もう出ちゃった。だからさちえは行けないわ。」と一言。
はあ??と思いつつも、じゃあ仕事でもしようと家にかえり、
着替えて仕事に取りかかると電話が鳴る。
「さちえ、どこ?アパートに迎えに来たわよ!」
はあ???
慌ててまた着替えて外に出る。
車の中から激しく手を振るおばちゃんたち。

「このおじさんが、引き返してくれたのよ、優しいでしょ。」
と、運転しているおじさんをさして言う、おばちゃんたち。
どこにも「コートー―(ごめん)」がない上、
つっこみたいところがいくらもあるけど、はあ、そうですねと受け流す。


車は普通の乗用車なのに、
後部座席に4人、助手席に2人も乗ったごちゃごちゃの7人乗り状態。
その車で約1時間、とんでもない田舎にたどりつく。
「近いの?」ときくと、「すぐそこよ!」と昨日答えていたので安心していたら
とんでもなく遠いじゃないか。とんでもなく田舎じゃないか。
これは、一人では帰れない、車もトゥクトゥクも走っていない。
最初からいやーな予感が・・・。




ついたところは、田舎の民家。
これぞ、本家イサーンという感じ。
        


民家の一階では、近所の人が集まって料理を作っている。
その合間に、スイカをかじったり、おしゃべりしたり、こうして集まることも楽しそう。
    


 

民家の2階で式が始まる。
     


あ!あなたが新婦だったのですか!!  印刷屋の豪快なおばちゃんじゃないか!
新婦のお母さんかと思っていた私。
   


イサーン式の、紐をぐるりと輪にしてみんなでもつ儀式。
    


清めの水を長老的な存在からかけてもらい
    


新郎と新婦は、祈りを込めて紐を腕に巻かれる。
    


それがおわると、一同参列した人々が互いに腕に紐を巻き付けあう。
幸せになるように、健康でいるように、と口に出しながら。


私も巻いてもらう。
     


主役の新郎新婦はたくさんの人に巻かれてこんなにどっさりと。
    


長老が私を歓待して、いろんな説明をしてくれる。
ただ、イサーン語がすごすぎて、ほとんど分からない。
屋台のおばちゃんがタイ語の通訳をしてくれてやっと理解するほど。
    



それが終わると、新郎新婦の寝室へ移動。
わざとロープを二重三重にはって、いじわるして通せんぼをするのが習わし。
困難をうちかって、寝室へ行くと、お布団が敷いて花びらが巻かれている。

みんなから冷やかされて、新郎新婦は抱きしめあったり、キスしたり。
そして、部屋から参列者たちが去っていって、式は終了。
     



そのあとは、大宴会。
ごはんが運ばれ、ビールを飲み、村の人や家族親戚がみなしゃべり
歌い、飲み食いする。
     


タイ人はカラオケが大好き。ほんと、大好き。
なぜか、お坊さんがチューニングしているのには笑った。
    


エンドレスに続きそうな気配のこの大宴会。
タイの宴会は、とにかく長い。
そして、イサーンの夜は寒い。
「タクシーで帰るからよんでほしい」というと一同が大爆笑。
「タクシーなんてないない!」
嫌な予感が的中しそう・・・。
「寒いから帰りたい」「いつ帰れるの?」と何度も何度も聞いていると
かわいそうに思ってか、隣の家のおばちゃんが私を家に連れていく。

「ここで寝てなさい。明日の朝帰ったらいいよ。」
「いや!困るんです。明日の朝には仕事があるし!」
「じゃあ、寝てたら帰るときに起こしてあげるから。あの人たち12時までは
 宴会をするに決まってるから。」
仕方がない、腹をくくって寝させてもらう。
おばちゃんたちは「日本人と話せるのが嬉しい。まだ寝ないで。」と喜んでくれる。
しばらく話してから、高校生の女の子と一緒のふとんに入って仮眠。
     


「クラップ」(帰る)と起こされて目を開けると、なぜか新郎。
さっそく奥さんから使い走りさせられているのか。
タイの女性は強いから。
迎えには来てくれたものの、宴会会場に戻ると全く帰る気配がない。
     


また、かわいそうに思ってもらって、隣家のおばちゃんから連れ出され
静かなところで二人で夜空を眺める。
星はものすごくきれいで、タイで見たどこよりもきれいだった。

やっと車に乗り込む。
けれど、当然のように飲酒運転。
タイでも飲酒運転は禁止なのだが、一昔前の日本もそうだったように、
禁止でも、まだ当然のように酒を飲んでも車に乗って帰る。田舎では特に。
びくびくしながら、車に乗って生きた心地せず、また7人乗りで帰ってきた。
車の中では「さちえ、寝なさい」とおばちゃんから肩に抱き寄せられ、
優しく頭を撫でられていた。 
だけど、ビールはこぼされるし、車内は はちゃめちゃ。


反省点は、昨日、帰りの時間を聞かなかったこと。
いや、聞いても正しく教えてもらえたかどうか分からないけど。

配属先の人たちならば、私の身柄を預かっているという責任があり、
無茶なことはさせないし、そういう場に私を呼ばない。
結婚式の雰囲気も、以前見た先生の結婚式とはずいぶん雰囲気がちがったのは、
生活水準の違いであったり、所得の違いであったりするのだと思う。
この屋台の人たちには、これが当たり前の世界であって、
その中に私が入って行ったに過ぎない。

やっと帰ってきたら、夜中の1時過ぎ。
ぐったり疲れた。

自分の身は自分で守らなければならない、と改めて実感。


だけど、庶民的な、きっとごく一般的なイサーンの人の結婚式を
見ることができたのは、すごくいい経験だった。


      




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