ソムタム学級通信 ★さちえのタイ生活★

2010年6月より青年海外協力隊、養護隊員としてタイへ。バンコクより北へ450キロ東北部のコンケンで日々試行錯誤の記録。

子どもを愛するタイ人

2012年01月08日 03時38分25秒 | 日記
あわただしい2日半で、赤ちゃんは入院するし、
あわただしく寺を見て、ソンテウに乗って、トゥクトゥクに乗って、買い物をして
イサーン料理もフルーツも、タイのお菓子もたらふく食べて、
あわただしく とにかくあわただしく 嵐のように姪っ子夫婦がコンケンをあとにした。
 (→ 昨日・一昨日ブログ 「ピーマイ行事」  「日本の赤ちゃんがタイで入院」


その夕方、ナムプリック屋のお父さんたちが、
くさんの手料理を作って食事に招いてくれた。
お店が忙しい中、一緒に食事し、話し、赤ちゃんを心配し
「たった2泊なんて短い。もう一回来るんだよ。今度はもっと長く。
 本当はもっといろんなところに連れて行きたかった。」
「赤ちゃんが元気になるように今朝のサイバーツでもちゃんと祈ったからね、きっともう大丈夫だね。」
「今度来たときには、うちに泊まりなさい。 待っているから。」
と話すお父さん、お母さんたち。


空港まで送ってくれたお父さん。
別れの時、姪っ子は泣きながら
「こんなに人から親切にしてもらったことはないから、
 すごくうれしい。ありがとうございました。」
と、お父さんに感動と感謝を伝えた。
      


姪っ子は短い時間でも、少しでもタイ人と話をしてタイ人に近づこうと自らタイ語を練習してきていたし、
姪っ子の旦那様は、全く物怖じせず自然体でタイ人の中に入っていき、
英語や身振り手振りでもコミュニケーションをとった。
そういう人たちだからこそ、なおさらたった2日は短かったと思うけれど、
涙が出るようなそういう思いをしてくれたことがうれしい。
なにより、たった2泊でも、会いに来たいと思ってくれる
そんな人が私にいることが嬉しいし、その気持ちがありがたい。




今回、姪っ子夫婦の来タイでついてきた小さな赤ちゃん。
タイの人たちは赤ちゃんをみんなで愛する。
日本人も、赤ちゃんを愛するのは同じだが、その愛情表現が正直で
日本人の比にならないほど、豊かでストレート。

配属先第9特別教育センターでも、やってくる子どもを抱きしめて
「まあ、かわいい!」「なんてかわいいの!」という大人がたくさんいる。
センター長だってそうだ。
我が子でなくても、ほっぺにチュッチュッとするのも当然。
される子どもも別に驚く様子もない。
親以外の大人に愛されることになれていて、戸惑うことも人見知りすることもない。
赤ちゃんは、かわいいかわいいと、人から人へ抱っこされていき、
この赤ちゃんは一体どこから来たの?ということもよくある。



日本人の赤ちゃんだから特に珍しい、ということも手伝って
「お願い、抱かせて!」
抱っこしてもらうと、「きゃああー!」とはしゃいで喜ぶタイの人たち。
チュッチュッ とほっぺにキスの嵐。
     
    

日本を出発して飛行機に搭乗した時から、タイ航空のキャビンアテンダントたちが
男女問わず、入れ替わり立ち替わり赤ちゃんを抱っこしていき、
キャビンアテンダントの部屋に連れて行かれれた赤ちゃんは
アイドルのようにみんなから携帯で写真を撮られていたという 姪っ子夫婦の赤ちゃん。
私の配属先、第9特別教育センターでも、みんなからかわいがられ、
「おねがい!抱っこさせて!」と請われまくり、
ソイローポーショーでも、「まあ!かわいい!」と、どんどん抱っこされ、チュッチュされ、
          


どこにいっても、「ホラホラ見て。」「かわいい~」
と 会う人会う人、ラブラブコールをもらう。
その頻度も、盛り上がり方も、日本の比じゃない。
お店でも店員さんたちが集まって、ほんとうに愛おしげにする。
     



入院していたコンケンラム病院の看護師さんだって、
受付のお姉さんだって、
「抱っこさせて~」
「きゃああ~ 見てみて~」
と、黄色い歓声を上げる。
     


日本では 赤ちゃんをにっこり見つめる人、かわいいねと手を伸ばす人がいるにはいるが、
タイ人に比べればごくわずか。
我が子をかわいがって、我が孫はかわいくとも、他人の子どもはそうでもない、
個人主義で、所詮他人同士という空気が日本人にはあるように思う。
外国人の赤ちゃんがいたら、かわいいなと、普段より視線はその子に集まるかもしれない。
だけど、黙ってほほえみ見つめるだけでおわるだろう。よくて手を振るくらいだろうか。
表現が下手なのか、他人を無条件に愛する力が乏しいのか。
タイでは、例えばバスに乗ったらバスの乗客みな、ひとかたまりになってよってたかって
赤ちゃんを愛してくれる。
タイ人を見ていると、その表現の豊かさと、他者へのあたりまえのようにある愛情に
感動し、考えさせられることがたくさん。


「姪っ子が感激していました、こんなに誰もが優しくて、かわいがってくれて、
 親切にされたのは初めてだって。」
と、配属先で話すと、
「タイ人は赤ちゃんがかわいいと抱っこしたいのよ。日本人は違うの?」
と聞かれて、なんとも答えに窮する。
「私も抱っこしたかったわ。 お人形みたいだった。」
と言う食堂のおばちゃんの目が、本当に愛おしげにしていて、
こんなに豊かな愛情を持てるタイ人を、私はまた尊敬の気持ちで見つめた。


弱いもの、小さいものを慈しみ、みなで愛情をたっぷり注ぐ、タイ人たち。
素敵な人たちだ。


赤ちゃんはまだ小さすぎて、この先今日のことを覚えてはいないだろうけれど
抱っこされたぬくもりや、ほっぺにチュッとされたくすぐったさは
この子の心の中に入っていっただろう。
いつか、「この感じ・・・ なんだかどこかで・・・」
なんて思ってはくれないだろうか。
このタイ人たちのたっぷりの愛情が、この子の中に宿りますように。
    



さて、空港からお父さんに送ってもらい、家に到着。
どこを探してもカギがない。
あれ???? 
姪っ子家族とともに、私の部屋の鍵も、センターの部屋の鍵も日本へいってしまった。
大家さんに連絡して、部屋を空けてもらう。
あわただしいと、ろくなことがない。

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