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ぷちとまと

FC東京、もう飽きた。

2006年8月のお気に入り

2006年09月03日 21時38分55秒 | お気に入り
面倒だったので7月分を飛ばしてしまいましたが、やはり自分の記憶の断片として残しておきたいので、8月分をまとめました。

●書籍部門

・ミラン・クンデラ『不滅』

これはすごい。『存在の耐えられない軽さ』以上に完成度が高いことは間違いありませんが、これから何度も繰り返して読み込まないと、そのすごさを適切に説明できる自信がありません。

とりあえず裏表紙より引用。

パリ。プールサイドに寝そべっていた<私=作者>は、見知らぬ女性の、軽やかにひるがえる手のしぐさを見て、異様なほど感動し、彼女をアニェスと名づけた……。こうして生まれた<女>の、悲哀とノスタルジアに充ちた人生が、時空を超えて、文豪ゲーテと恋人の<不滅>を巡る愛の戦いの物語と響きあう。
詩・小説論、文明批判、哲学的省察、伝記的記述など異質のテクストが混交する中を、時空をゆきかい、軽やかに駆け抜けていくポリフォニック(多声的)な、壮大な愛の変奏曲。


章構成が素晴らしいのですが、訳者のあとがきによると、クンデラのほとんどの作品は七部構成であり、音楽でいう短調と長調とが交互に現れるのだとか。ほぼ独立して読める「第六部 文字盤」がまた素晴らしく、ひとつの物語として読む価値があるくらいです。

・安部公房『砂の女』

西洋的な不条理空間と圧倒的な比喩の融合が実に「ヤバい」ですね。日本語万歳!
夏休みの読書感想文の課題は『こころ』とかじゃなくて、こういう作品にすべきですな。大人の作品ではあるけれど、10代の埋もれた感性がこっち方面に導かれないのは、それだけで多大なる損失です。

●その他

・「花かれん

創作鮨。お盆に大阪に帰省した際に家族でなんば店に行きました。なかなか良かったですよ。コースに含まれていた「HNJ」なる謎のメニューを見るやいなや「新しい勝利の方程式か?」とは弟の弁。大阪に来たんだと実感。
店のスタッフに聞いてみると、「ハイブリッド・ヌーベル・ジャポネ」らしい。訳わからん。何でハイブリッドだけ英語やねんとかツッコミ。

・自転車

4年以上乗っていた自転車を買い換えました。そういう名前があることをその時知ったのですが、これまで乗っていたのはシティサイクル、今度買ったのはタウンサイクルというらしいです。訳わからん。

アキハバラ@DEEP

2006年09月03日 02時28分04秒 | 映画
『アキハバラ@DEEP』の観賞券を無料で入手したので、ほとんど予備知識のないまま最寄りの映画館に観に行きました。
21時からの上映だったとはいえ、公開初日です。20人くらいの入りでしたが、大丈夫なんでしょうか。

失礼な言い方をすると、まったく期待していなかった割には良かったです。タダなら観てもいいかなと。

深夜に放送していたドラマ(一回しか観ていませんが)と比較すると、オタク臭くなく、青春ドラマの方に重きが置かれていたので、舞台が秋葉原である必然性が失われています。アキバ=オタクというのも安易過ぎますけどね。
それに、原作を読んでないので何とも言えませんが、@DEEPのメンバーの過去を描き切ってないし、ユイさんの存在はもっと大きいはずだし、問題解決が単純過ぎ。
あと、何なのか思い出せないけど、あのラストシーンは絶対に何かで観たことがある!!!

2時間という制限もあり、面倒なものを取り払って、涙あり笑いありの痛快青春ストーリーにしたのだろうと推測できます。ティーンズ向けですね。そういう観点では、それほど悪い作品ではありません。

@DEEPのメンバーでは山田優が頑張ったと思います。ただ、荒川良々と忍成修吾に比べて、主役の成宮がちょっと弱かった気がしますね。それでも佐々木蔵之介、寺島しのぶ、萩原聖人といった共演陣は強力でしたし、音楽が結構いいなと思ってたら、小西康陽だったんですよ。

石田衣良原作の初映画化としては、どう評価しましょうか。ドラマ『池袋ウエストゲートパーク』の評価が高いですが、同等の評価を得るレベルではないでしょうね。WOWOWでドラマ化した『4TEEN』は、原作同様、14歳の少年たちと自転車を描くことに成功しています。それらと比較すると、やはり弱いと言わざるを得ません。

ここはひとつ、『娼年』を玉山鉄二主演で映像化しちゃってはどうでしょう。あれこそショッキングなシーンで話題をさらうことができる作品だと思います。さわやか系に成り下がった玉山鉄二ですが、その実力は『美悪の華』の氷室役で証明済みです。