『ウキヨヱ内史』 渋井清著

『ウキヨヱ内史』 （全２編、大鳳閣書房）。



『ウキヨヱ内史』


艶本好きの方でないと、見たことも聞いたこともない本でしょうね。
戦前に慶應大学教授の渋井清氏が、江戸時代に上梓された数々の艶本類を古書肆の力を借りて片っ端から取り寄せ、写真撮影した上に艶本の題名著者等簡単な説明を加えて出されたものです。
掲載の書影すべてモノクロですが、存在さえ知られていない稀な艶本を見ることが出来るため、艶本調査研究に欠くべからざる貴重な本ではないでしょうか。
戦前、艶本の取り扱いは細心の注意を払う必要があるため、撮影は大変であったと思います。
よくもまあ、勇気を持って仕上げた物だと感心します。
井原西鶴の『好色一代男』などが、発禁の時代です。
下手をすれば、猥褻文書に該当し逮捕される可能性もあったわけですから。



見開き２ページに８カット
艶本の表紙や口絵が展開


初篇は、艶本１１４冊を網羅して１９３２年（昭和７年）４月８日に発行、二篇は、１２９冊が取り上げられ１９３３年（昭和８年）８月１５日に出されました。
全２冊で計２４３冊の艶本が、紹介されています。

林美一先生も、「記載に多少の誤りはあるものの、基礎資料としては、必要である」とおっしゃっております。
私は３０年近く前に、２冊揃いを２万５千円で入手しました。
当時、この金額でも安いと思ったものです。

それがどうです。
金曜日の古書展に行くと、『ウキヨヱ内史』２冊揃いがありました。
価格はというと、２千円。
たったの２千円です。
驚愕の値段。
目を疑いました。
古書展には夕方近くに行ったので、それまでの間、誰一人見向きもしなかったというわけですね。
うーん。
いまどきモノクロ写真じゃ、人気ないのかな。



『ウキヨヱ内史』の中
NO.126「美都のなが免」三冊表紙



家蔵本の「美都のなが免」
カラー三冊表紙

可哀想なので、つい買ってしまいました。
『ウキヨヱ内史』 は、本文にアート紙を使用しているため、２冊とはいえ結構重量があります。
他の本も数冊購入したので、配送の手配をお願いしました。
業者は、Ｓ濃運輸。

そして、翌日。
普通なら到着するはずなのに、来ないのです。
次の日も来ない。
その次も……。
購入から４日たっても来ない。

配送番号から配達の現状をＳ濃運輸のネットで調べてみると、Ｈ砂支店に置きっぱなしらしい。
やむなく、電話で支店に問い合わせしたら、誰も出ない。
どうもＳ濃運輸、祝日は休みで配送しないらしいですね。
支店いくつかに電話してみましたが、電話に出るのは守衛のおっさんだけ。
埒が明きませんでした。
８００円も配送費がかかるのに、「到着いまだ不明」とは、どういう業者なんだろうか。

古書展に一言。
祝日に配送してくれるヤマト運輸に替えてくれ。