日々是勉強

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そして中国と朝鮮は開戦する(1)~侵略に晒されるのは「南」だ

2007年06月26日 22時28分17秒 | 地政学・国際関係
  このブログがしつこく取り上げている中国と朝鮮の冷戦は、ヒートアップしていく一方のようです。6月初めに北朝鮮が動きました。

北朝鮮、ミサイル発射・黄海に短距離1―3発か
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070607AT2M0702J07062007.html

――――――――――以下引用――――――――――
韓国軍合同参謀本部は7日、北朝鮮が同日、朝鮮半島西側の黄海に向けて短距離ミサイルを発射したことを明らかにした。ミサイルの種類や数などは確認中という。これに関連して韓国政府関係者は「発射したのは短距離地対空ミサイルで、数は1発から3発と推定される」と述べた。
 同政府関係者は「今回の黄海でのミサイル発射は、北朝鮮が定例的に実施している通常の軍事訓練の一環とみられる」と指摘した。ただ北朝鮮は最近、「韓国軍が黄海に戦闘艦船を侵入させる軍事的挑発を強行した」と非難しており、韓国に対する示威行為との見方も一部に出ている。
(中略)
(韓国聯合ニュース)は発射したミサイルが射程100キロメートル以内の地対艦または艦対艦短距離ミサイルで、北朝鮮の領海内に落下したと報じた。  
――――――――――引用以上――――――――――

  さすが、腰抜けの日本マスコミです。場所が「黄海」だというのに、今回の北朝鮮のミサイル発射の仮想敵が中国であることに触れることすらできません。朝鮮と中国と、どちらにもつけずにオロオロしているのが情けない限りです。
  今回のミサイル発射は、中国の「攻撃」に対する応戦です。中国の攻撃はこれです。

東北工程:高麗も中国が建てた国=中国歴史雑誌
http://www.chosunonline.com/article/20070606000006

――――――――――以下引用――――――――――
 韓半島(朝鮮半島)の王朝国家・高麗について、「箕子朝鮮、高句麗に続き、中国が韓半島に打ち建てた3番目の政権」と歪曲(わいきょく)した論文が、最近中国・吉林省の社会科学院が発行した雑誌に掲載されたことが確認された。

 吉林省社会科学院が隔月刊で発行する歴史雑誌『東北史地』は、2007年第3号(5・6月号)に掲載した「後唐の明宗が、高麗を建国した太祖・王建(ワンゴン)の族籍を明らかにした」という主題の論文で冒頭のような主張を展開した。

 吉林省社会科学院の歴史研究所の史長楽研究員が著者となっているこの論文は、「王建は決して韓半島の新羅人の子孫ではなく、中国・淮河流域から来た漢人の末裔(まつえい)」と主張し、933年に後唐の明宗が太祖・王建に送った冊封詔書などをその根拠として提示した。

 冊封詔書には太祖・王建を「長淮の茂族」と呼んでいる部分があり、この論文は「長淮は淮河流域を意味する言葉で、太祖・王建の本籍地が中国であるため、高麗は中国人が建国した国」と主張している。これに対し、国民大の朴宗基(パク・チョンギ)教授は「高麗は高句麗を継承したことを自ら主張したわが民族の王朝」と反論した。
――――――――――引用以上――――――――――

>王建は決して韓半島の新羅人の子孫ではなく、中国・淮河流域から来た
>漢人の末裔(まつえい)

  すごいことになってきました。ついに●高麗王朝までが中国の王朝という「歴史」が作られてしまったようです。もうこうなれば、新羅や李氏朝鮮が飲み込まれるのも時間の問題ですね。

  東北行程がつつがなく進んでいるということは、中国の朝鮮を併合する意志に変化はないということです。そうなると、読者のみなさんとしては、「いつ」「どのように」中国の併合、もしくは中朝の開戦があるか、という点が気になるところでしょう。
  それを占うために、今回は、中国東北部に居住する「朝鮮族」に注目し、中国と朝鮮が取りうるオプションを検討していきたいと思います。

  そもそも朝鮮族とは何かということですが、●こちらのサイトに簡単な概要が出ています。当たり前ですが、日本が強制連行したのではありません(笑)。清王朝の時代に、満州を開拓するために送り込まれたのが最初で、その後満州国が建国されると「五族共和」(日本人、満州族、漢民族、蒙古族、朝鮮族)という理念の下、朝鮮半島から続々と開拓民が渡来してきました。これが現在、中国東北部に200万人居住する朝鮮族のルーツです。
  彼らの一部が満州に留まり、中国国民になったのは、中国共産党が朝鮮族を弾圧せず、1952年には自治権を与えたからです。もちろん国共内戦や朝鮮戦争での「貢献」も考慮されたのでしょう。満州国軍出身の朝鮮族兵士も、共産党側に多数いたことが知られています。
  その後、民族教育の実施や、民族大学(延辺大学)の設立運営も認められて、朝鮮族は中国内の少数民族(55いると言われる)の一つとして平和に暮らしていました。

  彼らの運命を大きく変えたのが、冷戦の終結です。

  冷戦の終結に伴い、中国と「母国」である韓国が国交を回復しました(1992年)。これ以降、中国東北部の朝鮮族には、「韓国への出稼ぎ」という新しい選択肢が出てきたのです。冷戦の終結というのは、こんな風にして主に東側に属していた人々に、多くの選択肢を与えることになりました。
  しかし、出稼ぎ先の韓国は、朝鮮族にとってとても「楽園」とは言えない場所だったようです。

  まず、韓国国民の朝鮮族を見る目です。面白い記述を紹介しましょう。

朝鮮族は「在中糞胞
http://toron.pepper.jp/jp/syndrome/nation/santai.html

――――――――――以下引用――――――――――
現在韓国では、中国朝鮮族を含めた外国人労働者が数多く生活している。

同じ民族の「同胞(トンポ)」であるにもかかわらず、
朝鮮族は「糞胞(トンポ)」と蔑んで呼ばれ、まさに糞味噌に扱われているのは周知の事実だ。

中国朝鮮族は、貧しくて金儲けのために押しかけてきたから
「在中糞胞(チェイルドンポ)」だと定義するのが韓国人である。
同じ血が流れる民族なのに、このような酷い差別をする国があるだろうか?

二言目には、もの凄く人情深い云々と強調する韓国人が、
食べ残した魚の頭と骨を、家政婦の中国朝鮮族のおばさんに差し出し、
「中国では、こんな高級魚を食べたことがないだろう」と、
恩着せがましく言ったりするのだから、韓国人の人情とは、所詮、その程度のレベルなのだろう。

この一言だけで、韓国人の貧しい人々に対する冷遇と蔑視の感情が充分に読みとれる。

韓国で働く外国人労働者が集まれば、冗談交じりにでるこんな話題があるという。
自分たちが不慮の事故で切断された指を全部集めれば、
少なくとも、かます一杯にはなるだろう。という話だ。

ところが悲惨なことに、このように指が切断されても、補償すらまともに受けられないのが現実だという。
補償どころか、治療さえも受けることができない人もいるし、逆に痛い目に遭う人までいる。

韓国民に告ぐ 金文学・金明学著 より
――――――――――引用以上――――――――――

  差別意識丸出しですね。当然、こういう風に見下している人たちですから、ろくな仕事にも就けませんでした。●こちらのPDFを見ていただけるとわかりますが、中韓国交回復からしばらくの間、出稼ぎ朝鮮族は不法就労を余儀なくされ、3D(Dirty・Dangerous・Difficult)業種と言われる単純労働にしか就けなかったのです。
  どの社会でもそうなのですが、豊かな生活を夢見て先進国家に渡ってきた移民が、現実に直面した後とる行動は「失意の内の帰国」と「犯罪集団化」です。朝鮮族も、韓国内で同じような過程を辿りました。

中国朝鮮族の暴力団員32人を一斉検挙
http://www.chosunonline.com/article/20070427000062

――――――――――以下引用――――――――――
 ソウル九老区加里峰洞一帯のチャイナタウンで活動していた中国朝鮮族の暴力組織「延辺黒蛇派」32人が警察に逮捕された。韓国に在留中の海外同胞らが自ら組織名までつけて暴力団活動を行い、摘発されたのは非常に珍しいケースだ。

 警察は26日、中国・延辺出身者らで暴力団を結成し、他の暴力団員らを暴行、歓楽街の遊興業者などから金品を奪った容疑で、ヤン某容疑者(38)など7人を逮捕、チェ某容疑者(44)など25人を立件した。

 警察によれば、ヤン容疑者は中国の巨大マフィア組織の1つ「黒蛇会」行動隊長として中国延辺地域で活動し、2001年7月に韓国に入国、05年7月に加里峰洞で中国朝鮮族の不法滞在者などを集め、延辺黒蛇派を結成したという。
――――――――――引用以上――――――――――

  今年になってからの記事ですが、もうすでにマフィア的組織や闇社会まで構成しているようです。日本の中国人社会とよく似ていますね。

  上の事件には後日談もあります。少し長い記事ですが、全文引用します。

合法滞在時代、韓国警察の公権力は '張子の虎'?
http://www.searchnavi.com/~hp/chosenzoku/news4/070308.htm

――――――――――以下引用――――――――――
同胞集中村が危険になっている

去る 1月24日、安山元谷洞の殺人事件以後、外国人集中村が犯罪危険地帯として再びクローズアップされており、残念なことになっている。 しばらくの間、大した事件・事故が起こらなかった加里峰地域も危険になっている。 ある年の正月節日よりも同胞の事件・事故がたくさん起こったというのが加里峰地区隊に勤める警察の話だ。

2月一ヶ月に起きた刃物殺傷事件だけでも 4件に及ぶ。 旧正月に久し振りに会った知り合いたちが食堂で食事をしてけんかが起こり、瓶を割って突き刺す事故につながり、建設現場で働く同胞が一緒に働く同胞 4人を刀で突いて逃げだした事例も発生した。 加里峰の治安を管轄している九老警察署加里峰地区隊の警察官たちは ‘同胞が警察をもはや恐ろしがらない“とまで言う。 これは同胞たちが過去数年間、不法滞留状態で生活しながらパトカーさえ見れば後退りした時から比べると、状況が完全に変わったことを意味する。

加里峰で長い間勤めたある警察は、同胞たちの滞在が合法化されてから事故がさらにたくさん発生するようだと言う。パトカーが通ると、今では道も空けようとせず、どうして車が通り過ぎるのに退かないで前を塞ぐのかと聴けば、逆に警察に罵声を浴びせる場合もあるという。また警察と言い争いになれば、周りにいる同胞たちが大挙して集まって来て、むしろ警察官が慌てるという、笑えない状況も起きてしまうのだ。

“中国の公安なら恐がるのに、どうして韓国の警察は舐めてかかるのか、本当に問題が多い”と本音を打ち解ける警察もいる。

甚だしくは中国から同胞たちが韓国へ来る時、 “韓国の警察は民衆の杖だ” と言いながら “警察が何か言えば、インターネットに載せれば身動きできない”という類の事前教育を受けて入国する場合もあると言う。 結局、度が外れた “人権、人権” 云々の韓国の社会的雰囲気に便乗して、韓国の法と秩序をよく知らず、合法滞在なら何をやっても良いと考えている一部の同胞たちの横暴で、韓国の警察の苦悩が並大抵ではないことが感じられる話だ。

既に合法的に滞在する中国同胞が多くなり、同胞たちの集中居住地域もソウル地域だけで数十ヶ所に拡散している。しかし相変らず行政・政府はこうした状況に対する実態調査や対備策が用意されていないということが、問題として指摘される。 韓国の法と秩序をよく知らず、韓国文化と中国の文化の違いや生活方式の違いから来る問題により発生する事件・事故の予防教育に関心を持って広げなければならない時だといえよう。

犯罪危険の沼にはまった安山'元谷洞外国人村'

"外国人に話しかけるな"という不文律も出来る

今年に入るや否や、安山市元谷洞一帯だけで 2件の殺害事件が発生した。去る 1月 24日地下鉄 4号線安山駅構内の障害者トイレで発見されたバラバラ死体遺棄事件の容疑者である中国人・孫氏(35)が 1日夜、事件発生の 8日後に京畿道軍浦市金井駅地下鉄 4号線域内で警察につかまり、幸いにも一段落となったが、再び安山市元谷洞にある某アパートの花壇で 38歳の金さん(女)が死んで発見され、警察が捜査に出た。

しかも警察は金さんがアパート住民ではない点から、道を歩いていて殺害されたものと見ており、事件現場で壊れた携帯電話を回収し、復元作業を通じて携帯電話の通話記録照会と周りの人々との怨恨関係についての調査、容疑者手配をした。

このように事件が起こると、元谷洞住民の不安はますます高くなり、不法滞在の外国人に対する拒否感が高くなるしかない。

安山市元谷洞地域に住む地域住民の間には"元谷洞で外国人たちと、もしトラブルになれば後でどんな目に逢うかも判らない" "深夜の時間帯には外国人に声を掛けない方がよい"という話まで通用するほどだといい、地域民の外国人に対する認識がいかによそよそしくなっているのかが窺い知れる。

インターネットのサイトでも元谷洞を '無法天地 'と紹介し、そこの女学生が道を歩いていて外国人からひどい目にあった話とか、喧嘩をやめさせようとしたら、外国人に逆に殴られて死ぬところだったというタクシー運転手の話を実話のように紹介した。 特に中国人に対する元谷洞住民の警戒心が高くなっているという。
――――――――――引用以上――――――――――

  この記事は、非常に大きな意味を持っています。重要な箇所は2カ所あります。分けて紹介します。

  まず、初めの箇所はここです。

>既に合法的に滞在する中国同胞が多くなり、同胞たちの
>集中居住地域もソウル地域だけで数十ヶ所に拡散している。


  今や朝鮮族の韓国での就労は、合法滞在が当たり前になってきているということです。以下の記事をご覧いただいても、それがよくわかるというものです。

韓国就業割り当て:中国・朝鮮族が最多2万322人
http://www.chosunonline.com/article/20070502000023

――――――――――以下引用――――――――――
 法務部は、韓国内に親族のいない海外在住の韓国系(朝鮮民族系)外国人のうち、今年の「訪問就業制」実施で入国が許可される3万人の在住国別割り当て数を1日、発表した。これによると、中国からの受け入れが2万322人と最も多く、ついでウズベキスタン4022人、ロシア2500人の順となっている。割り当て数は該当国の韓国系の数や経済水準などを考慮し、決められた。

 今年3月から実施された訪問就業制とは、国内に親せき・姻族がいない韓国系外国人についても入国を許可し、3年間の滞在や就職を可能にした制度。法務部は韓国系外国人が韓国内に押し寄せることを懸念し、親せきのいない人については今年の入国を3万人に限り許可することを決めた。

 祖国で働くことを望む中国の朝鮮族やウズベキスタンの高麗人は9月16日に現地で行われる韓国語試験に合格しなければならない。

 基準点以上を取った人のうち、抽選で最終的な入国者を選定する。これ以外の国の韓国系海外居住者は在外公館に訪問就業の申請をすることになっている。入国は11月から可能だ。
――――――――――引用以上――――――――――

  今年になって朝鮮族受け入れの動きが加速しているのです。

>今年3月から実施された訪問就業制とは、
>国内に親せき・姻族がいない韓国系外国人についても入国を許可し、
>3年間の滞在や就職を可能にした制度。法務部は韓国系外国人が
>韓国内に押し寄せることを懸念し、親せきのいない人については
>今年の入国を3万人に限り許可することを決めた。

  親戚がいない朝鮮族の受け入れは今年こそこそ3万人に限っていますが、おそらく今後この動きは拡大することでしょう。朝鮮族労働者の受け入れの意図は、日本における日系ブラジル人就労許可と同じく「コストパフォーマンスのいい単純労働力の導入」だからです。要するに、この動きの背後にいるのは韓国内外の「グローバリスト」(利益の最大化を図るために、国内への影響を顧みず国家間の垣根を取り払う措置を求める企業や個人)なのです。
  法務当局は、韓国語試験を導入し、しかもその場所をわざと朝鮮族の多い地区をはずす(●こちらのリンクを参照)という形で抵抗しているようですが、どこまで頑張れるでしょうか。

  元の記事に戻って、この箇所にも注目です。

>“警察が何か言えば、インターネットに載せれば身動き
>できない”という類の事前教育を受けて入国する場合もあると言う。


  ネット右翼や自称保守の方々には異論があるところでしょうが、韓国も中国と比べれば十分に先進国であり、特に警察権力に対して人権がよく保障されているのです。その状況を悪用して、犯罪行為が蔓延っているというのです。
  なにか、近くにある凶悪な犯罪者になればなるほどジンケンを尊重する我が国と似ていますね。どうやら、先進国はどこも同じような病気にかかっているようです。

  では、このような状況が意味するものは何か。

  簡単にいえば、「韓国は中国による間接侵略にさらされている」ということです。

  ・・・と、もったいつけておいて、次回に続きます(笑)。


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5 コメント

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新幹線が…… (のらくろ)
2007-06-27 02:25:55
人身事故を起こしたらジ・エンド。
私はそう思ってます。

元エントリーは中国-朝鮮半島関係ですが、

>朝鮮族労働者の受け入れの意図は、日本における日系ブラジル人就労許可と同じく「コストパフォーマンスのいい単純労働力の導入」だからです。要するに、この動きの背後にいるのは韓国内外の「グローバリスト」(利益の最大化を図るために、国内への影響を顧みず国家間の垣根を取り払う措置を求める企業や個人)なのです。

は、前エントリーと同趣旨で書かれているものと見られますのでこのエントリーでコメントしますね。

2年前、小泉政権末期、郵政選挙で自民が大勝した直後の「耐震偽装」事件以降、トヨタの工場現場の中堅幹部とお会いする機会があり、同社の労働安全について伺うことができました。

今や日本経団連の幹部を排出している同社であり、「一層の規制緩和が必要だ」との主張がなされるものと想定していましたが、さすがに生産現場を熟知している同社、「工作機械などの点検は、『その機械が異常なしと確認するために必要』なのだから、点検のインターバルを伸ばす必要などない」、「当方のような労働安全管理担当部署は、とかく生産現場がおろそかにしがちな安全管理、点検、確認といった事項を遵守させないといけない立場なので、その根拠となる法令がさしたる根拠もなく緩められると労基との間で非常に難しい立場に立たされる」と、ことのほか安全管理には厳しい姿勢を示していました。

また、クレーンなどの大型機械の生産、(据付)施工者に伺った話では、規制緩和が始まって官のチェックを点検業者が代行するようになったら、安く受注し、5台あるクレーンのうち1台は型どおり点検したと思ったら、それが終わった途端5台全部に「合格」印を押した書類を交付した、という業者が出てきたという『逸話』も披露されました。

このカキコをさせていただいたのは、ろろさんが警告する「グローバリスト」には、こんな生産現場の安全管理、労働基準確保に腐心する実態を「コストカット」の一言で切り捨てていく習性があり、それはようやく世界に浸透してきた『ジャパンブランド』を根底から崩壊させる恐れが多分にあるからです。

冒頭に一部引用した「耐震偽装」がなぜ行われたかは、90年代の規制緩和の大合唱で、建築基準法の審査が官から検査会社へ委託されたため、検査会社同士の競争が値引き合戦へとつながり、ついには検査合格を偽装する者が現れたという図式で、これはつい一週間前に発覚した「ミートホープ」の社長が思わず吐き捨てた「消費者もえげつない」というセリフにつながるものと思います。

つまり、安全、清潔、ピュアといった事項に生産者が投じる労力、コストは膨大なものとなっており、それが価格に反映されるのは致し方ないということを、消費者を含めた市場参加者は、いま一度確認しておくべきだということです。

日本の生産現場の強みは、不良品、不純物を許さないといった厳しい姿勢が世界に対して抜きん出ていたため、80年代以降の「ジャパンブランド」への世界中の信用が集まったことにあります。欧米(特にアメリカ)では、統計学上一定数の不良がでるのは仕方がないという姿勢であったため、日本の生産現場に大差をつけられる結果となった。

しかし、「不良品、不純物」を、まあまあ2割以下に押さえ込むことは簡単だが、これをパーセントに現れなくなるまで排除するには膨大な労力をつぎ込まなくてはならない。また、そういうチェック部署というのは、生産に直接かかわる部署からは「直接モノづくりをしているわけでもないのに」と煙たがられる傾向にある。そういう仕事に対し、最終的にきちんと評価するのは、末端消費者の選択につきると思います。

タイトルにあげた新幹線ですが、1964年の開業以来、40年以上人身事故なし(中越地震の時は危なかったが)という偉大なレコードホルダーになっています。しかし、このレコードを支えるのに膨大な労力がつぎこまれているのを関係者以外で果たしてどれだけの数の人が自覚しているでしょうか。

毎日深夜に営業運転が終わった後、どんなに天候が厳しかろうと翌日(たいてい日付が変わっているので当日か)の始発が動き始めるまでの僅か数時間で保線作業は徹底しなければならず、異常があれば即座に復旧して始発に間に合わせる、間に合いそうにないとの判断は運転管理部門に早急に知らせる。こういったことを毎日毎日怠りなく続けてこなければ、あのような高速鉄道で安全に関わるあのような大記録は達成できません。

こういう仕事に対して、かつての日本社会は確実に報いてきましたが、今はどことなくそういう、地味で目立たぬ割に苦労が多い、そういう仕事を顧客はもちろん会社(新幹線であればJR)も軽視する傾向が確実に顕著になってきています。しかし、共産支那の新幹線で化粧室の蛇口が次々盗まれ、しかもそれが車庫に戻ってくるまで発覚しなかったなどという事件が聞こえてきて、わが国ではありえないと思っている方々に言いたい。日本でも車掌が「俺の本来業務は検札と料金徴収、車内設備のチェックは車庫の仕事」と割り切ったらすぐに共産支那と同じ事件が起こります。これを保線部門や運転管理部門がやったらどうなるか、2005年の福知山線を一桁超える死傷者が新幹線の脱線転覆といった大事故で生ずるのは間違いありません。

「日本のクルマは10万キロまでは新車だ」とアラブ人が言ったとか、新幹線の無事故大記録などは、日本国と日本人による、品質、安全管理のあきれるまでの徹底(そこに関わるのは民だけではなく、官のチェックも入る)があったということを、遊園地のジェットコースターの人身事故や、温泉施設のガス爆発といった安全管理の綻びが垣間見えている今こそ、日本と日本人は思い返す必要があります。冒頭にも書きましたが、新幹線の人身事故は「ジャパンブランド」を地獄に突き落とすことになります。ハゲタカファンドはそうなったとき、真っ先に逃亡を図るのです。
返信する
国難の時代 (流星)
2007-06-27 06:48:14
米下院外交委、慰安婦決議案を可決・日本政府に謝罪求める
 【ワシントン=丸谷浩史】米下院外交委員会は26日午後(日本時間27日未明)、旧日本軍によるいわゆる従軍慰安婦問題で、日本政府に責任を認め、謝罪を求める決議を修正のうえ賛成多数で可決した。マイク・ホンダ議員が提出した決議案に、民主党のラントス外交委員長、共和党のロスリーティネン筆頭理事が日米同盟の重要性などを付け加えた修正案が決議となった。

 修正決議は首相に謝罪を求める表現を若干、和らげた。採決の結果は賛成39、反対2。法的拘束力はない。ただ日本政府は「事実に基づかない決議は日米関係に有用でない」と働きかけてきただけに、今後の日米関係に微妙な影響を与えそうだ。

 ホンダ議員は決議可決後、記者団の質問に答え、7月中旬に本会議で採決し、可決を目指す考えを示した。 (03:50)


いつから米国議会は人権救済の役割を担う裁判所の機能を兼ねるようになったのでしょうか?傲慢極まりない行為です。
しかし、今回の決議案可決は人権問題と言うより、やはり高度な政治問題と考えた方が良さそうです。BDA問題解決後、米朝関係が大きく改善に向かうと同時に、脱北者の「日本に拉致された発言」が飛び出すなど、この決議案可決の時期に合わせるように行なわれた事は偶然とは考えられません。

アベ氏は訪米時に、ブッシュに対して慰安婦問題について無意味な謝罪した一方、拉致問題については引かなかった。この事が米朝国交正常化に大きな障害と考えた米政府が議会と協力して決議案可決に持ち込んだのだろうと思う訳です。
北朝鮮側も、北京オリンピックが終わる前に、何とか米国との国交を正常化させなければ中国に侵攻される可能性がある事を想定しているでしょうし・・。
イラクで手一杯の米国としては、北朝鮮と対立するよりも対中脅威認識で一致している北朝鮮と手を組んだ方が合理的だと判断したのでしょう。
そして、親中アベ氏に対しても「障害」であると米朝間で認識が一致した結果が前の一連の行為につながっているのではないかと考えています。

返信する
コメントありがとうございます (ろろ)
2007-06-27 07:25:51
>>のらくろさん

>ろろさんが警告する「グローバリスト」には、
>こんな生産現場の安全管理、労働基準確保に
>腐心する実態を「コストカット」の一言で
>切り捨てていく習性があり、それはようやく
>世界に浸透してきた『ジャパンブランド』を
>根底から崩壊させる恐れが多分にあるからです。

>こういう仕事に対して、かつての日本社会は
>確実に報いてきましたが、今はどことなく
>そういう、地味で目立たぬ割に苦労が多い、
>そういう仕事を顧客はもちろん会社
>(新幹線であればJR)も軽視する傾向が
>確実に顕著になってきています。

  それだけ、グローバリスト、中でも「国際金融資本」の洗脳がうまく行っているということです。どこへ行っても金金金、日本人は明らかに劣化させられています。
  嚆矢はバブル経済ですね。円高で何でも輸入すれば済むようになってしまったのは痛かった。規制緩和や「行革」も、ちょうどバブルの頃、中曽根時代に全盛になっていたのを忘れてはいけません。
  あの頃から、長い時間をかけて日本は侵略されていたのです。韓国の事例は、日本の未来だと思って間違いありません。

>>流星さん

>親中アベ氏に対しても「障害」であると
>米朝間で認識が一致した結果が前の一連の
>行為につながっているのではないかと考えています。

  親中国とまではいかないでしょう。単純に、拉致問題にこだわる姿勢が邪魔になっているだけだと思います。
  米朝が接近しているのは、おっしゃる通りですね。今になって始まったのではなく、六カ国協議からの既定路線です。

  次の記事で書くつもりですが、今年韓国がどうなるかという点が意外と重要です。
  
返信する
失うものがないと強い (ナルト)
2007-06-27 10:51:33
ろろさん、おはようございます。TBありがとうございました。
韓国が日本にやっているのと同じことを、シナの同胞にされているような印象がありますね。
人権擁護の度合いからすると、日本>韓国>シナでしょうから、人の流れもそのようになっているのでしょう。
「韓国は中国による間接侵略にさらされている」というのは興味深いですね。続きを楽しみにしております。
返信する
>>ナルトさん (ろろ)
2007-06-28 00:00:09
>失うものがないと強い

  このフレーズは重いですね。

  ここまでの差異があるにも関わらず、グローバル化しろと主張する人間は気が狂っているとしか言いようがありません。
  きっと、アジア・ゲートウェイ構想が実施されて日本が破滅に追い込まれても、グローバリストたちは金持ち用の住宅街に集住し、民間の警備会社に界隈の警備を委託すればいいと思っているのでしょう。そんな連中の手先が安倍政権であり、その系譜である小泉政権なのです。
返信する