笑うかどには福きたる

日常生活で見たこと、聞いたこと、感じたことを牧歌的にのんびりと書いています。

月命日におじいちゃんレスキュー

2021年07月19日 22時13分45秒 | 日々雑記
最寄駅からバスに乗ろうとしたとき、列の先頭から少し離れたところに、杖を抱えたおじいさんが見えました。
よく見ると4点杖を2つ抱えています。バスに乗ろうとしているようなのですが、ラッシュ時の人混みに圧倒されて乗りあぐねている様子。

「乗りますか? どうぞ」

と自分の前に招き入れ、後ろの人に「すみません」と(強制的に)了解させ、そのふらつく後ろ姿を(ヒヤヒヤしながら)眺めていて気づいたのですが、どうやら両手の指先も上手く動かないようで、手すりに摑まるのもやっとなのです。なんとか優先席に座ったのを見届けた時ようやく息ができましたよ(^_^;)。
「降りるの手伝う必要あるだろうな」と思いながらその様子を見てると、予め料金を用意するためか、斜め掛けのショルダーから小銭入れを取り出しています。そして硬貨をつまもうとした時、抱えていた小さな荷物を落としてしまったのです。

私の「おせっかいモード」はここで完全に発動されました。

席を立ち、落ちた荷物を拾い、「杖を持っててあげますよ」と。
料金の小銭の用意ができたのを見計らって「大丈夫ですか? 降りる時手伝いますよ」と。
小さく頷くおじいさん(私はただのおせっかいです。怪しいものではありません。信じてください)。
加齢で杖が必要になったのか、なにかもともとの原因があって杖が必要なのかはわかりませんが、いずれにせよひとりでバスに乗れるような状態じゃありません。

私が降りるバス停前で降車するのであれば、手助けし、そうでなければ、そこまでのご縁。
そんなことを考えていたら、こちらを向いて「〇〇で降りる」と言います。
なんと、同じ地域のバス停です。「私も、一緒に降りますから、お手伝いしますね」と言うと、ちょっとにっこりして頷いてくれました。

よいしょよいしょと、降車もなんとか無事に済ませ、とりあえずバス停のベンチに座って貰ったのですが、さて問題はここから。

「おとうさん、お家まで歩いて帰れますか?」と聞くと、どうしようという表情です。
「ご家族は?」と聞くと、一人住まいなんだとか。(マジか。。)
「おうちはどこですか?」と聞くと、そのバス停から1キロ以上離れた場所です。私でも徒歩で20分くらいはかかる場所。
すっかりベンチに沈んでしまったおじいさんは歩くどころか、立ち上がることすらできそうにありません。

こうなると、もう110番しかありません

「事件ですか? 事故ですか?」
「事件でも事故でもありません。実は。。。。。」 と、事の顛末を話し、パトカー出動となりました。

買い物はいつもヘルパーさんがしてくれること、行きのバスは一人で乗降りしたことなど、パトカー到着までそんな話をしてました。そして20分後無事に"保護完了"。

「おめぇも、モノ好きだな」、と、どこからか父の声が聞こえます。
いいじゃん。今日19日はパパの月命日なんだし。
コメント
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