映画館で、中村靖日、霧島 れいか、山中 聡、山下規介、板谷由夏 出演、内田けんじ監督作品「運命じゃない人」を観ました。
●ストーリー
婚約破棄が決まり、それまで住んでいた家を出て来た桑田真紀(霧島 れいか)は、大きなバックを2つ抱えながら、婚約指輪をお金に換える為に質屋にやって来たのだが、たった3500円の値段しか付けられない安物だった事に悲しみのどん底に落ちてしまう。
そんな気分も所持金も絶望的な状況で、偶然入ったレストランで近くの席に座っていた探偵の神田勇介(山中 聡)に「一緒に食事しない?奢るから」と言うナンパな誘いにすぐさま乗り、同席していた神田の幼なじみで親友の宮田 武(中村靖日)と共に食事をする事になる。
最初は3人で食事をしていたのだが、神田が急にトイレに行ったまま帰って来ず、心配した宮田が神田の携帯に電話を掛けると「今、仕事中だから、あの子と上手くやれ」と言い残し電話は切れた。
急に真紀と2人きりにされ、どうしたらいいのか戸惑う宮田だったが、彼女が婚約破棄の為、帰る家が無く困っている事を知ると、最近買ったばかりの自分のマンションへ泊まる事を勧め、真紀と一緒に自宅へと向かうのだったが……。
●感想
いや~、この作品は本当に巧く出来た作品です。
ストーリーの進め方なんて超巧いです!
こう言うのを、練りに練られた脚本って言うんでしょうね!どの作品もこれくらい脚本を練ってくれれば失敗作なんて出来るはずがない!と思わせるような傑作でした。
監督が脚本も兼ねているんですが、多分、「どうやったら低予算で面白い映画を作れるのか?」を必死で考えたんでしょうね!
その結果、CGとか特殊撮影とかは一切無しで、ストーリーの展開の巧さと会話の面白さで、見事なエンターテイメント作品に作り上げてしまっています。
この若き新人監督・内田けんじ氏の力量は計り知れないものがあり、「早く次回作も観てみたい!」と思わせる程、人を楽しませる映画の作り方をしっかり心得ている頭の良い人だと感じました。
役者陣も山下規介さん以外は、名前に馴染みの無い人ばかりなのですが、主要な登場人物を演じた中村靖日さん、霧島 れいかさん、山中 聡さん、板谷由夏さんが、それぞれ与えられた配役の個性を充分に引き出す演技をしていて、リアルさが上手く画面から伝わって来たように思います。
何と言っても、この作品を良い物にしているのは、それぞれの登場人物から見た視点で、同じシーンを違う角度から観せると言うアイディアとそれぞれの登場人物の会話や行動の面白さに集約されていると思います。
冒頭の宮田 武と神田勇介、桑田真紀の3人が一緒に食事をするレストランを基準として、それぞれの人物の少し過去と少し未来の状況を行ったり来たりする映像の観せ方をしているので、観客はまるでタイムマシーンに乗せられて時間軸を旅している様な、不思議な優越感を体感できると思います。
そういった観点から見ると、現在上映されている「サマータイムマシン・ブルース」と同じ匂いを感じた作品でもありました。
●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。
劇中、現在の日本を象徴する様な、他人を騙して利益を得ようとする人物が何人か出てくるのですが、その中で、中村靖日さん演じる宮田 武だけが、バカが付くほどのお人好しで優しく、現実を何も知らないまま、一人幸福感を得るのですが、彼を主人公にしている為に作品全体に救いとか癒し等の安堵感を与えていて、それをさりげなく演じた中村靖日さんに私は拍手を送りたいと思いました。
だから、この作品は「良く出来た脚本で作られた映画が観たい!」と言う方と知り合いになった人の家で偶然にも2000万円の現金が隠されているのを見つけてしまった事のある方にオススメ致します。
最後にどうでもいいことなんですが、「桑田真紀の乗ったタクシーの運転手さんは良いこと言うなぁ~」としみじみ感じてしまったのは私だけでしょうか?
それでは、また何か観たら書き込みします。
●ストーリー
婚約破棄が決まり、それまで住んでいた家を出て来た桑田真紀(霧島 れいか)は、大きなバックを2つ抱えながら、婚約指輪をお金に換える為に質屋にやって来たのだが、たった3500円の値段しか付けられない安物だった事に悲しみのどん底に落ちてしまう。
そんな気分も所持金も絶望的な状況で、偶然入ったレストランで近くの席に座っていた探偵の神田勇介(山中 聡)に「一緒に食事しない?奢るから」と言うナンパな誘いにすぐさま乗り、同席していた神田の幼なじみで親友の宮田 武(中村靖日)と共に食事をする事になる。
最初は3人で食事をしていたのだが、神田が急にトイレに行ったまま帰って来ず、心配した宮田が神田の携帯に電話を掛けると「今、仕事中だから、あの子と上手くやれ」と言い残し電話は切れた。
急に真紀と2人きりにされ、どうしたらいいのか戸惑う宮田だったが、彼女が婚約破棄の為、帰る家が無く困っている事を知ると、最近買ったばかりの自分のマンションへ泊まる事を勧め、真紀と一緒に自宅へと向かうのだったが……。
●感想
いや~、この作品は本当に巧く出来た作品です。
ストーリーの進め方なんて超巧いです!
こう言うのを、練りに練られた脚本って言うんでしょうね!どの作品もこれくらい脚本を練ってくれれば失敗作なんて出来るはずがない!と思わせるような傑作でした。
監督が脚本も兼ねているんですが、多分、「どうやったら低予算で面白い映画を作れるのか?」を必死で考えたんでしょうね!
その結果、CGとか特殊撮影とかは一切無しで、ストーリーの展開の巧さと会話の面白さで、見事なエンターテイメント作品に作り上げてしまっています。
この若き新人監督・内田けんじ氏の力量は計り知れないものがあり、「早く次回作も観てみたい!」と思わせる程、人を楽しませる映画の作り方をしっかり心得ている頭の良い人だと感じました。
役者陣も山下規介さん以外は、名前に馴染みの無い人ばかりなのですが、主要な登場人物を演じた中村靖日さん、霧島 れいかさん、山中 聡さん、板谷由夏さんが、それぞれ与えられた配役の個性を充分に引き出す演技をしていて、リアルさが上手く画面から伝わって来たように思います。
何と言っても、この作品を良い物にしているのは、それぞれの登場人物から見た視点で、同じシーンを違う角度から観せると言うアイディアとそれぞれの登場人物の会話や行動の面白さに集約されていると思います。
冒頭の宮田 武と神田勇介、桑田真紀の3人が一緒に食事をするレストランを基準として、それぞれの人物の少し過去と少し未来の状況を行ったり来たりする映像の観せ方をしているので、観客はまるでタイムマシーンに乗せられて時間軸を旅している様な、不思議な優越感を体感できると思います。
そういった観点から見ると、現在上映されている「サマータイムマシン・ブルース」と同じ匂いを感じた作品でもありました。
●採点
私のこの作品に対する評価は80点です。
劇中、現在の日本を象徴する様な、他人を騙して利益を得ようとする人物が何人か出てくるのですが、その中で、中村靖日さん演じる宮田 武だけが、バカが付くほどのお人好しで優しく、現実を何も知らないまま、一人幸福感を得るのですが、彼を主人公にしている為に作品全体に救いとか癒し等の安堵感を与えていて、それをさりげなく演じた中村靖日さんに私は拍手を送りたいと思いました。
だから、この作品は「良く出来た脚本で作られた映画が観たい!」と言う方と知り合いになった人の家で偶然にも2000万円の現金が隠されているのを見つけてしまった事のある方にオススメ致します。
最後にどうでもいいことなんですが、「桑田真紀の乗ったタクシーの運転手さんは良いこと言うなぁ~」としみじみ感じてしまったのは私だけでしょうか?
それでは、また何か観たら書き込みします。