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男たちの大和 YAMATO

2005-12-18 23:19:14 | 映画 ア行
映画館で、出演:反町隆史/中村獅童/鈴木京香/蒼井 優/渡 哲也/仲代達也/原作:辺見じゅん/脚本・監督:佐藤純彌/作品『男たちの大和 YAMATO』を観ました。

●ストーリー
2005年の桜が咲き誇る季節、鹿児島で漁師をしている神尾克己(仲代達也)の元へ、戦艦大和の沈む場所まで連れていって欲しいと一人の女性がやって来る。

その女性は内田真貴子(鈴木京香)と名乗り、昨年亡くなった義父・守(中村獅童)の遺言で彼の遺骨を大和が沈んだ場所に帰したいと言うのだった。

真貴子の義父の名前を聞いた神尾は驚く。
それは、神尾が昭和19年の春に特別年少兵として戦艦大和に乗り込んだ時の上官で、自らの命を懸けて大和沈没から救ってくれた命の恩人の一人だった。

事情を全て理解した神尾は、真貴子の願いを叶える為に、アルバイトの15歳の少年・前園 敦(池松壮亮)を連れて、大和が沈んだ運命の場所へ向かって船を走らせるのだったが……。

●感想
NHKでやっていた「大和特番」を観て壮絶な最後に胸を打たれて、劇場に足を運ぶ決意を致しました。

約6億円をかけ、戦艦大和の艦橋から前部を原寸大で再現した全長190mの巨大なセットを作り、大和艦上でのシーンを多様していたのですが、大和乗組員同士やその肉親達とのエピソードの掘り下げが浅く、熾烈な戦いで次々と乗組員が死んでいくのですが、同じシーンの繰り返しを観せられているようで、あまり感情移入が出来ず残念に思いました。

主役を反町隆史と中村獅童が務めているのですが、脇を固める大和乗組員の俳優陣がほとんど無名に近い人達ばかりなので、この二人だけでは、どうしても作品に重みを加える事が出来ない様に思いました。

感動したのは、残念ながら大和の戦闘シーンや乗組員達のエピソードでは無く、仲代達也と鈴木京香が出演するシーンと白石加代子、高畑淳子、余 貴美子、寺島しのぶ、蒼井 優などの愛する息子や恋人達を戦地へ送り出す女性達が別れを告げるシーンだけでした。

私的には、反町隆史と中村獅童が主役というよりも、仲代達也が完全に主役の二人を食ってしまっている映画の様に見えました。

肝心の戦闘シーンも、アメリカ軍からの視点で描かれているものが一つも無いし、アメリカ兵が一人も出て来ないので、日本軍がまるで見えない敵と戦っている様に映りました。

敵の行動を描く事で初めて日本軍のとった作戦の非常識さが理解出来ると思うので、本当に戦艦大和の乗組員の悲惨さを描くのなら、6億円もかけて巨大なセットを作るよりも、もっと演技力のある俳優を使い、アメリカ軍からの視点も重視して作り上げて欲しかったです。

●採点
私のこの作品に対する評価は50点です。

ハッキリ言って、NHKに6億円を渡した方が良い作品が出来たと思います。
現に、公開前に観た「NHKのドキュメンタリー番組」の方が遥かに出来が良かったです。

戦闘の所々に実際の戦闘映像を取り入れて、CG映像のフォローやリアリティーを追求しようとしていたみたいなんですが、本編との映像トーンが明らかに違うので「セットにお金をかけ過ぎたんだなぁー」としか私には思えませんでした。

と言うわけで、この作品は、日本再生の為に命を懸けた大勢の日本人の生き様を知りたい方と広島県尾道市の造船ドックに作られた190mもの広大なセットの出来を目の当たりにしたい方におすすめ致します。

最後にどうでもいいことなんですが、「15~16歳で戦場に向かわなければならない時代に生まれなくて、本当に良かった」と現代に生まれた事に感謝したのは私だけでしょうか?

それでは、また何か観たら書き込みます。

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