久々に、芝居を観た。
芝居にしろ映画にしろ美術館にしろ、観終わった後は感想を誰かと話したくなる。
でも出来ない。一人だから。
そんな時にふと、KATO’Sキッチンに行ってしまう。
看板も何もない、住宅街の中にひっそりとたたずむKATO'Sキッチン。
思いのほか、芝居が長丁場でキッチンに来るときには22時を過ぎてしまっていたが、まだ大丈夫だろうか。
外から見たら明かりはついている。アパートの外階段を上がり、静かにドアを開けてみる。
「いらっしゃい」
いつものように大将が迎えてくれた。
「ま、まだ大丈夫ですか…?」
恐る恐る訊いてみると、大将はいつものように、表情一つ変えずに「ええ」とだけ。
靴を脱いで和室へ上がる。
ただのテーブルだったのが、コタツになっている!!
暖かい。。あぁ、、暖かい。。
暖かさに感動していると、早速お通しが出される。
・厚揚げとこんにゃくのどて煮
これはもう、、絶対に美味しいでしょう。
今日はレモンサワーからスタート。
どて煮も良いが、それだけでもアレなので、おススメボードを見ると「ポテサラ」があるではないか。
「あの、大将、ポテサラを...」
「はいよ」
・ポテサラ
出されたポテサラは、芋感が強い、素朴なポテサラだった。
これこれこれこれ、これだよなぁ、、ポテサラって。
変に凝ってない、パサパサしている。
芋も「ジャーマンポテトかよ!」ほどにゴロゴロしている。
この素っ気ない感じがたまらないのです。
「今日ね、お芝居を、観てきたんですよ」
大将に、言ってみる。
「そうですか」
それだけ。それだけなのです。それがKATO'Sキッチンなのです。
絶対に「どんなお芝居だったんですか?」とか「面白かったですか?」などとは訊かないのです。
それを僕も知ってたのかもしれません。
誰かと感想を言い合いたいのではなく、ただただ自分の感想を誰かにぶつけたいだけなのかもしれないなと。
そんな気持ちでKATO'Sキッチンに来て、大将に芝居を観た事を伝え、「そうですか」とだけ言われた時にハッとした。
そこで「どんな芝居だったんですか?」とか訊かれたら、僕はあれこれ説明しただろう。
でも感想とか、観てからしばらくしないと自分の中でまとまらないし、観てすぐに言った感想なんて、自分の中では嘘っぱちだと思ったりもする。
そんなことを知ってか知らずか、大将は「そうですか」しか言わない。それがすごく嬉しかった。
「大将、何かあったかいものを」
と言ったら「はいよ」と出されたこちら
・鶏ハツの塩炒め
あぁ、野菜がしっかり冷えてるから、ハツも若干冷めちゃってるわぁ、、とは言え、美味しい。ちゃんと美味しい。
いいんだ。自分の望むものが100%の形で出てくるなんてあり得ないし、そんなものは面白くない。
KATO'Sキッチンには、いつも意外性を楽しませてもらえる。
帰り際「今日も楽しかったです」と言いたいが、毎回「ご馳走さまでした」と言ってしまう。
KATO'Sキッチンの魅力は、美味しさもさることながら、楽しさも十分に魅力的なのに!!
予想外のものが出てきた時、それを楽しめる人は少ないのかなぁ、、、。。
帰り際、ドアを開けて出ていく刹那、
勇気を振り絞って「あの、、楽しかったです」と言った。
大将は、一瞬驚いたような表情をしたが、すぐにいつもの無表情に戻り、
「ありがとうございます」とだけ言った。
そして僕がドアを閉めるその瞬間、大将と目が合い、その瞬間、大将はフッと笑顔になった気がしたのだ。
それもドアが閉まる一瞬だったので確かではないが、そう見えた気がした。
大将の笑顔が本当だったかどうか、また観に来なきゃ。
今日もありがとう、KATO'Sキッチン。
芝居にしろ映画にしろ美術館にしろ、観終わった後は感想を誰かと話したくなる。
でも出来ない。一人だから。
そんな時にふと、KATO’Sキッチンに行ってしまう。
看板も何もない、住宅街の中にひっそりとたたずむKATO'Sキッチン。
思いのほか、芝居が長丁場でキッチンに来るときには22時を過ぎてしまっていたが、まだ大丈夫だろうか。
外から見たら明かりはついている。アパートの外階段を上がり、静かにドアを開けてみる。
「いらっしゃい」
いつものように大将が迎えてくれた。
「ま、まだ大丈夫ですか…?」
恐る恐る訊いてみると、大将はいつものように、表情一つ変えずに「ええ」とだけ。
靴を脱いで和室へ上がる。
ただのテーブルだったのが、コタツになっている!!
暖かい。。あぁ、、暖かい。。
暖かさに感動していると、早速お通しが出される。
・厚揚げとこんにゃくのどて煮
これはもう、、絶対に美味しいでしょう。
今日はレモンサワーからスタート。
どて煮も良いが、それだけでもアレなので、おススメボードを見ると「ポテサラ」があるではないか。
「あの、大将、ポテサラを...」
「はいよ」
・ポテサラ
出されたポテサラは、芋感が強い、素朴なポテサラだった。
これこれこれこれ、これだよなぁ、、ポテサラって。
変に凝ってない、パサパサしている。
芋も「ジャーマンポテトかよ!」ほどにゴロゴロしている。
この素っ気ない感じがたまらないのです。
「今日ね、お芝居を、観てきたんですよ」
大将に、言ってみる。
「そうですか」
それだけ。それだけなのです。それがKATO'Sキッチンなのです。
絶対に「どんなお芝居だったんですか?」とか「面白かったですか?」などとは訊かないのです。
それを僕も知ってたのかもしれません。
誰かと感想を言い合いたいのではなく、ただただ自分の感想を誰かにぶつけたいだけなのかもしれないなと。
そんな気持ちでKATO'Sキッチンに来て、大将に芝居を観た事を伝え、「そうですか」とだけ言われた時にハッとした。
そこで「どんな芝居だったんですか?」とか訊かれたら、僕はあれこれ説明しただろう。
でも感想とか、観てからしばらくしないと自分の中でまとまらないし、観てすぐに言った感想なんて、自分の中では嘘っぱちだと思ったりもする。
そんなことを知ってか知らずか、大将は「そうですか」しか言わない。それがすごく嬉しかった。
「大将、何かあったかいものを」
と言ったら「はいよ」と出されたこちら
・鶏ハツの塩炒め
あぁ、野菜がしっかり冷えてるから、ハツも若干冷めちゃってるわぁ、、とは言え、美味しい。ちゃんと美味しい。
いいんだ。自分の望むものが100%の形で出てくるなんてあり得ないし、そんなものは面白くない。
KATO'Sキッチンには、いつも意外性を楽しませてもらえる。
帰り際「今日も楽しかったです」と言いたいが、毎回「ご馳走さまでした」と言ってしまう。
KATO'Sキッチンの魅力は、美味しさもさることながら、楽しさも十分に魅力的なのに!!
予想外のものが出てきた時、それを楽しめる人は少ないのかなぁ、、、。。
帰り際、ドアを開けて出ていく刹那、
勇気を振り絞って「あの、、楽しかったです」と言った。
大将は、一瞬驚いたような表情をしたが、すぐにいつもの無表情に戻り、
「ありがとうございます」とだけ言った。
そして僕がドアを閉めるその瞬間、大将と目が合い、その瞬間、大将はフッと笑顔になった気がしたのだ。
それもドアが閉まる一瞬だったので確かではないが、そう見えた気がした。
大将の笑顔が本当だったかどうか、また観に来なきゃ。
今日もありがとう、KATO'Sキッチン。