敗戦前後の「父の日記」を読む

昭和19年当時の世相、生活状況、父の考え方を読む。

「中央公論」「改造」の廃刊

2007-02-05 12:09:55 | 日記 戦中編
昭和十九年七月十二日 晴 公休
  お盆が来たが何もない。配給の菜豆(インゲン豆)があるので、小麦粉団子でしる粉をしてやろうと思うのだが七月分の砂糖の配給が未だ何時になるか見当がつかない。何もないと言ってもお盆の気持ちだけでも味わいたい。汲み取りもお盆に入ってからでわいやなので今朝起きる(五時)とすぐ汲み取った。
 昨日の新聞に依ると雑誌 「中央公論」と「改造」が自廃したと言う。改造は大正九年頃の発刊であるが中央公論は明治二十年だと言う。そうした古いものまで情報局の注意(?)に依り自発的に廃刊しなければならぬ羽目になると云う処に時世を考えさせられる。

石臼

2007-02-05 11:29:12 | 日記 戦中編
昭和十九年七月九日 晴 一直出勤
 夜、長男に石臼を借りて来させて小麦を挽いた。 やはり道具である。
八時頃から十時すこし前まで二時間で三升程の小麦を粉にした。而も非常によい粉が沢山できた。 小麦を作って石臼を廻して粉を作り食料の補給をすると言う事も
戦時下ならばこそである。こうした事は永久に忘れられないであろう。