徒然なるままに~のんびり、ゆったり、こまやかに

猪突猛進型の60代。そして卵巣がんですっ転んで8年。目指すはのんびり、ゆったり、細やかな生活!無理かなー(#^.^#)

きょうだいって面白い!-虫愛ずる姫君のその後・・-

2015-07-04 20:57:36 | きょうだい
私と妹は4つ違い。
還暦を過ぎた二人姉妹。
母が亡くなってから、
一人暮らしになった92歳の実家の父のこともあるので
私たちはしょっちゅう長電話をする。

その日も、父のことから始まって
他愛のない日常のことを話していた。

「この頃、メダカの世話は忙しいの?」(私)
「そう、だって、今増える時期なのよね。
お父さんのことで実家にいても、
家に置いてきたメダカ、大丈夫かなって心配になっちゃう」(妹)
「フーン、大変ねえ(笑)」(私)

「そうなのよ、それにね、メダカだけじゃないの。
この時期はね、蝶々が卵を産んで、幼虫になって、
サナギになって、それから蝶々になるでしょ。
いま卵とかいっぱいいるのよ。
それにね、この梅雨の時期、大雨降ったり、風が吹いたりするでしょ。
そうすると、卵が流されちゃうのよね。
だからね、家に20個くらい避難させてあるの」(妹)

「へええ、凄いわね。相変わらずね。Tちゃんは(笑)」(私)
「それと、猫と人間。私って、飯炊きばあさんかって思うのよ(笑)」(妹)

ここでフラッシュバック。

妹が小学校の1、2年生くらいの時だったと思う。
確か5月はじめのこと。
小学校から帰ってきた妹は、
「今日は、女王アリが飛ぶ日だったの」と報告。
妹は捕獲した女王アリを
ネスカフェの空きビンに土を入れて飼い始めた。

そんな妹は女王アリは5月の雨上がりのある晴れた日に飛ぶ、
とよく言っていた。

妹はアリ好き。
幼いころから庭に出て、
よくアリと遊んでいた。
妹のアリの巣というのもあった。
そのアリの巣に近いところに近づいてくる
別の住みかに住むアリたちを妹は撃退していた。
潰したり、お線香で焼いたり・・・。

ちょっぴり残酷に見えるけど、
それは妹が生き物好きの証拠。
大人になって、理科の先生になった。

もちろん、興味はアリにとどまらなかった。
家にあった夏ミカンの木や、
近所のおうちにあったカラタチの木に産み付けられた
アゲハチョウの卵も枝ごとよく持ち帰ってきた。
そして羽化するまで育てた。

実は私は虫が得意ではない。
怖がりと言った方がよい。

でも、妹が虫を愛でている様子を見ながら育った。
いや、育ててもらった。
だから、ネスカフェのビンの中のアリの様子も、
羽化の瞬間も見ることができた。
私一人だったら、決して開けなかった世界だ。

その妹、それから50年以上の年月が経っても
相変わらずの虫愛ずる、いえ、生き物愛ずる姫君。

この日の電話でも、蝶々の幼虫の話になった。
「あのね、実は今日もさっきまで、
幼虫の脱皮の瞬間を見ようと思って
ずっと、幼虫とにらめっこしてたの。
アゲハの緑色の幼虫になる前の
黒と白の混ざった小さい幼虫いるでしょ。
あの幼虫の脱皮の瞬間はまだ見たことがなかったのよ。
でもね、さっき脱皮したの!
3時間じっと待っちゃった(笑)」(妹)

「3時間!!・・・」(私)
「そう、3時間。フフフ」(妹)

虫愛ずる姫君健在なり!と思ったら
妹はさらに続けた。

「ねえ知ってる?
緑色の大きくなった幼虫がサナギになる直前はね、
ウロチョロウロチョロ動き回るのよ。
サナギになる場所を見つけるためにね。
そして、サナギになる直前、大量の水っぽい排泄物をだすのよ」(妹)

「えっ、オシッコ?」(私)

「そう、オシッコみたいなもの。サナギになる前に、
余分な水分を出すんだと思うの。
そして、さなぎになるのよ」(妹)

「へええ」(私)

「だからね、どこにオシッコするかわからないから、
私ね、ティッシュを敷いておくの」(妹)

「まあ、イモムシ(幼虫)の下の世話までするわけ?」(私)

「そうなのよー。
なんだか私ね、飯炊き女だけではなくて、
そのうえ父の介護だけでなくて、
イモムシの介護までしているんだと思っちゃった(笑)」(妹)

「あっ、ほんと、そうねえ・・。フフフ」(私)

なんだか面白いな。
イモムシの下の世話なんて表現、聞いたことないけれど、
それがぴったりの表現だ。

妹は相変わらず妹だなあ。
虫愛ずる姫君は還暦を過ぎても相変わらず健在。
そのまわりには植物も動物もいっぱいいる。

そんな妹と一緒に父のことを考えたりできるのって
本当に面白いし、楽しい。
それが小さな幸せかなって思う長電話のひと時でした。

今日の虫愛ずる姫君を釘付けにしたシーンは

脱皮前


脱皮中


脱皮直後


以前虫愛ずる姫君が育てた幼虫

サナギになろうっと


そして虫愛ずる姫君が羽化させたアゲハチョウ


なんと里帰りしたアゲハチョウ2匹


(注)
画像は妹の許可を得て妹のブログ等から転載しました。
Tちゃんありがとう!

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