林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

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上位校の語彙力の秘密(その1)

2012年12月18日 | 受験
中堅進学校の生徒に英文解釈を教えていると、驚くほどある種の語彙力が少ないことに気づかされる。例えば、the WestとかWesternといった言葉を知らない。ほとんど全ての中堅校の受験生は、「西」とか「西では」と訳してしまう。WESTという単語から、「近代」とか「西洋文明」といった、普遍的な性格を持つ概念を読み取ることはできないのだ。つまり、東西南北の西というふうにしか理解できないのである。

センター試験までのやさしい英語では、これでも何とかなる。しかし、やや評論文はダメだ。

たとえば次の文章を見てもらいたい。「例をあげますと、明治以降、全ての分野において、日本は西洋を唯一の物差しとして考えてきた。これが絶対的思考でしょう。それが行き詰まると、今度は西洋と東洋という二つの物差しで物事考えるようになる。となれば、これは相対的な思想ですね」 ( 出口 汪『早わかり入試頻出評論用語 』より)

ある程度の語彙力を持っていれば、けっして難しい文章ではない。しかし、「西洋」及び「東洋」という言葉を全く理解できない読者を想定してみよう。かなり厳しいはずである。ましてや、もしこれが英文であれば、ほとんど全く理解できないはずである。

問題は、彼らがWESTの言葉の意味を知らない事ではなく、日本語の「西洋文明」の意味を知らないということである。日本語でもよく分からない文章は、英語で理解できるはずがない。つまり、日本語の語彙の力が決定的に欠如しているがために、英語力向上に限界が訪れててしまうのだ。

具体的にいえば、センター試験150~60点くらいまでならば、日本語の語彙力が少なくとも何とかなる。日東駒専も受かるだろう。しかし、国公立大や明治学院や成蹊大学の英語の問題は読めなくなる。

では、どうしたら日本語の語彙力を豊かにする事ができるのだろうか。今回、神奈川の御三家に通う高校一年生の生徒の定期試験を見てみると、そのヒントが見付かったような気がした。中堅校の生徒が習得できず、上位校の生徒が簡単に習得できてしまう語彙力。その秘密を探ってみたい。(続く)

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