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今回11月3日の文化の日について。11月3日は明治天皇のお誕生日です。戦前までは天皇誕生日は「天長節」と呼ばれ、今と同じように祝祭日として天長節(天皇誕生日)はお祝いされていました。明治45年7月30日、明治天皇が崩御され、大正天皇が践祚されますと、天長節は大正天皇のお誕生日にあらためられて、11月3日は普通の日になってしまいました。しかし国民から、明治天皇のご偉業を永遠に伝えていくためにも11月3日を祝日にしたいという運動が起きました。大正14年に11月3日を祝日に制定する請願運動が行われ、2万名の署名が議会に提出されて同年2月23日、満場一致で可決。そして昭和2年の3月3日、明治天皇の御聖徳を敬仰して「明治節」として制定されたのです。以来、明治節は国家の大切な行事とされ、「四大節」の一つに数えられています。



戦後になって11月3日は、1948年(昭和23年)に公布・施行された祝日法で「文化の日」と定められました。今ではもう日本にしか存在しない、しかも1300年以上も続いている元号の伝統と、近代日本の礎をお築きになられた明治天皇の御遺徳を偲ぶ意味でも、11月3日の明治節の精神を永久に子々孫々へ伝えていきましょう。



明治神宮は初詣に例年日本一の参拝者数を集める神社としても知られます。そのほか、大相撲横綱土俵入りや、こどもの祭まで幅広い祭典と行事、厄祓い、祈願をとりおこなっています。加藤清正が掘ったと言われる清正井(きよまさのいど)や明治天皇のおぼしめしにより昭憲皇太后のために植えられた、美しい花菖蒲など、多くの見どころがあります。





今や都心のオアシスとなっている広大な鎮守の杜は、元々あったものではなく、神社の建立時に100年後の完全な自然林化を見据えて設計され、全国青年団の勤労奉仕によって植樹されたものです(「永遠の杜」計画)。明治神宮は2020年に100周年を迎えますが、植樹は相当早いペースで緑が生い茂ったそうで、100年を待たずに完全な自然の森になっています。



明治天皇は、徳育の振興が最も大切であるとされ、わが国の教育方針を明らかにするため明治23年10月30日、教育勅語を渙発されました。勅語には、日本人が祖先から受け継いできた豊かな感性と美徳が表され、人が生きていくべき上で心がけるべき徳目が簡潔に述べられていましたが、戦後に教育勅語が排除された結果、我が国の倫理道徳観は著しく低下し、極端な個人主義が横溢し、教育現場はもとより、地域社会、家庭においても深刻な問題が多発しています。今こそ、私たちは教育勅語の精神を再認識し、道義の国日本再生のために、精進努力しなければなりません。



【教育勅語の口語文訳】

 私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。そして、国民は忠孝両全の道を全うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。 

  国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また、法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。そして、これらのことは、善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります。

  このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、この教えは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国で行っても、間違いのない道でありますから、私もまた国民の皆さんと共に、祖父の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。


 正参道で、秋の大祭を奉祝する菊花展が開催されています。
 戦前には、11月3日の明治節を中心にして菊花の奉納がありましたが、一時中断しました。その後、昭和27年、明治天皇の御生誕百年祭を機に、日本菊花協会と東京菊花会によって奉納が復活、続いて香菊会(旧日本国香会)も参加して、現在に至っています。 
 どなたでもご覧いただけます。ご参拝の折に、どうぞ秋の彩りと香りをお楽しみください。 

開催期間: 平成26年11月23日(祝)まで
場 所: 正参道
奉 納: 日本菊花協会、東京菊花会、香菊会