ライン出版編集部

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ライン(rein)出版編集長の日常と雑感

喜びも悲しみも幾年月

2020-04-25 01:41:33 | Weblog
俺らの岬の  灯台守は 
妻と二人で  沖ゆく船の
無事を 祈って  
灯をかざす 灯をかざす


若山彰が歌った。

年配者なら歌えることだろう。
こんなネタは年バレするからやめておいたほうがいいのだが
一応故郷がらみなので紹介しておく。

日本の辺地に点在する灯台での厳しい駐在生活を送る灯台守夫婦の歌である。
映画になり、歌になり、全国に広まった。

発端は、灯台守の妻田中きよさんの投稿(題名「海を守る夫とともに二十年」)からだった。
日本最東端という宮古のトドヶ埼灯台で過ごした7年間を綴った内容で、
婦人倶楽部に載ったことから木下恵介監督の目に留まり、監督自ら脚本を執筆、映画化した。
夫婦を高峰秀子と佐田啓二が演じている。
全編カラー、日本各地の美しくも厳しい風景が描かれている。
今この時期にテレビ放映されたらいいのに、と思う。

話はそれるが、
こんなに時間のあるときは
心安らぐ、というか心温まる、または考えさせられる映画をぜひ放送してほしいものだ。
推理ドラマや殺人事件、ホラー、戦争ものはNG。
それを好む人も少なからずいるだろうが…。

話は戻って、福島県のいわき市にある塩屋埼は
今や美空ひばりの『みだれ髪』で知られる観光地。
その塩屋埼灯台には夫婦が1955年から2年間住んでいた。
だから『喜びも悲しみも幾年月』は塩屋崎が舞台という人もいる。

きよさんの訃報の新聞記事が資料の山から出てきた。
何年何月に亡くなったかは不明だが
「10日午前7時53分、急性肺炎のためいわき市の病院で死去、87歳」となっている。
喪主は夫の績氏だった。(当時89歳)

自宅はいわき市小名浜、
勤めを終えてからはいわき市に住んだらしい。

塩屋埼灯台には東日本大震災で亡くなった少女にまつわる話もある。
その記事が見つかったらまたこのブログで紹介したい。