水俣病で亡くなったきよ子さんのお母さんが
「桜の時期に、花びらば一枚、きよ子のかわりに、拾うてやって下さいませんでしょうか。
花の供養に」
と訴えていたことを思い出して
ハラハラと散ってくる花びらを拾った。
1枚、というのを欲張って6枚も(六地蔵とか六道とかに通ずると思って)。
拾うときたくさん荷物を持っていたせいか、あとで数えてみたら11枚もあった。
それを大事に大事に持ち帰った。
つぶさないよう掌でくるんで。
そして道々きよ子さんの冥福を祈った。
きよ子さんが庭に出て拾っている様子を思うと苦しくなるし、目が潤む。
私と同じように涙した方がいたことを知って感動した。
桜の季節に想うことが一つ増えた。