ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

保護者のPТA不加入と子どもの登校班拒否の問題-じーじのじいじ日記(2024.5.14)

2024年05月14日 | じいじ日記を書く

 2024年5月の日記です

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 夕方のニュースを見ていたら、保護者がPТAに加入していない子どもが小学校の登校班に入れないという問題が出ていた。

 保護者のPТA不加入と子どもの登校班拒否とがどう関係するのかまったくわからない。

 同調社会の日本らしいことだなと思うが、笑いごとではすまされないだろう。

 PТAは保護者の任意参加が原則で、強制ではない。

 入らない保護者が増えるとPТAは困るかもしれないが、あくまでも任意の団体だ。

 困るPТAは対策を考えて、加入している保護者や教師と相談をして、できる範囲で行事を行なうべきだと思う。

 PТAに入らない保護者の子どもを小学校の登校班から締め出すというのはいじめだろう。

 もっとも、じーじが小学校の頃には登校班なんてなかったし、子どもたちの時もなかった。それで特に支障もなかったと思う。

 ニュースでは、登校班だけはなく、学校とPТAとの行事などでも差別があるらしい。

 子どもを人質に取っての差別で、言語道断だ。

 おそらくPТAだけでなく、自治会や労働組合などでも同じような問題が起きているのではないかなと危惧する。

 今朝の新聞では、会社で内部告発をした者が差別をされているという記事もあった。

 ひどい国だな、と思う。

 戦争にもきっと同じような同調圧力が働いてしまうのだろうと想像する。

 孫娘たちだけはこんな卑劣な同調圧力からなんとか守りたいなあと思う。    (2024.5 記)

 

 

 

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下坂幸三『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』1999・岩波書店-摂食障害と向き合う

2024年05月14日 | 心理療法に学ぶ

 2019年5月のブログです

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 下坂幸三さんの『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』(1999・岩波書店)を再読しました。

 これもかなり久しぶりの再読。

 昔、家裁調査官の時に、万引きをした女の子が摂食障害の子で、対応に苦労した時に、下坂さんの本で勉強をしたことを思い出します。

 いわゆる不良少女とは違う真面目な女の子の非行で、非行というよりやはり精神的な病いとして理解する必要を感じたことがありました。

 以来、摂食障害はじーじの中で大切なテーマの一つですが、なかなか難しいです。

 この本もアンダーラインや付箋がいっぱいですが、どれくらいきちんと理解できているのかは心許ないですし、ましてやそれを心理療法の中でどれくらい実践できるのかについてはまだまだだな、と思ってしまいます。

 それでも、今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、摂食障害と強迫症、境界例の関係。

 内心の不安から自分や周囲をコントロールしようとする心性ということで、これらの病いは似ているところがありそうです。

 完全か無、善か悪、白か黒、といった極端な考え方も共通しています。

 ひょっとすると少しだけ緊張感に満ちた家庭での、自分を守る手段の一つなのかもしれません。

 二つめは、上記と関係しますが、過食や拒食にも理由があるので、その理由、利益をていねいにきくこと、いわゆる、下坂さんのいう現象論が大切ということ。

 そして、患者さんの心的現実には安易にうなずかずに、冷静な確認が必要となるようです。

 三つめが、できれば家族同席面接で、親子、それぞれの言い分をていねいにきいて、それを言語的になぞり返して、相互に確認をすること、これが重要になるようです。

 いずれも、行なうのはなかなか難しいことで、訓練と実践が必要で、今後さらに勉強を重ねていきたいと思いました。    (2019.5 記)

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 2022年5月の追記です

 ここでも、思うことは、こころの成熟は、あいまいさに耐えること、白も黒も灰色もある世界を理解できるようになることなどが大切になりそうな気がします。    (2022.5 記)

 

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ウェストン(青木枝朗訳)『日本アルプスの登山と探検』1997・岩波文庫-明治時代の山歩き

2024年05月14日 | 随筆を読む

 2021年5月のブログです

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 ウォルター・ウェストンさんの『日本アルプスの登山と探検』(青木枝朗訳・1997・岩波文庫)を久しぶりに読みました。

 ウェストンさんは、初夏に上高地で行なわれるウェストン祭で有名なかたで、登山家。

 この本を読むのはおよそ20数年ぶり。

 40代後半になって、山歩きをするようになった頃に読んで以来です。

 このところ、なぜか明治から昭和にかけての山歩きの本を読んでいて、昔の山の紀行文を読むと、こころが落ち着いてとてもいいです。

 田部重治さん、木暮理太郎さん、武田久吉さん、若山牧水さん、などといった人たちの山の文章を読むと、昔の日本の山の美しさに感心させられますし、山里に住む人たちの素朴さにこころうたれます。

 古きよき日本の姿がたしかに描かれています。

 それは本書でも同様で、本書は明治20年代の日本アルプスの紀行が中心ですが、ウェストンさんのユーモアのある文章ともあいまって、昔の山の美しさと山里の人々の礼儀正しい様子がたくさん描写されていて、読んでいるととてもこころがなごみます。

 外国人を初めて見て興味津々の人々や、ウェストンさんを見ても外国人とわからずに、変わった日本人だ、というおばあちゃんなど、愉快な場面も出てきます。

 ウェストンさんより少し前に日本各地を旅行したイザベラ・バードさんの紀行文を思い出します。

 もちろん、山登りの場面はかなりタフで、じーじなどはとても真似のできない専門的なもののようですが、ウェストンさんがたんたんと記述しているので、文章は重たくありません。

 有名な猟師で案内人だった上條嘉門次さんをはじめとするすばらしい案内人のかたがたも登場して、彼らとのユーモラスなやりとりも描かれます。

 ウェストンさんの人柄のせいもあるのでしょうが、明治20年代の日本の山と山里がとても魅力的だったことがわかります。

 この素敵な風土を少しでも後世に残せればと思います。     (2021.5 記)

 

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