2019年5月の日記です
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昨日から立原正秋さんの『冬の旅』(1973・新潮文庫)を再読している。
じーじにとってはもっとも大切な小説。
「もっとも」という言葉は簡単には使いたくないが、この小説はじーじにとっては本当に大切な小説。
この小説を読んだことで、非行少年の相手をしてみたくなり、臨床の世界に入ったからだ。
おそらく、自分の中の、非行少年、不良少年、の部分に向き合わされたのだろうと思う。
あらすじはさすがに、じーじにはめずらしく(?)まだ覚えているので、再読を少し迷ったが、やはりいい小説を読んで、こころを豊かにしたいな、という思いが強くなった。
いい小説の文章の力、物語の力は、やはりすごいと思う。
そういう意味で、再読をしたい大切な小説はまだたくさんあって、たとえば、村上春樹さんの『海辺のカフカ』(2005・新潮文庫)なども、再読は少し早いかな、でもまた早く読みたいな、と迷っている小説だ。
藤沢周平さんの『三屋清左衛門残実録』(1992・文春文庫)も同じ。
もっとも、こちらは、久しぶりすぎて、本棚のどこかでかくれんぼをしていて(?)、探している最中。
貧乏なわりには、ぜいたくなことだと思っている。
こういう精神的なぜいたくをしながら、年を取っていく人生も悪くないのかなとも思う。
少なくとも、孫娘たちには馬鹿にされないのではないかな。 (2019.5 記)