ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

藤山直樹・松木邦裕・細澤仁『精神分析を語る』2013・みすず書房-その1・正直な精神分析に学ぶ

2024年05月25日 | 精神分析に学ぶ

 2013年のブログです

     *

 11月15日~17日,京都で開かれた精神分析学会に参加しました。

 この本はその会場で販売されていて,さっそく購入しました。

 前回,土居さん,中井さん,神田橋さんの鼎談のすごさをご紹介しましたが,今回は藤山直樹さん,松木邦裕さん,細澤仁さんという現在の日本の精神分析の世界ではかなり豪華な三者による鼎談です。

 それぞれの皆さんの率直な発言が贅沢なほどに綴られており,帰りの飛行機の中から一気に読んでしまいました。

 とても深い内容だと思いますし,何度か繰り返して読みたいなとつくづく思っています。

 いい本に出会えたなと感動しました。

 精神分析,やはり奥深い,すごい世界だなと再認識をしました。    (2013.11 記)

     *

 2022年12月の追記です

 この本については、その後、2016年に再度、ブログを、2020年にその追記を書いています(よろしかったら、読んでみてください)。

 同じような感想を繰り返してばかりですが、やはり大家の人たちの失敗を含めた正直さに感銘を受けます。

 少しでも近づけるように、さらに謙虚に学んでいきたいと思います。    (2022.12 記)

 

コメント

中上健次『枯木灘』1980・河出文庫-若き日の読書を再び体験して

2024年05月25日 | 小説を読む

 たぶん2017年のブログです

     *

 中上健次さんの『枯木灘』をすごく久しぶりに再び読んでみました。

 前に読んだのは、はっきりはしませんが、学生の時か、就職をしてすぐの頃、いずれにしても今から40年くらい前のことになります。

 今回は、いつもおじゃまをしている精神科デイケアのあるメンバーさんが中上さんの大フアンで、『枯木灘』の文庫本を貸してくださったので、読んでみることにしました。

 前に読んだ時は、なにかドロドロとした小説、という印象を若き日のじーじは抱いたのですが、今回、久しぶりに読んでみると、まずは中上さんの日本語の確かさに感心をさせられました。

 日本語がきちんとしていますし、美しいと思います。

 40年近く、書類を読み、書類を書く仕事を続け、専門書や小説を読んできた経験が、一応、中上さんの文体のすごさを見極められるようにしてくれたようです。

 小説の登場人物やその人間関係は、確かにドロドロとしているのですが、じーじが年を取ったせいか、家裁の仕事でもっとドロドロした人間関係を見てきたせいか、あまり驚かないのも意外でした。

 むしろ、ギリシア神話のように、こういうこともあるよな、ああいうこともありそうだな、と、人間模様がよく描かれている印象を受けます。

 それだけ、普遍的で、深さのある小説なのだろうと思います。

 今回、強く感じたのは、これもじーじが年を取ったせいか、登場人物のエネルギッシュなところ。

 いずれの人物も、熱く、うらやましいようです。

 さらにもう一つは、自然との一体感。

 紀州の自然のすばらしさもすごいですし、土方の仕事をしていて土と一体になっているかのような主人公もすばらしいと感じました。

 メンバーさんのおかげで、いい小説を再び読めたことに感謝したいと思います。     (2017?記)

     *

 2024年5月の追記です

 このブログを書いてからもう7年が経ったのですね。早い!早い!

 ブログを検索すると、中上さんの小説の感想文がコンスタントに載せられていて、びっくりします。

 決してすごくメジャーな小説家さんというわけではないと思うのですが(中上さん、ごめんなさい)、やはり存在感のある作家さんなのだと思いますね。    (2024.5 記)

 

コメント