ラックストーン・レコード雑記帳 - アート・和菓子・音楽

ラックストーン・レコード主人、山口'Gucci'佳宏がアート、和菓子、音楽などなど、徒然なるまま書き綴る、まさに雑記帳。

今日の美術展 [平成二十年十一月二十三日]

2008年11月23日 | fine arts
今日も小春日和と言える様な穏やかで暖かい一日でしたね。そんな陽気の中、鎌倉へ赴きました、が....、行楽シーズンの今、うんざりすすほどの人出、もの凄い賑わい振り (写真の小町通りの様に) でした。

鎌倉の精華 鎌倉国宝館開館八十周年記念 於: 鎌倉国宝館
主に鎌倉時代に作られた仏像、絵画、書跡、工芸の名品を集めた展示です。国宝や重要文化財は多数のとても貴重な品々が並んでおりました。展示品の中で徳を感じる仏像の数々、そして、やはり国宝のとても美しく手の込んだ細工が施された「籬菊螺鈿蒔絵硯箱」に惹かれましたね。日本の歴史を感じる興味深い品々を見ることが出来た展示でした。

↓ 鎌倉国宝館 ↓
http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kokuhoukan/index.htm

岡村桂三郎展 於: 神奈川県立近代美術館 鎌倉
現代日本画作家、岡村桂三郎氏の近年の作品からさし新作の展示です。薄暗い会場内に立込まれた巨大な屏風状の作品は、とにかく威圧感があり、ド迫力、驚きものでした。板を張り合わせ、焼きを入れたパネルに描かれた作品は岩絵具で描かれてはいるものの、もはや日本画の範疇では捉えることの出来ない岡村桂三郎氏独自の作風と言えると思います。だからこそ、今回もその中から数点が出品されていますが、現代美術の「高橋コレクション」に収められているのでしょう。ですが、しっかりと伝統的な日本画を踏襲している面もあり、描かれた対象物は伊藤若冲氏等の絵画も思わせます。鱗の様なものに覆われた鳥、象、そして空想上の動物やインドの伝説上の動物達は禍々しく、そして神々しくもあります。自分には鱗の様に描かれた動物達の肌の質感が深海魚や化石を想い起こさせ、何だか「古代」と言うイメージを強く感じさせましたね。とにかく凄い、と思わず言ってしまう作品群でした。

小宇宙への情熱 美浦康重版画コレクション展 於: 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
別館の方では柄澤齊氏による作品を中心とした美浦康重氏、蒐集の版画コレクションが展示されていました。柄澤氏の作品は今までにも、いろいろと見てきましたが、何と言っても超絶技巧による微細な木口木版は、いつ見ても感嘆しきり、舌を巻く思い。線と点、そして面の妙技、想像力・発想力の豊かさ、凄い才能です。本当に其処には小宇宙がありますね。とても小さい作品の中にとてつもない奥深さを感じます。柄澤氏の90年代後期、和テイストの作品は今回が初見で、何処となく浮世絵版画を想わせる、味のある作品で気に入りました。他の作家の方々、長谷川潔氏、浜田知明氏、日和崎尊夫氏等の作品も興味深かったです。とにかく素晴らしい版画コレクションでした。

↓ 神奈川県立近代美術館 ↓
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/index.html

真葛香山展 於: 吉兆庵美術館
明治から昭和時代にかけて、四代にわたり創作活動を行い、数々の名品を産み出し活躍した横浜の陶工、真葛香山氏。この展示は当館が収蔵している歴代の作品が展示されています。どれもが溜息が出るほど、手の込んだ造作が為された素晴らしい陶磁器の数々で、とても佇まいの良い形、美しい色、いろいろな作風の全ての作品が素敵なものでした。中でもやはり初代の作品は目を惹きます。自ら、様々な技巧を試し、素晴らしいものを作り出していったことが分かります。初代による代表作のひとつである東京国立博物館に収蔵されている蟹の彫刻が施された壺と同型のものも展示されていて、それは迫力があり、緻密に作り込まれた蟹の造形は凄い迫力がありました。自分は美しい彩色による磁器の数々に魅せられましたね。

↓ 吉兆庵美術館 ↓
http://www.kitchoan.co.jp/museum/


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