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五十坂・登りきらずに下り坂

とうとう56才になりました。
ほとんど年寄りと女子供しか
回りにいません。
そんな日常を綴っています。

「海に沈んだ町」・三崎亜記

2011-04-12 23:00:33 | 

図書館に行って、本棚を見て、その装丁に目を奪われました。

こういう時期にこういう本はちょっと心証が悪いんじゃないかと、
余計な気を回したりします。

でも、この本は、地震が来る前に刊行されたもので、
作者に意図はないはずです。

以前、作者の「となり町戦争」を読んだ事があるのですが、
その独特の三崎ワールドについていけなかったのですが、
今回これを読んで、
なんだか、胸にザワザワしたものが湧き出て、
非現実の世界のお話なのに、
どこかそれが、単なる絵空事の出来事でないような、
そんな怖さを感じた短編でした。

本を閉じて、テレビをつければ、
そこには、まぎれもなく現実で起こっている事実。

この一ヶ月、別の世界へ紛れ込んだような、
そんな違和感をずっと感じて生きてきました。

本を閉じれば現実に引き戻されるように、
1ヶ月前に時間を戻して欲しい、
そんな叶いもしないことを願わずにいられません。