図書館に行って、本棚を見て、その装丁に目を奪われました。
こういう時期にこういう本はちょっと心証が悪いんじゃないかと、
余計な気を回したりします。
でも、この本は、地震が来る前に刊行されたもので、
作者に意図はないはずです。
以前、作者の「となり町戦争」を読んだ事があるのですが、
その独特の三崎ワールドについていけなかったのですが、
今回これを読んで、
なんだか、胸にザワザワしたものが湧き出て、
非現実の世界のお話なのに、
どこかそれが、単なる絵空事の出来事でないような、
そんな怖さを感じた短編でした。
本を閉じて、テレビをつければ、
そこには、まぎれもなく現実で起こっている事実。
この一ヶ月、別の世界へ紛れ込んだような、
そんな違和感をずっと感じて生きてきました。
本を閉じれば現実に引き戻されるように、
1ヶ月前に時間を戻して欲しい、
そんな叶いもしないことを願わずにいられません。