珈琲もう一杯

3月6日、2010年Jリーグ開幕

名曲32.カルメン 佐藤 隆

2008-01-05 01:43:51 | 名曲
佐藤隆の音楽について、いつか記したいとずっと思い続けておりました。

彼の音楽史は「ビートルマニア」の時代と、「エキゾチック・ヨーロピアンサウンド」の
両面に大別されるでしょうが、このカルメンは後者の中および佐藤隆の楽曲の中でも軸となる
一曲。「Ai ya ya ya ya yaカルメン お前の心は Ai ya ya ya ya yaカルメン 媚薬さ 花さ 夢さ」
というこの曲の歌い出しをご記憶の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この曲が
ヒットした当時(84-85年)、僕はまだティーンエイジャーでしたが、こんな大人の世界を早く知りたい
ものだと思ったような記憶があります。この曲に限らず佐藤隆の音楽は実に洗練され落ち着いた
大人の音楽という表現がしっくりくるものですが、それは彼が29歳という年齢でデビューした
ことと大きな関係があるのでしょう。彼ほど大人の世界を自分のものとして、しっかりとかつ
高いクオリティを伴って歌っているアーティストは、当時でも珍しかった。まして今では、
彼の音楽のような「大人が歌い、大人が聞ける世界」はもはや芸能界から葬り去られたもの
とさえ言えましょう。

彼のヨーロピアンサウンドの幕開けとなった「マイクラシック (WOW WOW WOW WOW マイクラシック…)」、
谷村新司に提供され彼自身も歌った「12番街のキャロル (あなたのために歌う想い出のキャロル…)」
など、85年前後の彼は間違いなく日本のミュージックシーンに確固たる足跡を印していたものでした。
もう一つ言えば、高橋真梨子の大ヒット曲として名高い「桃色吐息」は彼が作曲し、高橋真梨子に
提供されたもの。これ以外にも佐藤隆は一流の作曲家としての顔も持ち、前述の谷村のほか、
ジュリーや中森明菜、堺正章といった一流アーティストに楽曲を提供しています。精力的に
活躍する彼の姿を見て、彼の大人の音楽をずっと楽しめると思いましたが…。

90年初頭あたりから、彼はミュージックシーンの最前線から徐々に姿を消していき、
いまでは彼自身が立ち上げるサイトからの情報発信が唯一のつながりという状況になっています。
今のこんな時代にこそ、大人の世界を歌ってくれる佐藤隆の存在は貴重だと思うのですが…。

何ゆえに今のような状況に彼が立っているのか、それは分かりません。ただ彼はこれからも
優れた曲を彼独自のスタンスにおいて届けてくれるでしょうし、精力的に一線で活躍していた頃の
彼の音楽の素晴らしさも永遠に消えることはありません。大ヒットという枠に留まらず、
もはやスタンダードナンバーとさえいえるであろう桃色吐息1曲のみを見ても、彼が作り出す音楽の
質の高さが伺えるところ。できれば、もう一度、ミュージックシーンの最前線で活躍する
彼の姿を見たいと思います。ただ、今の芸能界に彼のような大人のアーティスト、大人の音楽を
受け入れるだけの度量があるとも思えませんが…。

カルメンを歌う彼の姿を見ることができる彼のサイトにリンクしておきます。なおこのサイトでは
彼と女性パーソナリティが語るラジオ「Because」がありますが、その最新版の37において
ビートルマニアっぷりを改めて聞かせてくれる趣向もあります。9分45秒頃に佐藤隆バージョンの
「ミッシェル」が収録されていますが、これも聴きどころですね。

正直に言って僕は「佐藤隆マニア」とは言いがたい。メジャーな曲を知っているのみですから。
それでも、彼の曲の素晴らしさについて語りたかった。またデビュー曲の「北京で朝食を」に
ついてもいずれ記そうと考えています。
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2 コメント

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佐藤隆、いいですねぇ・・・ (Hiro)
2008-01-06 09:08:34
彼の音楽は確かに素晴らしいですね。
本当の大人のための音楽。
分かる人には分かる、というところでしょうか。
確かに今の時代、彼のような音楽を発表する場は
ないようにも思えます。
でもまた歌ってほしいですね。
「Because37」早速聞いてみます。
返信する
いいですよねぇ (コール)
2008-01-06 09:58:58
こんにちは、Hiroさん。コメントありがとうございます。当ブログへようこそ。
佐藤隆の音楽が広く受け入れられていた時代もあったんですよね。
それだけに、今の状況が残念という気もより強いのですが…。

Because37は彼のビートルマニアっぷりが出ていますよ(笑)。

今後ともよろしゅうに。
返信する

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