ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

そのままでよい

2016-06-20 19:22:28 | 知恵の情報
われわれは夢では、心に思うことが実際のように感ずるごとく、醒めているときでも、
あまり一つ事を思いつめていると、ふと気がウットリしたようなとき、そのことを実際に
口外したり、実行したように感じられることがあります。

またわれわれが人を憎んでいろいろ考えていると、何かの際にその人に何かと憎まれ
口をきいたような気がして、その人に対して恐ろしいような心持になることがあります。

これはわれわれの心は、誰でもそのようになることがあるという事実であるから、これを
そう思わないようにとすることは不可能であります。すなわちそう思い、心配し、恐れ
ながらも、そのままであるよりほか、しかたがありません。

しかし、一方には、心ではそう思っても、実際にはわれわれは、それをいったりしたりする
ものではありません。これも実際の事実ですから、これによって、わずかに安心するくらい
のことです。もしそれが特別の場合、思ったとおりになることがあるとすれば、それは万に
一つの例外であるから、その場合はその損害を受けて往生するよりほかありません。

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「夏が来れば暑い」、「それなら暑いと思っていればよいか」と問うてはいけない。
思わなくとも、暑いから、そのままでよろしい。夏は暑い。いやなことは気になる。
不安は苦しい。雪は白い。夜は暗い。なんともしかたがない。それが事実であるから、
どうともべつに考え方を工夫する余地はない。

あなたは私の言葉を憶えていって、それを考えては、思想の矛盾になって、ますます
迷いを深めるばかりです。ただ、「なるほど」と関心しさえすれば、それが事実となって、
簡単に治るようになる。


─『現代に生きる森田正馬のことば Ⅱ新しい自分で生きる』生活の発見会編 白洋社
  より

あるがままということだ。考えすぎず、自然の中に自分がいることを見つめている
ということか・・・