ただ生きるのではなく、よく生きる

自然の法則をとらえ、善(よ)く生きるために役に立つ情報を探して考えてみる

自分の限界を自覚して人にものをきく──本田宗一郎

2016-06-24 18:49:28 | 知恵の情報
いったい自分を利口者だと思っている人間は、他人にものをきかないようである。
自分はインテリであるから、こんなことを人にたずねたりするのは沽券にかかわると
思っているようだ。

そんなことも知らないのかと、いわれることが、彼らにとっては最も恐ろしいことなの
だろう。そういう点では、なまじ勉強した人は気の毒だ。

私など自分の知っていることはあまりにも貧弱だと感じているから、人にものを
聞くことが平気である。

だから、知恵がどんどん入ってくるわけだ。若い従業員にも、
「おい、これはどうなっているんだ」と謙虚な気持ちで聞くことができる。
そういう態度に対しては、誰もが喜んで知恵を貸してくれるのである。

─『本田宗一郎一日一話』PHP研究所
  『古典の知恵 生き方の知恵』古今東西の珠玉のことば2 
  谷沢永一著 PHP研究所より

人は、聞かれて、自分の知っていることを話すことは、うれしいと思う。
だから、どんどん自分のわからないことを聞いたほうがよい。
知ったかぶりが一番いけない。

昔、若いころ失敗をしてしまった経験がある。
東京に住んでいるのに私は、秋葉原へは、行ったことがなかった。
地方から出てきた大学で仲良くなった友達に卒業のころ、秋葉原へ行った
ことがないので連れて行ってほしい、と頼まれたことがある。
東京に住んでいたので行ったことがないと思われることがくやしくて、
知ったかぶりで一緒にでかけた。
秋葉原につき、一緒に歩いたが自分もよく知らず、二人で、駅周辺をぶらついた。
大きな電気店があり、少しみた。彼は、感謝していたが、後で自分で行く機会
が来たとき、秋葉原の電気街はもっと奥にあり、ここが有名とされるほど店が
連なり、それを知り自分を恥じた。彼にすまないことをしたと今でも思っている。
自分は何も知らない、無知な人間だということがその当時わかっていなかった。