タミアのおもしろ日記

食文化・食育のお役立ちの話題、トンデモ食育、都市伝説、フードファディズムなどを分析して解説します!(^.^)

「疑似科学特集」中央公論12月号をおすすめ!

2015年12月04日 | Weblog
ネットの食育ページには「味噌汁が放射線障害を防ぐ」だの「牛乳はほんの少量飲むだけでも身体に悪い」だののトンデモ言説があふれています。こうした科学的に根拠のない話をニセ科学とか疑似科学とか呼びます。

残念ながら最近の食育の世界では、高等教育レベルまで疑似科学で汚染されつつあるようです。電車に乗ったら、隣の席で大学か専門学校と思われる学生達が困った様子で「〇〇先生が講義で、牛乳は人体に危険だと言っていたけど・・・信じがたい話だけど・・・・。」と話し合っていました。彼らも薄々、先生がおかしな説にはまったことに気づきつつ、でも成績評価を握られてる身では何も抵抗できないことに、落胆している様子でした。世の中変な方向へ行っているようです。

そんな社会の変化に、中央公論の編集者の方々も気づいたのでしょう。いささか旧聞で済みませんが、中央公論12月号が疑似科学特集を組みました。執筆陣に一流の先生をお招きしており、この人選に拍手です。安全・安心分野の心理学で著名な中谷内一也先生や、ニセ科学研究で著名な左巻健男先生、科学ジャーナリストの松永和紀先生、などなど、すばらしい人選です。(個人的には菊池誠先生や菊地聡先生や天羽優子先生の話も読みたかったのですが、きっと忙しかったのかもしれませんね。)

特に食の分野で怪しげな説を耳にして、ホントかどうか悩んでる読者さんには、松永先生の文章をおすすめします。食の疑似科学を見分けるポイントを簡潔に紹介していて、入門編としてぴったりです。さらに先生の著書「メディア・バイアス」も併せて読むと、食分野の疑似科学問題の深刻さがわかります。消費者一人一人が賢くなって科学的思考を身につけることの大切さが身にしみて伝わってくる本です。

左巻先生は今回の記事ではEM菌問題を指摘されており、これもおすすめです。ただ、以前聞いた講演会では、ある有名教育団体のテキストに疑似科学が紛れ込んでいるのがなぜか、詳しくお話されていたように記憶しているのですが、今回の記事では(紙面の枚数の都合からだと思いますが)この点についてはわずかしか触れてません。もしも先生にお会いしてお話を伺えるなら、その団体がなぜ、食養やマクロビオティックに傾倒しているのかについてお伺いしたいと思いました。夢ですが・・・・(笑)

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