千葉市中央区の鮮魚店、鈴芳で、平政、金目鯛、アカイカ、小肌を購入しました。当日は、夏休みの終了直前で、妻の友人が自宅に子連れで遊びに来たので、そのおもてなしのために鈴芳で魚を仕入れました。
上の写真は、山口産の平政です。大変に綺麗な身です。鮮度も抜群で、切っている包丁を跳ね返し、ジョリッという音を立てて切れていきます。切っている段階から味への期待が膨らみます。
お味の方ですが、脂も良く乗っており、非常に濃厚な味でした。鮮度が抜群なので、食感がショリッという感じで、嬉しくなります。人によっては、この状態からもう1日くらい熟成させて食べたいと思う場合もあるかもしれませんが、自分はこうした鮮度抜群の状態が好きです。平政や勘八は、鮮度が良いと身が硬く、食べ難いので、寝かせた方が美味しいとする向きもありますが、個人的には鮮度を落としてまで熟成させるのは好きではありません。鮮度の良い平政や勘八は、魚臭さとは無縁で、瓜の青臭さのようなものさえ感じる、爽やかさがあります。今回はやりませんでしたが、これに、柑橘系のスダチやカボス等を軽く掛けても大変に美味しいです。
↑ 千葉県産の金目鯛です。小さな個体でしたが、半身で1200円でしたので、ここが千葉市中央区であることを考えると、非常にリーズナブルでした。
小さな個体と言っても、半身で写真のような量になりますから、十分です。脂も乗っており、非常に甘みの強い金目鯛でした。千葉県産の金目鯛は食べ慣れていますが、今回の物は鴨川のものだそうで、位置も食べている東京湾から大島に掛けての漁場のものではなさそうです。恐らくは鴨川沖の通称鴨川海溝のものでしょう。鴨川海溝にも良質の金目鯛が生息していると聞きます。ご多分に漏れず、この金目鯛もかなり良質なものでした。
↑ 神奈川県産のアカイカです。相模湾のものだそうです。アカイカとは、剣先イカの若い個体のことです。関東ではアカイカと呼びますが、地方によって呼び名が違い、中国地方ではシロイカと呼ぶそうです。赤と白では全く違いますが、恐らく関東では生きている状態の色を見てアカイカと呼び、中国地方では、死んで透き通るような白色になったものを見て名前を付けたのでしょう。東京湾ではダルマイカ、駿河湾ではズンドウイカと、足が短く胴が長い様子を見て名前を付けています。地方名が多いということは、それだけ愛されている証拠です。それこそが美味しさを証明するものだと思います。
東京湾では、今シーズンはイカが不漁です。相模湾では大丈夫なのでしょうかね?海の状況というのは本当に良く分かりません。
このアカイカですが、ほどほどの大きさで、食べ頃サイズでした。値段は例年よりも若干高めで1200円位でしたが、東京湾の不漁を考えると、仕方が無いと思います。
味の方はばっちりで、大葉を軽く添えて食べましたが、アカイカらしい、甘みとコリコリした食感が大変美味しかったです。さすがはアオリイカと並ぶ、烏賊界の盟主です。
↑ コハダの酢〆です。自家製だそうです。当日作りたてでしたので、酢が完全には行き渡っておらず、小肌の品の良い甘みも味わうことが出来る、抜群の状態でした。
この鈴芳さんは、非常に酢〆の技術が高く、〆鯖も本格的な寿司店並みに美味しいですし、鰯の酢漬けも絶品でした。この小肌は、今まで味わったことが無いくらいの非常に美味しいものでした。小肌は大好きで、寿司店でもあれば必ず食べるのですが、こんなに美味しいものは食べたことがありません。塩は甘めで、酢も甘めです。本当に上品で、ちょっとしたカルチャーショックでした。次に見つけたら確実にリピーターですね。
↑ 最後の〆で、寿司を握ってみました。ちなみに、皿は実家の母からもらった、クリスタルの皿です。涼しげで、夏に寿司を乗せるにはなかなか良い感じです。刺し盛も、この皿に乗せれば良かったと思いました。
味の方ですが、手前味噌ですが、そこそこ美味しかったです。特に小肌は抜群でした。大葉を添えたことで、風味も増し、上品な小肌の味を相まって、大変に美味に仕上がりました。平政や金目鯛も、ネタが良いので、素人の握りでも十分美味しく頂くことが出来ました。
↑ 小肌を刻みにしてみました。通常はガリと大葉と一緒に酢〆の魚を刻むのですが、ガリが無かったので、大葉だけです。ちょっとした箸休めになります。日本酒の肴にも最適です。
↑ 卵焼きです。妻の友人も子連れでしたので、子ども用に焼いてみました。子どもが好む味にしようと、砂糖と醤油で、田舎風の卵焼きにしてみました。醤油を入れると見栄えは悪くなりますが、醤油の風味が食欲を誘うので、子どもには好まれるかと思いまして。まぁ、子どもにはそこそこ好評だったようです。
手巻き寿司の具として活躍してくれました。大人には、ちょっとした箸休めになります。
↑ おまけのデザートです。幕張のプティ・マリエで購入しました。プティ・マリエのロールケーキについては、何度か記事にしているので、今回は簡単にご紹介しようと思います。
こちらはフルーツロールケーキです。他にも生チョコをたっぷり塗った、チョコロールケーキもありますが、当日はフルーツのみだったので、選ぶ余地なくこちらを購入しました。
フルーツたっぷりで、しっとりしたスポンジに、甘みを抑えた上品な生クリームたっぷりの逸品です。
ロールケーキは、デコレーションケーキに比べると地味ですが、その分、その店の実力が分かると思います。値段も比較的リーズナブルですし、気取らずに食べられるので、我が家では結構良く食べます。紅茶でもコーヒーでもいける、クセのない美味しいロールケーキです。スイーツ好きな方は是非お試しを。
ということで、今回も鈴芳の品質には脱帽です。大変に美味しく頂きました。妻の友人も喜んでくれたので、良かったと思います。
こうした町の鮮魚店は近年少なくなっています。お手軽なスーパーに押されがちですが、優良な鮮魚店の魚の品質は、スーパーのそれとは一線を画しますので、魚好きの方は、是非鮮魚店で魚を購入してみてください。ちなみに千葉市中央区のこの界隈では、鈴芳の品質はダントツに良いと思います。恐らく千葉市内全域で考えても、確実にトップレベルです。と言うか、自分が千葉市内を色々探した範囲内では、鈴芳さんほどの品質の鮮魚店は見つかっておりません。近隣にお住いの方は是非、鈴芳に立ち寄ってみてください。きっと満足できると思います。