心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

今日はヘレーネ・ドイチュさんの命日でございます

2006-03-29 18:52:30 | 精神分析
 またしても,裕’s Object Relational Worldで知りましたが,今をさかのぼること,24年前の1982年3月29日,「as if personality(かのような人格)」概念でおなじみの精神分析家ヘレーネ・ドイチュが亡くなっております。1884年生まれですから,享年98歳! 女性の分析家は長生きするんですかねえ。ちなみに生まれは「オーストリア=ハンガリー二重帝国」です。歴史を感じますねえ。関係ないけど,二重帝国ってなんかかっこいいなあ。ダブル・バインド・エンパイヤ(適当です!)。



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 この本,ポスト・フロイトの4人の女性精神分析家,メラニー・クライン,アンナ・フロイト,カレン・ホーナイ,ヘレーネ・ドイチュのフェミニズム的評伝って感じで,まあほとんど伝記です。なので,トーシロにも読みやすいです。訳者は専門家ではないですが,結構頑張ってると思います。「過渡対象」としてるところが,松木先生的?(関係ないな)。

 ちなみに,アンナ,メラニー,カレン(ファーストネームで呼んでみた)の3人は邦訳の著作集が出てますが(既に品切かもしれませんが),ヘレーネのだけはないんですよねえ。かわいそう。ヨシ! サイパブが出したるでな(ウソ)。


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5 コメント

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ヘレーネ・ドイッチュ著作集 ()
2006-03-29 23:04:21
ヘレーネ・ドイッチュの著作集、日本教文館から出てます。もちろん絶版だと思いますが。

母校の図書館で見た覚えがあると思いましたが、amazonはもちろん、google、bk1でもヒットせず。思い違いかと思いましたが「ッ」がはいるのヒットもれしていました。
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おお! (psy-pub)
2006-03-30 09:43:21


>裕さま



コメントありがとうございます! ちゃんと出てたんですね,命日なのに失礼しちゃいました……。



こっちも国会図書館で調べたら,確かに3×3×1の構成で,著作出てますね。訳者は懸田先生ほかで,日本教文社。フロイド選集と同じですね。その後の末路は違うけど,それはまあしょうがないっすね。
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追記 (psy-pub)
2006-03-30 15:24:06
1882年の今日(3月30日)は,メラニー・クラインの誕生日ですね。おめでとう,メラニー!



ってこのシリーズ(?)際限がないから,しばらくやめときます……。
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Unknown ()
2006-03-31 17:26:44
メラニー・クラインとヘレーネ・ドイチュはアブラハムの分析を受けていたとき、同じ下宿に住んでいたそうです。(from 「自己との対決」) まあ、仲が良くなかったことは多分確かですけどね・・同門といえば同門、しかし分析の世界はみんなそんなものといえばそんなもの・・・
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Unknown (psy-pub)
2006-03-31 17:36:34


>裕さま



上記の本では,ドイチュがクラインを評して「とっぴな考えで頭がいっぱいの主婦」としています。ある種的確ですけど,そんな言い方ないだろうっていうw。ドイチュだってPhallicで(以下略
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