機内食は肉か魚か,迷うことなく肉を選んだpsy-pubです。むろんヴァーチャルです。「トリノ冬季パラリンピック競技大会」へのヴァーチャル取材に向けて日々イメトレに余念のないpsy-pubなんです。
さて,表題(うわーあっさりいくなあ!),認知行動療法と認知運動療法,どう違うのか。一字違いでまるっきり違うわけですが,むろん,理論から背景から方法論から対象から,全部すべてまるっと異なるわけなのですが,まあ簡単にいえば「認知運動療法」とは「認知・神経科学的知見のリハビリテーションへの応用」といったところでしょうか。
psy-pubがなぜ「認知運動療法」が気になるかといえば,かなり最新の基礎的知見がどんどん盛り込まれ,臨床応用が発展させられるというところが,ある種理想的な関係にあるなというところで,なんだそんなの当たり前だといわれるかもしれませんが,いやいやそれが当たり前でない業界もあるわけで,まあそういう幻想がもう長くは続かないであろうことは自明だと思うのですが,まあconfrontationっていうのはいつも辛いものですからね。
注 意:認知運動療法は「リハビリテーション」の一技法で,以下の本は,理学療法士あるいは理学療法士を目指すかた向けの専門書です。臨床心理学や心理療法とは「直接には」関係ありませんので,その点なにとぞ御注意なさって下さい。
タイトルにルネサンスとありますが,イタリア発ということからも,ダ・ヴィンチ的ルネサンス的知性を思わせる統合知からいっても,タイトルに偽りなし! よくある字面だけの形而上的「ルネサンス」なんかとは大違いですぞ。出版社のあおり文句には「脳科学、身体の哲学、神経現象学、認知心理学、芸術、オートポイエーシスなど人間の知的・身体的・文化的創造力のすべてを総動員し」とあります。要は形而上も形而下も両方やるってこと! 科学を参照し,フィロソフィーを語ります。もう夢中だこりゃ。
こちらはホヤホヤの新刊です。第一人者のペルフェッティ氏の翻訳もの。こちらはかなり具体的な「道具」の解説になっているので,もう実際に臨床に携わっている方むけとなりましょうか。
実践を強く意識しつつも,包括的に認知運動療法の基礎から臨床まで学べる好書です。教科書的といえば教科書的ですが,実践へのベクトルを存分に感じます。
認知運動療法によるリハビリテーションの小児領域への応用,といってしまえば簡単なのでしょうが,この迫力はちょっとすごい。なんかただリハビリテーションに止まらない可能性を感じるというか,臨床を通して理論を再吟味するというのは,本当に理想的な形じゃないかな。
てなわけで,どうです? 違うでしょう,認知行動療法と認知運動療法。まあ今回は,前フリから結構いろいろ繋がってる感じがするのですが,詰め込みすぎて,うまくまとめきらんだきらいはありますけれども,まあそれはいつものことですから,なにとぞ御容赦を。
さて,表題(うわーあっさりいくなあ!),認知行動療法と認知運動療法,どう違うのか。一字違いでまるっきり違うわけですが,むろん,理論から背景から方法論から対象から,全部すべてまるっと異なるわけなのですが,まあ簡単にいえば「認知運動療法」とは「認知・神経科学的知見のリハビリテーションへの応用」といったところでしょうか。
psy-pubがなぜ「認知運動療法」が気になるかといえば,かなり最新の基礎的知見がどんどん盛り込まれ,臨床応用が発展させられるというところが,ある種理想的な関係にあるなというところで,なんだそんなの当たり前だといわれるかもしれませんが,いやいやそれが当たり前でない業界もあるわけで,まあそういう幻想がもう長くは続かないであろうことは自明だと思うのですが,まあconfrontationっていうのはいつも辛いものですからね。
注 意:認知運動療法は「リハビリテーション」の一技法で,以下の本は,理学療法士あるいは理学療法士を目指すかた向けの専門書です。臨床心理学や心理療法とは「直接には」関係ありませんので,その点なにとぞ御注意なさって下さい。
リハビリテーション・ルネサンス―心と脳と身体の回復、認知運動療法の挑戦 宮本 省三 春秋社 2006-01 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
タイトルにルネサンスとありますが,イタリア発ということからも,ダ・ヴィンチ的ルネサンス的知性を思わせる統合知からいっても,タイトルに偽りなし! よくある字面だけの形而上的「ルネサンス」なんかとは大違いですぞ。出版社のあおり文句には「脳科学、身体の哲学、神経現象学、認知心理学、芸術、オートポイエーシスなど人間の知的・身体的・文化的創造力のすべてを総動員し」とあります。要は形而上も形而下も両方やるってこと! 科学を参照し,フィロソフィーを語ります。もう夢中だこりゃ。
認知運動療法と道具―差異を生みだす差異をつくる カルロ ペルフェッティ 宮本 省三 小池 美納 協同医書出版社 2006-02 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
こちらはホヤホヤの新刊です。第一人者のペルフェッティ氏の翻訳もの。こちらはかなり具体的な「道具」の解説になっているので,もう実際に臨床に携わっている方むけとなりましょうか。
認知運動療法入門―臨床実践のためのガイドブック 宮本 省三 沖田 一彦 Carlo Perfetti 協同医書出版社 2002-05 売り上げランキング : 83,658 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
実践を強く意識しつつも,包括的に認知運動療法の基礎から臨床まで学べる好書です。教科書的といえば教科書的ですが,実践へのベクトルを存分に感じます。
子どもの発達と認知運動療法 Paola Puccini Carlo Perfetti 宮本 省三 協同医書出版社 2000-04 売り上げランキング : 109,583 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
認知運動療法によるリハビリテーションの小児領域への応用,といってしまえば簡単なのでしょうが,この迫力はちょっとすごい。なんかただリハビリテーションに止まらない可能性を感じるというか,臨床を通して理論を再吟味するというのは,本当に理想的な形じゃないかな。
てなわけで,どうです? 違うでしょう,認知行動療法と認知運動療法。まあ今回は,前フリから結構いろいろ繋がってる感じがするのですが,詰め込みすぎて,うまくまとめきらんだきらいはありますけれども,まあそれはいつものことですから,なにとぞ御容赦を。
>リハビリテーション・ルネサンス―心と脳と身体の回復、認知運動療法の挑戦
理学療法士が書いている本なんですよね?たしか、PTになってすぐ専門学校の講師になって、それからイタリアに留学したとか…。
目次と本文をチラ見しただけですけど、基本的には心理学の本というよりは理学療法の本という感じなのかと思ってましたです。
最近、リハビリの中で心理学が流行りつつあるんですかね?アフォーダンスとか注目してる人結構いるみたいですし。
>しゅうさま
コメントありがとうございます。ちょっと書き方がわかりにくかったかもしれないですね。仰るとおり,これは「理学療法」の本であり「リハビリテーション」の専門書ですね。本文にわかりやすく注記を加えておくことにしますね。
>最近、リハビリの中で心理学が流行りつつあるんですかね?
>アフォーダンスとか注目してる人結構いるみたいですし。
そうなんですよね。臨床心理学とは直接には関係しなくとも,心理学の応用可能性として,ちょっと面白いなあと思ってる次第です。心理学という学問が,拡大してる故か,拡散してる故か,あるいはその両方なのか,そういう話とも関わりがあるような,ないような(逃げ腰,技あり)。
しかしなぜ,こういう流れが臨床心理学やら心理臨床やら,そういうところで,論文や書籍レベルにて「目立って」こないのはなぜなんだろうなあと思います。あればいいのになあ,私説認知神経科学的心理療法入門とか神経心理学的診断面接のコツとか(適当ですゴメンナサイ)。また「理論化できない」と「理論化しようとしない」のは,違うのではとか思ったりもし。まあ戯言なんですが(逃げ腰,合わせて一本)。
熱く、イキがよくって、学問としての魅力に溢れています。
今年の学会プログラムなんてこんなんよ!
http://www.ctejapan.com/syukai/syukai.html
理学療法・作業療法の分野から誕生した「心」の科学であり、身体と精神・ナラティブとエビデンスの架け橋に立つ世界でもあると感じています。
今年の学会会長森岡周先生のブログもおすすめ。
http://blogs.yahoo.co.jp/sssrm4/MYBLOG/yblog.html
発奮させられます。
>カカさま
実はコメント待ちに待っておりました! ありがとうございます!(・∀・)ヨカター。
有益情報,なんとも㌧クスです。認知運動療法,たくらみが本当ドでかいですよね~。加藤敏×茂木健一郎×河本英夫の鼎談なんて,うまくいくか心配になるくらい,ドでかい試みです。
しかしブログもあったとは。早速チェケラッチョおしゃれ手帳します!
なんてすてきなコトバでしょう
今夜はお赤飯炊かな!
鯛のおカシラも焼かな!
こちらこそ ありがとうございます!
すてきついでにもうひとつ。
認知運動療法関連書籍で
「リハビリテーションのための脳・神経科学入門」森岡周
協同医書出版
これも熱い!!ぜひぜひ!!
第1部の神経生理学的基礎知見はすっとばして
第2部の神経現象学的知見の記述だけ読んだっていいと思います。
認知運動療法の研究を行っている者です.
認知運動療法の肯定的側面ばかり強調されていて,読者が誤解する可能性があると思いましたので,大きなお世話だとは承知しつつ,実際の問題を書かせて頂きます.
まず,日本で認知運動療法に取り組んでいる研究者,臨床家にイタリア語をできる人がいません.
そのため,プロの翻訳家(認知運動療法の素人)に依頼して通訳してもらったり,翻訳書の出版が行われています.
したがって,翻訳が正確に行われているかどうかを認知運動療法の専門家によって判断されていないという状況です.
また,日本の臨床現場で認知運動療法は実践は不可能です.
イタリアでは,1人の患者に1日4時間かけて認知運動療法を提供されています,
しかし,日本では法制度の制約があって,1人の患者に臨床家が関われるのは1日数分程度です.
マンツーマンで1日4時間のプログラムを提供しなければ効果は認められないのに,1日数分程度の介入で効果を上げるのは不可能です.
宮本氏は,そうした問題には一切触れずに啓蒙ばかりしているので,周囲の期待と実際の臨床のギャップが大きくなるという問題があります.
他にも問題点はありますが,とりあえず心理学で認知運動療法が取り上げられるのは喜ばしいですが,以上のような問題点を踏まえてお読み頂けるといいかと思います.
貴重でかつ丁寧なコメントありがとうございます。手厳しいにもかかわらず,どこかさわやかな印象を受けるのは,問題点を指摘しつつ,ご自身を「認知運動療法の専門家です」と名乗るところにあるのかなと思います。
やや「隣の芝は青い」的な記述が目立ったかもしれませんが,それは一編集者としての期待の現われとして,ご寛恕いただければと存じます。
指摘が大変具体的で,業界のことは詳しく存じ上げませんが,さもありなんというところかと推察いたします。研究会自体もまだ歴史が新しく,まだまだこれからというところかと思いますが,いちユーザーになるものとしても,ご発展とご活躍を切に願う次第です。また是非,コメント等にて情報をお寄せいただいたり,ご指摘等いただければ幸甚です。
ちなみに,以下の関連エントリもございます。よろしければご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/0ec2c162d8a9ea9aecc9ef316fd4c070
http://blog.goo.ne.jp/psy-pub/e/56228952d08df207e3161343d885a9b2
コメントありがとうございます.
本国イタリアでは,認知運動療法はほとんど評価されておらず,世界的に見てもここまで盛り上がっているのは日本ぐらいですが,多くの問題点を踏まえつつ頑張っていきたいと思います.
私はこれからイタリア語を学び,素人の翻訳家に頼らないで研究を行えるよう努力しようと考えています.
なんにしても,とりあげて下さってありがとうございました.