ウィニコットって,しかし,ああた,すごいですな,ホントに。
なんて思ってしまうわけですね。何せ,ウィニコット辞典!まで出てしまったわけです。悩んだ末(→前のウダウダ),買ってしまいましたよ,ワタシも。
カバーがラブリーであります。いいカバーだ。まだ,買ったばっかでパラパラ読んでいるだけですけどね,なんか,E! Eとか書くと,小林亜星とか糸井重里みたいですけどね,Eのだ,イイのだ。活字が立っているな,そげな本です。後悔ナッシング。辞典というか,「読めばわかる ウィニコット」という感じの本。ウィニコットの全体像をサクッとつかみたいワタシみたいな向きにはぜひとも手元においておきたい本でありますな。いまはトイレの住人となっておりまして,ホホーと読んでおります。ときどき,うなったりして。
しかし,精神分析業界で一番売れている助っ人外人は,ウィニコットじゃないかと思うわけです,ノン・エビデンス・ベイストに。
もちろん,フロイトだ,ユングだ,ラカンだは除いて(いや,ラカンくらいだと売上げは変わらないかも。買う人が批評家みたいな人が多いだけで,総量は一緒かも)ですが,ウィニコットはさまざまにある精神分析家のなかで特段売れている感じが致します。
ま,売れてなきゃ,「ウィニコット辞典」なんて出ませんが。
彼国でもやっぱ人気があるらしく,その臨床能力や人柄はいまだに伝説のように語り継がれているそうですョ。テンサーイだったんでしょうかね,つまんね一言で言えば。
これまた勝手な思い込みですが,クラインやビオンなんかは,さほどな人気ぶりではないような気もするんですが,なにゆえなんでございましょうか。
いろいろと考えてみたんですが,ウィニコットは岩崎学術出版社さん,誠信書房さん,星和書店さんで売られていますな。これがえがったのかもしれないと,考えたのです。
版元も違えば,訳者もいろんな人が訳されているわけで,北山修先生をはじめ,成田善弘先生,猪股丈二先生,牛島定信先生,館直彦先生,白川佳代子先生,新宮 一成先生,西村良二先生,根本真弓先生,橋本雅雄先生などなど,錚々たるメンバーが,もう覚え切れないくらいの数で訳されておりまして,ま,そら,凄いわけです。
単純に,この訳者の20人が20人に「ウィニコット,すげ。アベシ」なんてことをお告げするとしたら,それだけで,400っすよ,400。
翻訳にかかわった訳者としては,当然,本を売りたい,という思いを持っていただいているわけでして,いや,これ,専門書販売においては大事な点のようで。で,これが口コミ的に広がり,そして「ウィニコット」がよかったら,また,他の「ウィニコット」が読みたい!と思うのが刃傷じゃなかった,人情なわけでありまして,これまさに
相乗効果
というべきものでありましょう。
あやかりたい!
もちろん,これだけで単純にウィニコットが売れている理由にはなりませんが。ウィニコットが小児科と精神科を結ぶ存在であったこと,これもえがったのかもしれません。もちろん,その内容は素晴らしい。精神分析だけど,精神分析という視点だけでは語れない人間的な精神も素晴らしい。わかりやすいし,臨床能力なんかも当然卓越しているわけでありますし,その卓越している臨床能力が伝わってきますし,その筆力たるや,まあ,すごい。
でも,しかし,寡占状態というのが大きな利益を産むわけではないというのは,経営学の基本であります。競合商品がないところにヒット商品はありません。パクッたなるロデオボーイなくして,本家本元のナショナル謹製ジョーバは語れないのと同じことなり。ホントかね。ともあれ,版元が分かれたのも,えがったことじゃないかと。
で,ま,ウィニコット,すげぇというのはいろいろと思うんですが,若輩たるワタシが「すげぇ」と思うのは,
スクィグル・ゲーム
であります。ま,いろいろと訳はありますが,紙に鉛筆か何かで「ぐるぐる書き」をして,「見立て遊び」をするという,子どもの遊びであります。そんな子どもの遊びを「治療」に使おう,というこのセンス。こら,すげぇんじゃないかと思うわけです。
面白いですよね,こういう見立て遊び。
とはいえ,このスクィグル,ナウンバーグ(Naumburg)が開発した「スクリブル法」ともまったく同じだったりします。
こらまた,不思議。
ほぼ同時期に作って,臨床に活用していたのでしょう。ナウンバーグがウィニコットを真似していたり,あるいは逆,というのでもないらしいです。元々,英米文化のなかにあった遊びだったのでしょう。でも,ほぼ同時っていうのが,面白いなぁ。発想はいろんなところに発生するのね。
ナウンバーグさんの本もあります。中井久夫先生の訳!
しかし,こういう本は,ほんといい。でも,大人になって「樹木描け」とか言われたら,躊躇しますね,ワタシは。絵,下手ですし。下手な絵を見られるのも,イヤだし。
そういう意味で,描画療法はこういう「巧いのを目指すもの」とは対極でありたいですね,やっぱ。(とはいえね,絵がうまいのも,否定できないほど大事なことですが。)
なんてことを思わせるのも,ウィニコットの影響だったりします。子ども文化を語る上で,すでにウィニコットの知見はワタシらの血潮に沁み込んでおる気もしまふ。
なんて思ってしまうわけですね。何せ,ウィニコット辞典!まで出てしまったわけです。悩んだ末(→前のウダウダ),買ってしまいましたよ,ワタシも。
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カバーがラブリーであります。いいカバーだ。まだ,買ったばっかでパラパラ読んでいるだけですけどね,なんか,E! Eとか書くと,小林亜星とか糸井重里みたいですけどね,Eのだ,イイのだ。活字が立っているな,そげな本です。後悔ナッシング。辞典というか,「読めばわかる ウィニコット」という感じの本。ウィニコットの全体像をサクッとつかみたいワタシみたいな向きにはぜひとも手元においておきたい本でありますな。いまはトイレの住人となっておりまして,ホホーと読んでおります。ときどき,うなったりして。
しかし,精神分析業界で一番売れている助っ人外人は,ウィニコットじゃないかと思うわけです,ノン・エビデンス・ベイストに。
もちろん,フロイトだ,ユングだ,ラカンだは除いて(いや,ラカンくらいだと売上げは変わらないかも。買う人が批評家みたいな人が多いだけで,総量は一緒かも)ですが,ウィニコットはさまざまにある精神分析家のなかで特段売れている感じが致します。
ま,売れてなきゃ,「ウィニコット辞典」なんて出ませんが。
彼国でもやっぱ人気があるらしく,その臨床能力や人柄はいまだに伝説のように語り継がれているそうですョ。テンサーイだったんでしょうかね,つまんね一言で言えば。
これまた勝手な思い込みですが,クラインやビオンなんかは,さほどな人気ぶりではないような気もするんですが,なにゆえなんでございましょうか。
いろいろと考えてみたんですが,ウィニコットは岩崎学術出版社さん,誠信書房さん,星和書店さんで売られていますな。これがえがったのかもしれないと,考えたのです。
版元も違えば,訳者もいろんな人が訳されているわけで,北山修先生をはじめ,成田善弘先生,猪股丈二先生,牛島定信先生,館直彦先生,白川佳代子先生,新宮 一成先生,西村良二先生,根本真弓先生,橋本雅雄先生などなど,錚々たるメンバーが,もう覚え切れないくらいの数で訳されておりまして,ま,そら,凄いわけです。
単純に,この訳者の20人が20人に「ウィニコット,すげ。アベシ」なんてことをお告げするとしたら,それだけで,400っすよ,400。
翻訳にかかわった訳者としては,当然,本を売りたい,という思いを持っていただいているわけでして,いや,これ,専門書販売においては大事な点のようで。で,これが口コミ的に広がり,そして「ウィニコット」がよかったら,また,他の「ウィニコット」が読みたい!と思うのが刃傷じゃなかった,人情なわけでありまして,これまさに
相乗効果
というべきものでありましょう。
あやかりたい!
もちろん,これだけで単純にウィニコットが売れている理由にはなりませんが。ウィニコットが小児科と精神科を結ぶ存在であったこと,これもえがったのかもしれません。もちろん,その内容は素晴らしい。精神分析だけど,精神分析という視点だけでは語れない人間的な精神も素晴らしい。わかりやすいし,臨床能力なんかも当然卓越しているわけでありますし,その卓越している臨床能力が伝わってきますし,その筆力たるや,まあ,すごい。
でも,しかし,寡占状態というのが大きな利益を産むわけではないというのは,経営学の基本であります。競合商品がないところにヒット商品はありません。パクッたなるロデオボーイなくして,本家本元のナショナル謹製ジョーバは語れないのと同じことなり。ホントかね。ともあれ,版元が分かれたのも,えがったことじゃないかと。
で,ま,ウィニコット,すげぇというのはいろいろと思うんですが,若輩たるワタシが「すげぇ」と思うのは,
スクィグル・ゲーム
であります。ま,いろいろと訳はありますが,紙に鉛筆か何かで「ぐるぐる書き」をして,「見立て遊び」をするという,子どもの遊びであります。そんな子どもの遊びを「治療」に使おう,というこのセンス。こら,すげぇんじゃないかと思うわけです。
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面白いですよね,こういう見立て遊び。
とはいえ,このスクィグル,ナウンバーグ(Naumburg)が開発した「スクリブル法」ともまったく同じだったりします。
こらまた,不思議。
ほぼ同時期に作って,臨床に活用していたのでしょう。ナウンバーグがウィニコットを真似していたり,あるいは逆,というのでもないらしいです。元々,英米文化のなかにあった遊びだったのでしょう。でも,ほぼ同時っていうのが,面白いなぁ。発想はいろんなところに発生するのね。
ナウンバーグさんの本もあります。中井久夫先生の訳!
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しかし,こういう本は,ほんといい。でも,大人になって「樹木描け」とか言われたら,躊躇しますね,ワタシは。絵,下手ですし。下手な絵を見られるのも,イヤだし。
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そういう意味で,描画療法はこういう「巧いのを目指すもの」とは対極でありたいですね,やっぱ。(とはいえね,絵がうまいのも,否定できないほど大事なことですが。)
なんてことを思わせるのも,ウィニコットの影響だったりします。子ども文化を語る上で,すでにウィニコットの知見はワタシらの血潮に沁み込んでおる気もしまふ。
すばらしい…買って良かった…!!
辞典としての機能を超えて、読みものとして、もう素晴らしい。
訳・構成のセンスの良さ、読み心地の良さ、
ウィニコットの魅力が紙面から香りのように立ち上ってきて、ぽうっとなります。
いい本に出会えました。psy‐pubさん、ありがとう。
どもどもです。
>すばらしい…買って良かった…!!
カカ同志に同意! 同意! です。
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