ハイハイどうもどうも。なんとなく基本ラインを月曜日更新にもっていこう,と意気軒昂な僕ですよ!
ところで,専門書の編集の仕事のひとつに洋書のカタログを眺めるというのがあります。英語が堪能どころか英語を見る(←読むではない)とため息が出てくる僕は溜池山王に住んでます(住んでません)。
というね,ま,どうもこうもないんですけど(なんなんだ),せんだても,れいによってカタログを眺めつすがめつ,右の本は既に他社に版権を取られ,左の本は版権は空いているが売れそうな気がしない,今日,利益が出る翻訳出版は得がたいことを識って,編集者たるもの、犀の角の如く独り歩め,とブツブツやってたわけですよ。
その際,
という本を見つけました。気になったのはタイトルなんですが,なんだろ,このデ・ジャ・ヴ,おもわず姪っ子の命名に,泥邪武ってのはどうか? と無茶な参戦したくなるほどの,デ・ジャ・ヴ。
少し考えた後,
ああ,これか,と思い出したのですが,なぜか原書で持ってるわけですが,それはさておき,これはなんか欧米では有名なフレーズなんですかねえ。ボーイ・ミーツ・ガール的な。
まあ,この,ウェン・ハリー・メット・サリーは映画になってまして,
元祖コメディエンヌ,メグ・ライアンの出世作ですね。古い映画……ってほど自分にとっては古くないんですけど,まあ1980年代だから,ざっと20年前,十分古いですな。第一印象が最悪な二人の行方は的な映画のテンプレートになった名作ともいえましょう。それにしてもメグ・ライアンの髪型デカイなあ!
上記『When Harry Hit Sally』が何を誰にアピールしようとしてるのかはワカランですが,まあでもおそらくアメリカでもウェン・ハリー・メット・サリー世代が子育て世代(あるいは執筆する世代)に突入してるってことの現われなんでしょうかね。
今日はまあそんな,一発ネタだったんですけど,上記『When Harry Hit Sally』のまえがきにAdam Phillipsさんが書かれているということに気づいて俄然テンションが上がってきたのが僕です。ええ,今,行き当たりばったりにこの記事書いてますことよ。
アダム・フィリップスさんといえば,
という翻訳書も出ている,漂流する世界のサイコセラピスト,でありますな。かなり頭がいいというか(という言い方も失礼ですが),相対主義者というか,頭が柔らかすぎるがゆえに,いまひとつ生き方が見えてこない,という感じもありつつ,なんかマジメな感じがいかにも英国って感じです(意味不明)。
そういう英国テイストとは対照的なのは,やはり,パリ。思わず,やっパリとオヤジギャグをかましたくなるほど,花の都パリ(18世紀には糞尿の都パリ),でして,てかパリって別に行ったことないですけど,そのように言ってるのを聞くので,きっとオシャレなんだろう。カフェオレ飲んでクロワッサン食べてオシャレなんだろう,という岡本太郎的パリ認識しかないですが,きっとそうだと思う。
で,そんなパリの,パリ第八大学(パチ大と略称したい)の精神分析専攻教授が出してるのが,この本,
なんていうかね,エスプリ,ですよね~,などとどうとでも取れる印象批評をかましたくなるわけですけど,ていうか,このタイトル,俺のこと? と一瞬,思考盗聴システムの完成・実用化が頭をよぎったりもして,まあソレはさておき,洗練されたメタファーに酔えばいいさ! って感じで,なんかプワゾンです。パフュームです(適当です)。
このタイトルで,もしウンベルト・エーコが書いてたなら,きっともうエーコの知識の洪水にゲンナリしちゃうと思うんですけど,そこは同じ言葉は言葉でも,サイコセラピーのスペシャリストですから,安心安心なのです。とはいえ,エーコの文章作法を読んでも,エーコみたいな文章が書けるわけもないのと同じように,メソッドが書いてあるわけもなくてですね,そこらへんはまあお手盛りでどうぞ,というところですかね。
ちなみに,パチ大(パリ第八大学)の精神分析は,まあいわゆるラカン派が中心になるわけですが,
この十川先生もパチ大(パリ第八大学)に留学されたことがあるそうです。
十川先生といえば,システム論的精神分析,なるものを提唱されていることは,知る人ぞ知るわけですが,これはラカンとかのいう「構造」に対して「システム」と言ってるわけで……とやってると長くなるので割愛しますが(なんだってー?!),主軸は,フロイト-ラカンだと思うのですが,対象関係論はもとより,スターンらの間主観性理論,はてはオートポイエーシスまで射程を広げてるため,コアなラカン派には怒られそうですけど,精神分析に関する現在進行形の議論はきわめて刺激的ですね。この本を臨床的に読めるのは日本で100人くらいでしょうけど,メタに精神分析に関心がある人も面白く読めるはず! です!
へば!
ところで,専門書の編集の仕事のひとつに洋書のカタログを眺めるというのがあります。英語が堪能どころか英語を見る(←読むではない)とため息が出てくる僕は溜池山王に住んでます(住んでません)。
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ああ,これか,と思い出したのですが,なぜか原書で持ってるわけですが,それはさておき,これはなんか欧米では有名なフレーズなんですかねえ。ボーイ・ミーツ・ガール的な。
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元祖コメディエンヌ,メグ・ライアンの出世作ですね。古い映画……ってほど自分にとっては古くないんですけど,まあ1980年代だから,ざっと20年前,十分古いですな。第一印象が最悪な二人の行方は的な映画のテンプレートになった名作ともいえましょう。それにしてもメグ・ライアンの髪型デカイなあ!
上記『When Harry Hit Sally』が何を誰にアピールしようとしてるのかはワカランですが,まあでもおそらくアメリカでもウェン・ハリー・メット・サリー世代が子育て世代(あるいは執筆する世代)に突入してるってことの現われなんでしょうかね。
今日はまあそんな,一発ネタだったんですけど,上記『When Harry Hit Sally』のまえがきにAdam Phillipsさんが書かれているということに気づいて俄然テンションが上がってきたのが僕です。ええ,今,行き当たりばったりにこの記事書いてますことよ。
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という翻訳書も出ている,漂流する世界のサイコセラピスト,でありますな。かなり頭がいいというか(という言い方も失礼ですが),相対主義者というか,頭が柔らかすぎるがゆえに,いまひとつ生き方が見えてこない,という感じもありつつ,なんかマジメな感じがいかにも英国って感じです(意味不明)。
そういう英国テイストとは対照的なのは,やはり,パリ。思わず,やっパリとオヤジギャグをかましたくなるほど,花の都パリ(18世紀には糞尿の都パリ),でして,てかパリって別に行ったことないですけど,そのように言ってるのを聞くので,きっとオシャレなんだろう。カフェオレ飲んでクロワッサン食べてオシャレなんだろう,という岡本太郎的パリ認識しかないですが,きっとそうだと思う。
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なんていうかね,エスプリ,ですよね~,などとどうとでも取れる印象批評をかましたくなるわけですけど,ていうか,このタイトル,俺のこと? と一瞬,思考盗聴システムの完成・実用化が頭をよぎったりもして,まあソレはさておき,洗練されたメタファーに酔えばいいさ! って感じで,なんかプワゾンです。パフュームです(適当です)。
このタイトルで,もしウンベルト・エーコが書いてたなら,きっともうエーコの知識の洪水にゲンナリしちゃうと思うんですけど,そこは同じ言葉は言葉でも,サイコセラピーのスペシャリストですから,安心安心なのです。とはいえ,エーコの文章作法を読んでも,エーコみたいな文章が書けるわけもないのと同じように,メソッドが書いてあるわけもなくてですね,そこらへんはまあお手盛りでどうぞ,というところですかね。
ちなみに,パチ大(パリ第八大学)の精神分析は,まあいわゆるラカン派が中心になるわけですが,
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この十川先生もパチ大(パリ第八大学)に留学されたことがあるそうです。
十川先生といえば,システム論的精神分析,なるものを提唱されていることは,知る人ぞ知るわけですが,これはラカンとかのいう「構造」に対して「システム」と言ってるわけで……とやってると長くなるので割愛しますが(なんだってー?!),主軸は,フロイト-ラカンだと思うのですが,対象関係論はもとより,スターンらの間主観性理論,はてはオートポイエーシスまで射程を広げてるため,コアなラカン派には怒られそうですけど,精神分析に関する現在進行形の議論はきわめて刺激的ですね。この本を臨床的に読めるのは日本で100人くらいでしょうけど,メタに精神分析に関心がある人も面白く読めるはず! です!
へば!
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