参議院選挙が終わりました。
昨日の日曜日、3週間ぶりに休みがとれて、投票に行って来ました。
東京は24人も候補者がいて、ポスターも賑やかです。
一見して気づくのは、どの党も大きく若返りましたね。
選挙公報を見る限り、60歳以上は6人だけです。
新党乱立状態ですが、聞いたこともない諸派もあります。
民主党、自民党、公明党、共産党、社民党…。
ここら辺は、もう老舗の古い既成政党になってきました。
国民新党、みんなの党、新党改革、たちあがれ日本、日本創新党…。
ここら辺までが、一応議員のいる政党ですが、急ごしらえのよくわからない党も。
幸福実現党、女性党、新党本質、あきつ新党、スマイル党、平和党、世界経済共同体党…。
もう、ここら辺は、どうコメントして良いのか、よくわからないですね。
結果としては、民主党敗北、自民党復調、みんなの党大躍進、といった形でしょうか。
これから衆参ねじれ国会で、また政界は混沌とした感じになってきそうです。
今回の選挙、突如降って湧いた消費税論議が、いつのまにか争点になりました。
支持率V字回復した菅内閣、一気に逆N字急落で、このまま9月には退陣でしょうか。
消費税上げの論議と裏腹なのが、少子高齢化進行の中での社会保障の問題です。
年金・医療・福祉・介護等については、持続可能な制度確立が未だ試行錯誤状態です。
社会保障をどう考えるかは、人それぞれの人生観や社会観を反映していると思います。
大雑把に言って、社会保障をめぐる思潮は、五つくらいに分かれると思っています。
○社会主義…国家責任の社会保障を追究
共産党は、軍事費削って原則無料化を謳っていましたが、最近少しトーンダウンしたかな?
○社会民主主義…社会支援と応能負担を原則
社民党や民主党は、自立支援法の応益負担廃止も掲げ、ヨーロッパ型社民主義に近い?
○保守主義…家族中心の共同体社会を指向
国民新党やたちあがれ日本は、郵政を中心に地域共同体を再建したいんでしょうか?
○新自由主義…自己責任と応益負担を原則
自民党は、小泉改革以降、急速に社会保障を後退させて、自己責任を語るように?
○自由主義…弱肉強食的自己責任を追究
みんなの党は、民間中心の競争原理を、社会保障分野に今後導入したいのでは?
公明党の掲げる「新しい福祉」や新党改革は、保守主義と新自由主義の間くらい?
スタンスが、常にパーシャル連立含みなので、ちょっと、よくわかりませんが。
かつて、中国共産党の小平は、戦後日本が確立してきた社会保障制度を評して、
「日本は、世界でもっとも成功した社会主義国」と言ったそうです。
55年体制の保守(自民党)・革新(社会党・共産党)のせめぎ合いとバランスの中で、
日本はたしかに、国民皆保険をベースに医療や福祉、セーフティーネットを築きました。
小泉改革に代表される規制緩和の中、新自由主義へ舵を切り、一気に格差拡大が進みました。
米国流の社会保障自由主義化が進む中で、国民は今度は民主党政権を選びました。
そして、今度は民間企業主導の小さな政府をめざす、みんなの党が注目集めて大躍進です。
バランス感覚というより、この国の国民が何を求めているのか、よく分からないですね。
単に、その時々のマスコミ主導の雰囲気とイメージで選択して、投票行動をしているだけ。
社会保障を軸に考えると、右往左往の日本国、そういう評価になってしまいます。
地縁血縁関係も薄れ、無党派浮動票が当たり前の国民には、浮遊する政権が当たり前に。
国民は、国民の政治意識に合った政府しか、やはり持てない、ってことですかね?
でも、それだけ、この国の閉塞感が強く、国民は変化を期待しているってことでしょうね。
過剰に期待された変化を果たせなければ、失望と批判に変わる、危うい無常が漂っています。
それにしても、菅直人さん、ちょっと率直すぎて、オウンゴールになっちゃいましたね。
トップはしばしば思いつきで物を言うものですが、尻ぬぐいを迫られる下々は大変です。
個人的には、なんか釈然としない参議院選挙の結果でした。
まぁ、政治の世界は、いつも釈然としないんですけど(笑)
あ、ちなみに、白戸次郎さんの当確速報には、ビックリしました。
僕はau党だけど、あの人?の社会保障アジェンダ、聞いてみたいです。(^o^)