【5月29日 第五主日】 「御霊の一致を保つ」(エペソ4章1節~6節)
「謙遜と柔和の限りを尽くし、寛容を示し、愛をもって互いに忍び合い(2節)、平和のきずなで結ばれて御霊の一致を熱心に保ちなさい。(3節)」
With all lowliness, and gentleness, with longsuffering,bearing with one another in love,(2節) Endeavoring to keep the unity of the Spirit in the bond of peace.(3節)
使徒パウロは、私たちが神に応える方法を「エペソ人への手紙」の中で5つ示していますが、そのうちの一つが4章の1~6節に書かれています。冒頭には、2~3節を引用しておきましたが、「御霊の一致を保つ」とは、神と交わりをもって神に栄光を帰すことに他なりません。つまり神への態度が問われているということになります。人は神によって創造されたわけですが、一人ひとりは人格も性格も違い、まったく「一致」しないものです。しかし、私たちの神への態度は一致しなければならないということがエペソ書の中で、パウロによって示されているのです。
1節に立ち戻ると、パウロは、「召されたあなたがたは、その召しにふさわしく歩みなさい」(I, therefore, the prisoner of the Lord, beseech you to worthy of the calling with which you were called,以下2節へ続く)とまず述べていますが、callingは、一般的に、「召命」と訳されています。これは、イエス様に従っていけばいいのですという端的な指摘といってもいいでしょう。私たちは、自己中心的で、時に神の背きます。しかし、自分の意志を神に捧げて、神の意志とともに歩むべきときが必ずあります。罪の重さを背負いつつ、神の御子イエス様の救いによってこそ私たちは救われるという信仰の大切さを胸に刻むことで、傲慢になっていきがちな自分を軌道修正することができるのです。
関連して、有名なローマ12:10を引用しておきましょう。
「兄弟愛をもって心から互いを愛し合い、尊敬をもって互いに人を自分よりまさっていると思いなさい。」
Be kindly affectionate to one another with brotherly love in honor giving preference to one another;
神の意志への「一致」を試みても、人はすぐにわがままな面を出し、「一致」できなくなるものです。そんな時、私たちに欠けているものが、「愛」だということがわかると思います。互いに愛していれば、「一致」は保てるのですよと、ローマ12:10は語りかけています。エペソ4章冒頭と合わせて、心に刻みたいイエス・キリストの教えです。