マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

ミュジカポール・コンサート14の演奏曲

2024-01-13 00:08:02 | コンサート
明日のミュジカポール・コンサートでは、ショパンの遺作のワルツから3曲と、グリーグのピアノ・ソナタを演奏します。
いずれの曲についても、以前記載したことがありますが、ずっと前なので、一部書き直して再掲します。
ショパン:ワルツ第16番 変イ長調 KK.IVa/13、第15番 ホ長調 KK.IVa/12 、第14番 ホ短調 KK.IVa/15
ショパン(1810~1849)のはワルツは全部で19曲ありますが、約半数が没後に出版された遺作となっています。
遺作の中から、今回は14~16番の3曲を演奏します。
演奏順は、16、15、14番の順番です。

ワルツ第16番 変イ長調は、10代終わりごろ作曲されたとみられ、1902年に、ショパンの作曲の先生だったユゼフ・エルスネルの娘エミリーが持っていたアルバムから発見されたものです。
細かい動きの繰り返しで、左手の和音の変化は少ないですね。
第15番ホ長調は、1829年の作。
勇壮な感じの前奏部に比べると、メインテーマはちょっと哀愁を帯びたショパンらしいフレーズです。
これを弾いていると、どんな小品でもやっぱりショパンだなぁ…と思えます。
第14番ホ短調は、1830年頃の作曲。
「華麗なる円舞曲」の先駆けともいえる曲で、最後は華やかに終わります。
演奏効果があるので、よく演奏されます。

グリーグ:ピアノ・ソナタ ホ短調 作品7   
ノルウェーの作曲家グリーグ(1843~1907)は、母親の影響で幼少期からピアノに親しんでいましたが、特にショパンの小品を好んでいたようです。
作曲家になってからも、抒情小曲集に代表される小品を多数作っていて、自然や素朴な人間の感情などを表した曲に本領を発揮しました。
よって、大作はピアノ・ソナタがこのホ短調1曲のみで、ピアノ協奏曲も1曲のみ、いずれも若い時の作品です。
ドイツのライプツィヒ音楽院で学んだグリーグは、1862年に卒業するといったんはノルウェーに帰り、音楽家としての活動を始めます。
その後、デンマークに渡りますが、そこでの出会いから様々な影響を受けました。
このピアノ・ソナタホ短調は、1865年グリーグ22歳の時の作品で、わずか11日間で書き上げられたと言われ、デンマークで知り合った作曲家ゲーゼ(1817~1890)に献呈されました。
第1楽章 アレグロ・モデラート ホ短調
ホ短調の主和音を加工する形の第1主題で始まり、抒情的でもありエネルギッシュでもある曲調のソナタ形式で書かれ、力強いコーダで閉じます。
第2楽章 アンダンテ・モルト・カンタービレ ハ長調
ノクターンともいえる曲で、清らかで崇高な主題で始まり、グリーグ特有の牧歌的で素朴な情感があふれています。
ハ長調の持つ独特の透明感や力強さを併せ持つ曲だと思います。
第3楽章 アッラ・メヌエット・マ・ポコ・ピュウ・レント ホ短調
第1楽章の開始と同じ主和音の下降で始まり、中間部のトリオはホ長調に転調し、対照的に上昇音型に転じ、メヌエット部分を半分の長さで再現して終わります。
第4楽章 フィナーレ モルト・アレグロ ホ短調
マーチ風で軽快なテーマで開始し、第2楽章の音型も利用して展開し、華やかで堂々とした曲となっています。
瞑想的でもある力強い終結部で閉じます。




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