あっという間に2か月以上経ってしまいましたが、3月に聴いたブルース・リウのコンサートについて。
彼は、2021年のショパンコンクールの優勝者で、しっかりとした技術と構成力で、圧巻の演奏でした。
スクリャービンの4番のソナタにプロコフィエフの7番のソナタ、チャイコフスキーの四季全曲がプログラムだったので、それも聴きたかった理由の一つです。
どの曲も弾いたことがあるし、スクリャービンもプロコフィエフもけっこう苦労してますから、あの難しいフレーズを軽々弾けるのは、ホントに素晴らしいと思います。
そんなに簡単な曲だったんかい??と言いたくなるような…。
ただ、チャイコフスキーの四季はどれもそんなに難しい曲ではないので、技術的というより音楽的によく歌えているし繊細な音だし…でしたが、う~ん、ここはこういう風に変化をつけて弾くよね…というのがわかってしまったなぁ…と。
12月のクリスマスなど、同じフレーズが何度も現れるのをうまく変化をつけて弾いていましたが、クリスマスに家族が集まって…的な温かみみたいなものが感じられなかったかも…と。
スクリャービンの1楽章の星のきらめきは繊細でうっとりと聴きましたが、2楽章のコーダ、爆発するような解き放たれるようなそんな部分があっけなく終わってしまった…。
軽々弾きすぎる…そんな感じでした。それはプロコフィエフの3楽章も同じかな、あれッという間に終わってしまったのです。
感情がついて行かない…。
弾ける人が弾くとそうなるのかな…と。
わぁ~すご~い!で終わってみると、う~ん、そう言えばぞくぞくするような感動はなかったかも…だったのです。
コンサートは、すご~いばかりではなく、幸せな時間だったと思えるような演奏であってほしいですね。
感動というのは一体何か…難しいですね。
7月のリサイタルで、私もプロコフィエフの7番のソナタを弾くのですが、なかなかホントに苦労しています。
過去に何度か弾いたことがあって、特に、若いころ出雲での2回目のリサイタルで弾いたときは、感動だと言ってもらったので、迫ってくるような演奏をしたいとは思って練習に励んでいますが、やはり年齢的にも体力の衰えもあるしなぁ…と。