マスミンのピアノの小部屋

ピアニスト兼ピアノ指導者松尾益民が、ピアノや教育、世の中の出来事など日々感じることを、徒然なるままに綴ります。

知識を深める

2013-09-19 23:38:29 | お勧め
最近、また本を一つ読み終えました。
2000年頃に買った本…ちょっと前に本棚を整理した時に出てきた物です。
その頃は、読みたいと思っても息子たちもいたし、やっぱりゆっくり読むという気持ちのゆとりもなかったんだなぁ…。
何しろ、文字がびっしり詰まって、内容も深い本ですから。
本は、心で弾くピアノ―音楽による自己発見 ピアノを弾くということについて、非常に論理的に書かれていて、これで写真とか図があったらもっとわかりやすいのに…と、ちょっと残念ですが、自分の知識や技術、考え方などを再確認することができました。
だんだんいい加減になってくる部分に活を入れることができた…そんな感じでしょうか。
中でも一番参考になったのは、「第Ⅲ部公開演奏の成果」の部分です。
なぜ演奏するのか、練習の原動力は何かとか、なぜ暗譜をするのか…などなど。
う~ん、なるほど!と思ったのは、「音楽の面での甘えは、他人に対する無思慮という形となって表れる。返事の電話がない、約束が守られないなど、責任ある行為に伴う小さな礼儀がすべて無視される。言いかえれば、音楽への責任感は個人の才能それ自体の発展にとどまらず、周囲の人々とも直接のかかわってくるものなのである。-中略ー公開演奏をするかしないかは、音楽に対し、周りの人に対し、自分自身に対し、どれほど責任を持っているかにかかっている。」という部分。
演奏というのは、その人のすべてをさらけ出すことになりますから、ま、いっか…という甘えは許されないのですね。

技術的なことに関しては「自動パイロット」を働かせられるまで弾くということ。
言ってみれば条件反射とでもいうのでしょうか、頭で理解するばかりでなく、自動的に体が動くまで練習することが必要ということです。
わかってはいるけど…最近はやはりこれを意識して弾いていますね。
とにかく、参考になることが盛りだくさんあって、折に触れて読み返したいと思いました。