ポーランド、ショパンコンクールのシーズンです!
先日、約一週間×2箇所に渡る予備選が終わったところです。
ていうか、私、
弾いてきちゃいました・・!
受けるつもりはずっと皆無だったのだけど、3月、書類の提出締め切り直前に、急遽受けることにしてしまったのだ。急遽と言っても、ものすごく悩んだ。3日間お腹壊す位悩んだ。
そして、受けることを目指してお勉強、というつもりで受けることにした。
コンクールは、受けるからには本選までの全ての曲を用意すべきだし、絶対受かる、という意気で挑むべきものだと思う。今までにもコンクールや本番の辛さは経験した事あるし、受かること、入賞することに意義があるものだと思う。
なのに、無理矢理でも受けようと決めてしまったのは、
人生初の大スランプの中にいたから。
弾けないから受けるっていうのもへんてこだけど。
ここんとこ何ヶ月もずっと、ホントに大きなスランプの中におりました。
これまで、弾けなくて本気で困るなんていう経験なかった。でもこうなってみて、初めて色々考えた。
今まで、問題外なほど途方にくれたりしなかったのは、周囲の他人の力によって、軌道を修正され、良い・悪いを判断してもらってきたからなのかもしれない。私は言われるままに努力していただけなのかもしれない。
その努力は超苦しいながらも楽しかったし、無駄だったなんて微塵も思ってはいない。
でも、今まで他人の力によって成っていたものが、一度、全て崩壊した。
************************
先生は、「ショパコンは、何年もかけて曲を準備するもの、あなたはまだポーの生活を初めて間もないし、半年で準備するなんてありえない。急がなきゃ急がなきゃ、っていう心境で練習するのも良くないよ。」って。
でも、「僕は自分の意見を言ったよ、でも最後に自分のことを決めるのは自分・・」と、書類に必要な推薦状×2、先生ご自身と、もうひとり他の先生にお願いして、用意して下さった。
で・・締め切り直前に、事務所に直接手渡し。
受けないまま後悔するよりも受けよう
なーんてもんでは決してなく、
絶対に死ぬほど後悔するけど受けよう
って。
************************
本番までのはなし
スランプは、対処法になかなかたどり着けなかったし改善の兆しもなかなか見えなかった。ていうか、それがスランプなのだよね。。
でも、本番が迫っても、とりあえず目先だけを見つめた焦らない練習を続けてみて、長い間なかなか改善できなかったものが、やっと、だんだん、何か兆しが見えてきた。何ヶ月も変わらなかったのが、本番2週間前になって・・!
兆しだけだけど、どん底のところを折り返しそうな感じはして。
ということで、本番までのカウントダウンは、まじでコワかった!
前日は、
明日の夜って、あたしって生きてるんだろーか?
って本気でギモンだった。すごく上手な人で、本番の朝に吐いてしまったという人の話も聞いた。レベルが全然違うけど、わ、わかるよぉ。。皆それぞれのレベルに応じて、自分の十字架を背負って、苦しんで、蝕まれながら戦っているんだ。
予備選の課題は、
・エチュード2つ
・提出した、ポロネーズ/ソナタ1mov./バラードorバルカローレのどれか、の3曲の中から、2日前にくじ引いてどれか1曲。
会場は、ショパンアカデミーのコンサートホールと、文化科学宮殿6階のちっこいホールの2箇所に振り分けられた。アカデミーのホールは大きいし響くホールだけど、、、
私の本番は最終日だったので、事前に文化科学宮殿の方を聴きに行ってみると・・・
とりあえず、響かない、音出ない、“お部屋”みたい。会議室みたいなところって聞いていたけど、本当にそう!私みたいなのは別として、受かるか否かっていうところにいる人々にとっては不利なんじゃないか!?
それから、司会のおじさんが出てきて、一人ひとり進行する度にアナウンスがつく!「次はどこの誰で、曲は○○です!」みたいな!
そして、舞台は黒い幕で覆われていて背景真っ黒なので、
黒いドレスきたらまじでクロコになる恐れ大。
*************************
あと1ヶ月
この頃はまだスランプを全く抜けていなくて、棄権かも、と本気で思ってた。
あと1週間
恐ろしいスランプの底は折り返しは感じたけど、時間的にそれ以上のことまで何も深入りできなくて悔しい。
あと2日
くじ引きの日。参加者一人ひとり全員分の封筒が用意されていて、自分でくじ引き。
ど、どれになってもそれなりに困る!!
でも、
どれが出ても、神様が私に与える課題なんだと思って頑張ります!
とひそかに決心し、くじ引き!
最初真ん中の紙に手がいったけど、
これソナタっぽい・・
と思ったので、左の紙に変更。ポロネーズになった。
くじ引き後、前日に日本から帰ポーした友人が、日本の栄養ドリンクを買ってきてくれたので受け取りに!長旅でお疲れのところ、ホントに有難かった。
そして米が切れたので、買っておいた。
前日
リハーサルの日。実際に会場で10分弾かせてもらえる。なぜかこの日、ありえなく緊張。ど緊張。いよいよ来ちゃったよ。
ホールには色んな国の色んな人が待機していて、思いっきり聴かれてるし。
自分の時間が来て、通してみると、脚が異様に震える!
ソフトペダル踏むの全部やめようか
ってくらい震えた。
リハの進行係は、アカデミーの同門のポーランド人の女の子。
「また明日ね☆」
って笑顔でさらっと言ってくれたけど・・そすね、明日ですね、明日。
当日
朝、もう弾かないほうがいいよ、リラックスして過ごして!
と、ポ友から電話。
今まで頑張ったんだから、今できることをすればいいんだよ、とか
弾く前にやめちゃわないで、本番で弾けばそれでいいんだよ、とか
終わったらおいしいもの食べようね、とか、
勇気付けてくれました。ありがとね。
でもやっぱ弾いてなきゃ不安あるよ!!
そして自作おにぎりとチョコレートたんまりとお水と栄養ドリンクを持って出発。
あ、も、ホントに思い出したくない位過酷な精神状態だったな。。
本番の1時間ちょっと前が受付時間だった。着いてから知ったけど、どうやら30分も練習時間があるらしい。
長い長い廊下を歩いて、練習室に到着。その日の進行係のお姉さん、
「30分後に迎えに来るので心配しないでね」
でもその練習室、響きすぎ!!!ホールと正反対!!
こりゃあんまり弾かない方がいいかも、と、ばりばりいくのはやめておいた。で、30分経ったんだけど・・・・・
誰も来ない!!
でも心配しないでって言ってたし・・・
と思うのだけど、10分経過してもまだ来ない・・・
ていうか、15分経過したら、タイムテーブルによるとそれはもう私の本番開始時間。もう過ぎてちゃいますけど・・・?
長ーい廊下の先を見つめても誰も来ないので、もう自分から戻っちゃった。んだら、結構時間が押してたみたいです。
でも練習室遠かったし、不安だったのー!
本番うんぬんはいいですね。
もっと自分の音をよく聴いて、構成をちゃんとさせて、とにかく用意周到でいかないと。
そんな感じでなんとか終了したのでした。
************************
でも、どん底まで行って、何もなくなっちゃった私を、見捨てないで、それどころか、支えてくれて、頑張れ!じゃなく応援してくれる人たちがいた。それがとても大きかった。
だって自分では自分を見捨てるところだったから。
いらない、って自分で思っていたような、そんな私のために、祈っててくれる人がいる。これは本当に大きかった。
3日からはいよいよ1次予選!
日本人は19名ほど進出しました。日本で同じ学校や先生だった人たち、留学生のお友達など残っているので、私もひそかにお祈りしています!
先日、約一週間×2箇所に渡る予備選が終わったところです。
ていうか、私、
弾いてきちゃいました・・!
受けるつもりはずっと皆無だったのだけど、3月、書類の提出締め切り直前に、急遽受けることにしてしまったのだ。急遽と言っても、ものすごく悩んだ。3日間お腹壊す位悩んだ。
そして、受けることを目指してお勉強、というつもりで受けることにした。
コンクールは、受けるからには本選までの全ての曲を用意すべきだし、絶対受かる、という意気で挑むべきものだと思う。今までにもコンクールや本番の辛さは経験した事あるし、受かること、入賞することに意義があるものだと思う。
なのに、無理矢理でも受けようと決めてしまったのは、
人生初の大スランプの中にいたから。
弾けないから受けるっていうのもへんてこだけど。
ここんとこ何ヶ月もずっと、ホントに大きなスランプの中におりました。
これまで、弾けなくて本気で困るなんていう経験なかった。でもこうなってみて、初めて色々考えた。
今まで、問題外なほど途方にくれたりしなかったのは、周囲の他人の力によって、軌道を修正され、良い・悪いを判断してもらってきたからなのかもしれない。私は言われるままに努力していただけなのかもしれない。
その努力は超苦しいながらも楽しかったし、無駄だったなんて微塵も思ってはいない。
でも、今まで他人の力によって成っていたものが、一度、全て崩壊した。
************************
先生は、「ショパコンは、何年もかけて曲を準備するもの、あなたはまだポーの生活を初めて間もないし、半年で準備するなんてありえない。急がなきゃ急がなきゃ、っていう心境で練習するのも良くないよ。」って。
でも、「僕は自分の意見を言ったよ、でも最後に自分のことを決めるのは自分・・」と、書類に必要な推薦状×2、先生ご自身と、もうひとり他の先生にお願いして、用意して下さった。
で・・締め切り直前に、事務所に直接手渡し。
受けないまま後悔するよりも受けよう
なーんてもんでは決してなく、
絶対に死ぬほど後悔するけど受けよう
って。
************************
本番までのはなし
スランプは、対処法になかなかたどり着けなかったし改善の兆しもなかなか見えなかった。ていうか、それがスランプなのだよね。。
でも、本番が迫っても、とりあえず目先だけを見つめた焦らない練習を続けてみて、長い間なかなか改善できなかったものが、やっと、だんだん、何か兆しが見えてきた。何ヶ月も変わらなかったのが、本番2週間前になって・・!
兆しだけだけど、どん底のところを折り返しそうな感じはして。
ということで、本番までのカウントダウンは、まじでコワかった!
前日は、
明日の夜って、あたしって生きてるんだろーか?
って本気でギモンだった。すごく上手な人で、本番の朝に吐いてしまったという人の話も聞いた。レベルが全然違うけど、わ、わかるよぉ。。皆それぞれのレベルに応じて、自分の十字架を背負って、苦しんで、蝕まれながら戦っているんだ。
予備選の課題は、
・エチュード2つ
・提出した、ポロネーズ/ソナタ1mov./バラードorバルカローレのどれか、の3曲の中から、2日前にくじ引いてどれか1曲。
会場は、ショパンアカデミーのコンサートホールと、文化科学宮殿6階のちっこいホールの2箇所に振り分けられた。アカデミーのホールは大きいし響くホールだけど、、、
私の本番は最終日だったので、事前に文化科学宮殿の方を聴きに行ってみると・・・
とりあえず、響かない、音出ない、“お部屋”みたい。会議室みたいなところって聞いていたけど、本当にそう!私みたいなのは別として、受かるか否かっていうところにいる人々にとっては不利なんじゃないか!?
それから、司会のおじさんが出てきて、一人ひとり進行する度にアナウンスがつく!「次はどこの誰で、曲は○○です!」みたいな!
そして、舞台は黒い幕で覆われていて背景真っ黒なので、
黒いドレスきたらまじでクロコになる恐れ大。
*************************
あと1ヶ月
この頃はまだスランプを全く抜けていなくて、棄権かも、と本気で思ってた。
あと1週間
恐ろしいスランプの底は折り返しは感じたけど、時間的にそれ以上のことまで何も深入りできなくて悔しい。
あと2日
くじ引きの日。参加者一人ひとり全員分の封筒が用意されていて、自分でくじ引き。
ど、どれになってもそれなりに困る!!
でも、
どれが出ても、神様が私に与える課題なんだと思って頑張ります!
とひそかに決心し、くじ引き!
最初真ん中の紙に手がいったけど、
これソナタっぽい・・
と思ったので、左の紙に変更。ポロネーズになった。
くじ引き後、前日に日本から帰ポーした友人が、日本の栄養ドリンクを買ってきてくれたので受け取りに!長旅でお疲れのところ、ホントに有難かった。
そして米が切れたので、買っておいた。
前日
リハーサルの日。実際に会場で10分弾かせてもらえる。なぜかこの日、ありえなく緊張。ど緊張。いよいよ来ちゃったよ。
ホールには色んな国の色んな人が待機していて、思いっきり聴かれてるし。
自分の時間が来て、通してみると、脚が異様に震える!
ソフトペダル踏むの全部やめようか
ってくらい震えた。
リハの進行係は、アカデミーの同門のポーランド人の女の子。
「また明日ね☆」
って笑顔でさらっと言ってくれたけど・・そすね、明日ですね、明日。
当日
朝、もう弾かないほうがいいよ、リラックスして過ごして!
と、ポ友から電話。
今まで頑張ったんだから、今できることをすればいいんだよ、とか
弾く前にやめちゃわないで、本番で弾けばそれでいいんだよ、とか
終わったらおいしいもの食べようね、とか、
勇気付けてくれました。ありがとね。
でもやっぱ弾いてなきゃ不安あるよ!!
そして自作おにぎりとチョコレートたんまりとお水と栄養ドリンクを持って出発。
あ、も、ホントに思い出したくない位過酷な精神状態だったな。。
本番の1時間ちょっと前が受付時間だった。着いてから知ったけど、どうやら30分も練習時間があるらしい。
長い長い廊下を歩いて、練習室に到着。その日の進行係のお姉さん、
「30分後に迎えに来るので心配しないでね」
でもその練習室、響きすぎ!!!ホールと正反対!!
こりゃあんまり弾かない方がいいかも、と、ばりばりいくのはやめておいた。で、30分経ったんだけど・・・・・
誰も来ない!!
でも心配しないでって言ってたし・・・
と思うのだけど、10分経過してもまだ来ない・・・
ていうか、15分経過したら、タイムテーブルによるとそれはもう私の本番開始時間。もう過ぎてちゃいますけど・・・?
長ーい廊下の先を見つめても誰も来ないので、もう自分から戻っちゃった。んだら、結構時間が押してたみたいです。
でも練習室遠かったし、不安だったのー!
本番うんぬんはいいですね。
もっと自分の音をよく聴いて、構成をちゃんとさせて、とにかく用意周到でいかないと。
そんな感じでなんとか終了したのでした。
************************
でも、どん底まで行って、何もなくなっちゃった私を、見捨てないで、それどころか、支えてくれて、頑張れ!じゃなく応援してくれる人たちがいた。それがとても大きかった。
だって自分では自分を見捨てるところだったから。
いらない、って自分で思っていたような、そんな私のために、祈っててくれる人がいる。これは本当に大きかった。
3日からはいよいよ1次予選!
日本人は19名ほど進出しました。日本で同じ学校や先生だった人たち、留学生のお友達など残っているので、私もひそかにお祈りしています!