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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

SHOW店街組曲/17才(1971年)

2007-05-14 | ザミュージカルショー「SHOW店街組曲」
 宝塚スカイステージ「演劇の小径」のSHOW店街組曲特集で、真琴つばささんが歌う姿が映ったという「17才」。南沙織さんの1971年のデビュー曲ですが、森高千里さんが18年後の89年にカバーし大ヒットしたので、かなり広い年齢層に愛されている曲ですよね。またまた18年を経て、2007年の今回は真琴さん、と女性に好かれるタイプの方に似合う曲なのかもしれません。

 南沙織さんはデビュー当時、長い黒髪と小麦色の肌が魅力的な17才で、日本に返還される前の沖縄から「来日」する形で芸能界入りしたといいます。翌年の返還をめぐり、本土でも沖縄でもさまざまの想いが交錯し、対立した時期でしたが、54年生まれの南沙織さんの瑞々しい美しさは、「沖縄」と聞くだけで胸の痛む戦時中の思い出を抱えた方の心も癒しただろうと思えるほどです。

 「54年生まれ・・・誰か他にもいたような?」と思ってこのブログをさかのぼってみると、アンドリュー・ロイド・ウェバー作品『ビューティフル・ゲーム』誕生にインスピレーションを与えたというIRA戦士のボビー・サンズでした。72年にアイルランド紛争激化のきっかけとなる暴動が起きていますから、71年はあの「決勝戦」のように(この曲の青山航士さん、思い出すだけで胸が高鳴ります~)、彼らが青年らしくサッカーに情熱を燃やすことができた最後の時期ですね。
 日本が戦争の傷跡を少しずつ少しずつ癒していく頃、アイルランドでは再び同じ国の人間同士が宗教的対立を深め、ごく普通の青年達も武器を手に暴力に走った・・・。そう思うと今の日本の平和というものがどんなに貴重なものなのか、どう築かれたのか、改めて考えずにはいられません。

 筒美京平さんの海を渡る風のようなメロディに乗せて、キラキラと命を輝かせた女の子が歌う「17才」。ボビー・サンズの「17才」もまた、若さにあふれて輝く一年だったでしょうか。 


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