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『ゲキxシネ五右衛門ロック』『The Musical AIDA』など、ミュージカルの話題作に出演の青山航士さんについて。

ルドルフ RUDOLF The Last Kiss/ルドルフとジャーナリズム

2008-02-21 | RUDOLF The Last Kiss
 ルドルフが信頼を寄せていた新聞記者ツェップス。彼は『新ウィーン新聞』の記者でしたが、ルドルフも彼の依頼を受けて匿名でこの新聞に寄稿し、自分の政治的意見を述べています。スパイどころか皇太子がもらす情報、そりゃ特ダネでしょうね~。そのうえ父帝フランツ・ヨーゼフの信頼厚い首相ターフェ(もう思い浮かべるのは岡幸二郎さんのお顔だったり)の政治を繰り返し批判したといいますから、読者も目が離せなかったでしょう。
 左派ジャーナリスト・ツェップスはユダヤ系の名家に生まれ、娘のゾフィーは、のちのフランス首相クレマンソーの兄弟の妻になりました。クレマンソーは、第一次世界大戦終結時にドイツに対し、厳格な制裁を主張したことで知られています。ルドルフは父帝によって執務から排除されていたため、ツェップスを介してフランスをはじめとする諸国の情報を得ていたといいます。ルドルフもまた、王宮の情報をもらしていたといいますが、普通の父子の感覚ではないですね。
 が、そんな動きに王宮が気付かないわけはなく、フランツ・ヨーゼフの知るところとなります。ルドルフには24時間監視が付き、ツェップスとの交友も断たれることに。ルドルフは24才年上のツェップスに理想の父親像を見ていたとも言われていますし、父帝への感情は複雑にならざるを得なかったことでしょう。
 もしもルドルフが現代に生きていたら、さしずめブログで世界に自分の意見を発信しているでしょうか。時代を先取りするように、労働時間の短縮・児童就労の禁止・富の再分配に賛同した彼はきっと多くの人々の支持を集めたことでしょう。それとも父帝はそれもまた抑制したでしょうか。

 追記:引っ越しに伴い、両方見ていただいたりしているので水増し気味になりますが、gooとjugemあわせて28万のアクセスいただきました。また、ブログランキングにもたくさんの応援頂き、本当に有難く思っています。心から御礼申し上げます。


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